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リザルト
第5戦 フランスGP 第5戦 フランスGPview

ペドロサ、今季初PPを獲得
ヘイデンは6番手から決勝に挑む

2008年5月17日(土)
予選
会場:ル・マン・サーキット
天候:曇り/雨
気温:21℃
コースコンディション:ドライ/ウエット

フランスGP予選は、終日、厚い雲が空を覆う不安定な天候の中で行われ、初日のフリー走行でトップタイムをマークしていたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が、すばらしい走りで今季初ポールポジション(PP)を獲得した。以下、コーリン・エドワーズ(ヤマハ)、ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)までが1分32秒台の好タイムをマーク。4番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、5番手にホルへ・ロレンゾ(ヤマハ)。6番手にニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)が僅差で続いた。

Honda勢は、10番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)。12番手にランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)、13番手に中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)、15番手にアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)という結果だった。昨年のフランスGP予選は、トップから12番手までが1秒差以内という大接戦。今年もPPを獲得したペドロサから9番手までが1秒差以内という接戦となった。

初日にトップタイムをマークしたペドロサは、2日目も好調にセットアップを進めた。この日、最初に行なわれた125ccクラスのフリー走行は、ウエットからドライという難しいコンディションとなったが、MotoGPクラスのフリー走行はドライで行われた。

このセッションでトップタイムをマークしたのはエドワーズ。初日のフリー走行で順調にセットアップを進めたペドロサは、決勝レースに向けてのセットアップに集中。ベストタイムでは3番手も、シミュレーションを着実にこなし、午後の予選を待つばかりだった。

ペドロサは、前戦中国GPではフリー走行で2番手と順調にセットアップを進めたが、予選のアタックが思い通りにいかず5番手に終わっていた。それを教訓に生かした今大会は、予選タイヤのセッティングも決まり、昨年の最終戦バレンシアGP以来5戦ぶり、今季初のPPを獲得した。開幕から4戦、PPが取れそうで取れないというもどかしさを味わってきたペドロサだが、フリー走行、予選ともに確実にメニューを消化。今季2勝目に向けて、RC212Vを最高の状態に仕上げることに成功した。

初日、やや出遅れた感のあるヘイデンも、2日目は大きく前進した。午前中のフリー走行、そして午後の予選で確実にタイムを短縮。レースに向けてのセッティングには、やや不満が残るも、予選用タイヤのアタックでは、ヘイデンらしい走りで6番手まで浮上。2列目という好ポジションを獲得した。

初日13番手のドヴィツィオーゾは、2日目のフリー走行で大幅にタイムを短縮して5番手まで浮上した。予選用タイヤのアタックでは10番手へとポジションを落としたが、レース用のセッティングが決まっているだけに、追い上げのレースに期待。地元GPに闘志を燃やすデ・ピュニエも、4列目12番手からのスタートになるが、フリー走行では8番手とまずまずの仕上がりを見せているだけに、決勝での巻き返しが期待される。

中野真矢は、2日目のフリー走行でセッティングに失敗。思うようにタイムを伸ばせず、初日7番手から10番手へ。さらに予選では13番手へとポジションを落としたが、巻き返しに気合満点。初日10番手のデ・アンジェリスも、2日目のフリー走行で13番手、予選でも15番手と大接戦の中でポジションを落としたが、追い上げのレースに期待したい。

250ccクラスは、午前中のフリー走行はドライで行われたが、午後の予選ではセッション中に雨が降り始めるという難しいコンディションとなり、アレックス・デボン(アプリリア)がPPを獲得。高橋裕紀(JiR Team Scot 250)はタイムを更新できず、初日の11番手から12番手へ。ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は、路面がドライになったラスト10分で初日のタイムを更新するも、14番手から16番手へとポジションを落とした。しかし、トップから1秒差以内に13台という大接戦。高橋、ウィライローともに決勝での追い上げに期待したい。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP ポールポジション)

「今日の結果には、とても満足している。今季初めてPPを獲得できたし、このサーキットは、グリッドがとても重要になるからね。今日は、より乗りやすくするために、セッティングを少しだけ変更した。予選タイヤのアタックは、最初の2本は完ぺきな走りができなかった。それでセッティングを少し変えた。3回目のアタックでは、それがよくて大幅にタイムを更新して3番手に浮上、4回目のアタックではPPを取ることができた。今日は、レースに向けてのアベレージもよかった。トップグループはすごい接戦なので、明日はもう一歩前進したい」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 6番手)

「正直、厳しい2日間だった。昨日、今日と、できることはすべてやったが、なかなかいい方向性を見つけることができなかった。午後になってフィーリングが改善され、お陰で6番手グリッドを得ることができたが、フロントのフィーリングをよくすると、今度はリアに問題が出るという状態が続いている。現状では、トップグループについていくのは厳しい。明日のウオームアップでさらによい状態を見つけたい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 10番手)

