モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > 第6戦 イタリアGP 決勝
リザルト ポイント
第6戦 イタリアGP 第6戦 イタリアGPview

ペドロサ3位で今季5回目の表彰台獲得
デ・アンジェリス、今季ベストリザルトの4位でフィニッシュ

2008年6月1日(日)
決勝
会場:ムジェロ・サーキット
天候:晴れ
気温:29℃
コースコンディション:ドライ
観客:9万6252人(3日間14万4252人)

イタリアGP決勝は、29℃の最高気温を記録する暑さとなり、地元大会に闘志を燃やすバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)が優勝。2位にケーシー・ストーナー(ドゥカティ)。その2人と中盤までトップグループを形成したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が3位でフィニッシュした。今季2勝目は果たせなかったが、6戦を終えて5度目の表彰台に立ったペドロサは、総合ポイントで2位に浮上した。

今大会は、金曜日、土曜日と不安定な天候で、2日間4セッションのうち、完全なドライコンディションで走れたのが1セッションという厳しい条件となり、しかも決勝日は気温が上がり、タイヤに厳しいレースとなった。予選2番手からホールショットを奪い、オープニングラップを制したペドロサだが、思うようにペースを上げられず、トップグループの中で苦戦。中盤、ストーナーを抜いて2番手に浮上するが、再び、ストーナーにかわされて3位に終わった。

難しい条件の中で優勝こそ逃したペドロサだが、今季5度目の表彰台で総合2位に浮上。総合首位のロッシと12ポイント差で第7戦カタルニアGPを迎える。カタルニア・サーキットのあるバルセロナは、ペドロサの生まれ育った街。昨年は3位表彰台。今年は念願のカタルニアGP初制覇の期待がかかる。

ペドロサの後方では、アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)が、今季ベストリザルトとなる4位でフィニッシュした。250ccクラスで過去3年連続表彰台に立っているデ・アンジェリスは、地元サンマリノのファンの声援に応え、朝のウオームアップでトップタイムをマーク。決勝では、オープニングラップ14番手から2周目に13番手、3周目に11番手、4周目に8番手とすばらしい追い上げを見せ、7周目に6番手、さらに9周目に4番手に浮上すると、ペドロサの背後に迫る好走を見せた。

そのデ・アンジェリスと前半、バトルを繰り広げたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)は、中盤からペースが上がらず8位に終わった。予選13番手から決勝に挑んだドヴィツィオーゾは、前半、ロリス・カピロッシ(スズキ)、ホルヘ・ロレンゾ(ヤマハ)、ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)らとセカンドグループを形成。中盤からは、カピロッシ、コーリン・エドワーズ(ヤマハ)、ジェームス・トーズランド(ヤマハ)らとし烈な5位争いを繰り広げた。終盤は、ペースが上がらず8位でフィニッシュした。

最終ラップ、ドヴィツィオーゾとし烈な戦いを繰り広げた中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)が9位でフィニッシュした。予選9番手から序盤は11番手を走行。中盤に転倒者が続出したことでポジションを上げ、ヘイデンをかわし9番手に浮上。終盤にはカピロッシ、ドヴィツィオーゾに追いついたが、わずかに届かなかった。

予選6番手から今季初表彰台の期待が膨らんだヘイデンは、好スタートから序盤5番手につけるも、中盤からペースを落とし13位に終わった。予選12番手から決勝に挑んだランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)は、13番手を走行していた6周目に転倒を喫しリタイアに終わった。

250ccクラスは、マルコ・シモンセリ(ジレラ)が優勝した。2位にはアレックス・デボン(アプリリア)、3位にトーマス・ルティ(アプリリア)が入った。デボンとルティとセカンドグループを形成した高橋裕紀(JiR Team Scot 250)は、終盤、単独5位を走行したが、タイヤの消耗で転倒を喫し、リタイアに終わった。予選17番手からスタートしたラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は、10位でチェッカーを受けた。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 3位)

「今日のバレンティーノのペースはとても速く、厳しいレースだった。スタートはよかった。走りのリズムも最高によかった。序盤はトップグループで戦うことができたが、次第にバレンティーノに離され、ケーシーとの2位争いになった。終盤、彼をパスしようと全力を尽くしたが不可能だった。表彰台に立てたことはすばらしい。チャンピオンシップで2位になれたからね。しかし、もっと勝たなければならない。エンジンはよかったが、タイヤが厳しく、後半ペースをキープできなかった。バレンティーノは、ムジェロで7度目の勝利を挙げた。次のカタルニアは自分の番になることを願っている」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 4位)

「今日は忘れられない一日になった。朝のウオームアップでトップタイムをマーク。そして決勝では4位になれたのだからね。今回は、バイクの状態がよくて、気持ちよく乗れた。しかし、スタートが悪くて1周目は14番手までポジションを落とし、がっかりした。でも、それから猛烈に追い上げることができた。前を走るペドロサのペースが落ちていたので、もしかすると表彰台に立てるかも知れないと思った。そうはならなかったが、地元の声援の中で4位という結果を残せて、とても満足している」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 8位)

「今日は気温が高く、体力的にも厳しいレースだった。スタートはよかった。そしてたくさんのライダーをパスすることができた。いいリズムで走れたのだが、リアのグリップが徐々になくなっていった。昨日から今日にかけて2種類のタイヤをテストしたが、ハードはグリップが悪く、ミディアムはタイヤのもちが心配だった。ミディアムをチョイスしたが、予想よりペースが速く、タイヤがもたなかった」

中野真矢(MotoGP 9位)

「スタートはよかったし、いいポジションでレースを始めることができた。しかし、ニッキーを抜くのに時間がかかり、そこでロスした3秒が苦しいレースにしてしまった。しかし、中盤、後半と攻めの走りができた。今回は予選タイヤでもタイムを上げることができたし、ブリヂストンの新しいタイヤがすごくよかった。チームメートに負けたのは悔しいが、大きな刺激になった。今年になって一番のレース。次はもっと上のリザルトを目指したい」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 13位)

「朝のウオームアップでは、サスのセッティングを変えたことでフィーリングがよくなった。ペースも改善された。決勝はよいスタートが切れたのだが、序盤から問題を抱え、ペースを落としてしまった。次々に抜かれた。成す術もなかった。しかし、最後までがんばろうと思い、2ポイントを獲得することができた。一体、何が問題だったのか、これから調べなくてはいけない」

岡田忠之(MotoGP 14位)

「レースの内容では、いいところ悪いところはあるが、完走することが大きな目的だったし、そういう意味では、次の開発につながったと思う。今日は序盤にペースを上げられなかったが、最終ラップにベストタイムをマークした。土曜日のフリーでちゃんと走れなかったことでセッティングを完全に出しきれなかったが、実戦でのデータは残せたと思う。今回の参戦はHondaにとって、とても重要なものだった。完ぺきではないが、自分の仕事はこなせたと思っている。こういうチャンスを与えてくれたHonda、チーム、開発チームのスタッフ、そして日本のファンに感謝したい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP リタイア)

「今年になって最高のスタートが切れた。序盤にトップ10内までポジションを上げることができた。それだけに残念な結果だった。しかし、今日は最初からリアのフィーリングがおかしく、ペースを上げられなかった。それでも、ポジションをキープしようと全力を尽くした。6周目にバーミューレン(スズキ)に追いついて抜こうとしたのだが、恐らく、そのときに彼と当たってしまったのかもしれない。転んだときに小指を痛めたが、次のカタルニアに向けて問題はない」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「厳しいレースだった。ダニはよくがんばってくれたが、序盤、中盤にペースを上げられず厳しい戦いになった。ニッキーは今、原因を調べているが、ちょっとした不具合があってペースを上げられなかったようだ。前回のフランス、そして今回と、もっとがんばらなければいけないということを改めて認識させられた。次のカタルニアに向けてトータルのパフォーマンスを上げていかなければならない。岡田選手は今回の目的を達成してくれた。いい仕事をしてくれた。ニューマシンは、ネガな部分はあるが、それを改善し、ポジティブな部分に関してはさらに伸ばしていきたい。チーム全員が前向きに取り組んでいるし、ここから先も、チームの総合力で戦っていく。この数戦、勝てないレースが続いている。Hondaを応援してくれる人たちの期待に応えなくてはいけない。とにかく勝つこと。これからも引き続き、応援をお願いしたい」

高橋裕紀(250cc リタイア)