「今日は天候が崩れるという予報だったが、ラッキーなことに、ドライで走ることができた。今回投入されたニューパーツは、確実にバイクのパフォーマンスを上げてくれた。ハンドリングもよかったし、タイヤの選択も順調だった。今回、いろいろとサポートしてくれたHondaに感謝したい。これで予選のグリッドがよければ言うことはなかった。明日はいいスタートを切ってトップグループについていきたい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 12番手)

「昨日から今日にかけてバイクの状態は大きく前進した。午後の予選は、天候が崩れるかもしれないということで早めにアタックしたが、あまりフィーリングはよくなかった。4列目グリッドに終わりがっかりした。しかし、レースに向けてのセットアップは悪くない。明日のレースはいい走りができると信じている」

中野真矢(MotoGP 13番手)

「予選タイヤのアタックは4回。すべてのアタックでタイムを更新することができた。フリー走行より1秒タイムを上げることができたし、自分としてはベストを尽くせたと思う。しかし、思ったよりも周りのタイムが上がり、13番手に終わってしまった。レース用のセットアップでは1分35秒台で走れるようになったが、34秒台に入っている選手も多く、厳しいレースになりそうだ。明日の決勝は、天候がどうなるか分からないが、どんな天気になってもベストを尽くしたい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 15番手)

「今回も想定していたグリッドを獲得することができなかった。レース用タイヤではまずまずの走りができたのだが、それを予選タイヤのアタックにつなげられなかった。その理由は、予選タイヤのアタックでは、マシンのバランスが崩れてしまったからだ。今日は、2台のバイクを違うセッティングにして走ったが、それほどの差はなかった。とにかく、現状から抜け出すために全力を尽くさなければならない」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「開幕戦からここまで、取れそうで取れなかったPPを獲得することができてよかった。すばらしい走りをしてくれたダニに感謝したい。ダニはこの2日間、予定通りに走ってくれた。予選タイヤのアタックも計画通りに行い、ベストタイムを刻んでくれた。今回はPPを取ると言ってくれていたが、それを見事に実践してくれた。ニッキーは、ダニほどの仕上がりではないが、フリー走行、予選と確実にタイムを上げた。予選タイヤのアタックも、最低で6番手以内、2列目に並ぶというのが目標だったが、それを達成してくれた。明日の天候がどうなるか分からないが、ダニもニッキーも、ベストを尽くしてくれるはずだ」

高橋裕紀(250cc 12番手)

「予選が始まってすぐに雨が降り始め、しっかり走ることができなかった。後半の10分くらいはドライになったが、タイムを更新することができなかった。昨日、今日と、新しいスイングアームを使っているが、雨の影響で時間が足りず、セッティングを詰めきれなかった。3列目からのスタートになるが、決勝はいいスタートを切ってトップグループについていきたい」

予選リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 2 ダニ・ペドロサ Honda M 1:32.647
2 5 C.エドワーズ ヤマハ M +0.127
3 1 C.ストーナー ドゥカティ B +0.347
4 46 V.ロッシ ヤマハ B +0.510
5 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +0.622
6 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +0.639
7 52 J.トーズランド ヤマハ M +0.749
8 7 C.バーミューレン スズキ B +0.793
9 21 J.ホプキンス カワサキ B +0.981
10 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +1.042
11 65 L.カピロッシ スズキ B +1.060
12 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +1.076
13 56 中野真矢 Honda B +1.430
14 24 T.エリアス ドゥカティ B +1.914
15 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +2.023
16 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +2.100
17 33 M.メランドリ ドゥカティ B +2.434
18 13 A.ウェスト カワサキ B +2.702

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 6 A.デボン アプリリア 1:38.478
2 19 A.バウティスタ アプリリア +0.001
3 58 M.シモンセリ ジレラ +0.089
4 12 T.ルティ アプリリア +0.170
5 75 M.パシーニ アプリリア +0.310
6 36 M.カリオ KTM +0.312
7 60 J.シモン KTM +0.573
8 54 M.ポジャーリ ジレラ +0.586
9 41 A.エスパルガロ アプリリア +0.706
10 4 青山博一 KTM +0.719
12 72 高橋裕紀 Honda +0.968
16 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +1.446

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 33 S.ガデア アプリリア 1:43.515
2 38 B.スミス アプリリア +0.025
3 17 S.ブラドル アプリリア +0.195
4 24 S.コルシ アプリリア +0.196
5 11 S.コルテセ アプリリア +0.296
6 63 M.ディ・ミリオ デルビ +0.441
7 18 N.テロール アプリリア +0.601
8 1 G.タルマクシ アプリリア +0.695
9 12 E.ラバト KTM +0.829
10 44 P.エスパルガロ デルビ +0.970

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