「スタートはよかったが、トップグループのペースにはついていけなかった。その後ろのグループで、デボンとぺセック(アプリリア)とバトルになった。そのバトルでフロントタイヤを消耗させ、結果的に、終盤はリアタイヤも苦しくなってしまった。後ろのグループが追いついてきていたのでペースを上げようとしたら、3コーナーでフロントから転んでしまった。チームの地元なのでいい結果を残したかった」

決勝リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 46 V.ロッシ ヤマハ B 42:31.153
2 1 C.ストーナー ドゥカティ B +2.201
3 2 ダニ・ペドロサ Honda M +4.867
4 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +6.313
5 5 C.エドワーズ ヤマハ M +12.530
6 52 J.トーズランド ヤマハ M +13.806
7 65 L.カピロッシ スズキ B +14.447
8 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +15.319
9 56 中野真矢 Honda B +15.327
10 7 C.バーミューレン スズキ B +30.785
11 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +39.621
12 24 T.エリアス ドゥカティ B +50.021
13 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +50.440
14 8 岡田忠之 Honda M +58.849
15 13 A.ウェスト カワサキ B +1:00.736
RT 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +17Laps
RT 21 J.ホプキンス カワサキ B +17Laps
RT 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +18Laps
RT 33 M.メランドリ ドゥカティ B +18Laps

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 58 M.シモンセリ ジレラ 40:19.910
2 6 A.デボン アプリリア +0.499
3 12 T.ルティ アプリリア +0.712
4 36 M.カリオ KTM +7.403
5 75 M.パシーニ アプリリア +12.542
6 15 R.ロカテッリ ジレラ +12.790
7 17 K.アブラハム アプリリア +16.114
8 4 青山博一 KTM +17.316
9 41 A.エスパルガロ アプリリア +19.642
10 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +19.704
RT 72 高橋裕紀 Honda +4Laps

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 24 S.コルシ アプリリア 39:59.020
2 1 G.タルマクシ アプリリア +0.019
3 44 P.エスパルガロ デルビ +0.036
4 63 M.ディ・ミリオ デルビ +0.135
5 38 B.スミス アプリリア +0.178
6 33 S.ガデア アプリリア +0.490
7 18 N.テロール アプリリア +0.832
8 11 S.コルテセ アプリリア +3.865
9 6 J.オリベ デルビ +3.928
10 17 S.ブラドル アプリリア +5.439

ポイントスタンディング

ライダー:MotoGP

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 V.ロッシ ヤマハ 122
2 ダニ・ペドロサ Honda 110
3 J.ロレンゾ ヤマハ 94
4 C.ストーナー ドゥカティ 76
5 C.エドワーズ ヤマハ 58
6 L.カピロッシ スズキ 51
7 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 44
8 J.トーズランド ヤマハ 43
9 ニッキー・ヘイデン Honda 40
10 中野真矢 Honda 35
13 アレックス・デ・アンジェリス Honda 24
16 ランディ・デ・ピュニエ Honda 18
19 岡田忠之 Honda 2

コンストラクター:MotoGP

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 ヤマハ 140
2 Honda 110
3 ドゥカティ 81
4 スズキ 54
5 カワサキ 29

ライダー:250cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.カリオ KTM 106
2 M.パシーニ アプリリア 88
3 A.デボン アプリリア 79
4 M.シモンセリ ジレラ 78
5 青山博一 KTM 61
6 高橋裕紀 Honda 59
7 H.バルベラ アプリリア 53
8 A.バウティスタ アプリリア 41
9 A.エスパルガロ アプリリア 40
10 J.シモン KTM 36
13 ラタパーク・ウィライロー Honda 25

コンストラクター:250cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 131
2 KTM 106
3 ジレラ 94
4 Honda 65
5 ヤマハ 1

ライダー:125cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 S.コルシ アプリリア 87
2 M.ディ・ミリオ デルビ 87
3 N.テロール アプリリア 75
4 J.オリベ デルビ 65
5 S.ブラドル アプリリア 64
6 P.エスパルガロ デルビ 55
7 G.タルマクシ アプリリア 52
8 A.イアンノーネ アプリリア 47
9 B.スミス アプリリア 47
10 S.ガデア アプリリア 42

コンストラクター:125cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 145
2 デルビ 109
3 KTM 30
4 ロンシン 1

フォトギャラリー

  • 第6戦 イタリアGP
  • 第6戦 イタリアGP
  • 第6戦 イタリアGP
  • 第6戦 イタリアGP
  • 第6戦 イタリアGP
  • 第6戦 イタリアGP