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第5戦 フランスGP 第5戦 フランスGP

フランスGPプレビュー

第5戦フランスGPが、5月16日、ル・マン・サーキットで開幕する。フランスGPは、1951年にその歴史をスタートさせて今年で46回目。ル・マンでは69年に初めてGPが開催された。フランスGPは、過去、ル・マンをはじめ、ポールリカール、ノガロ、マニクールなどいくつかのサーキットで行われてきたが、2000年以降はル・マンに定着、今年で通算21回目となる。

昨年の大会は、雨のレースとなり、ブリヂストン勢が表彰台を独占。Team Honda Gresiniのマルコ・メランドリ(現ドゥカティ)が2位となっている。この時期のル・マンは、晴れると気温が上がる一方で、雨が降る確率も高く、天候に翻弄されることが多い。

4戦を終えてランキング首位に立つダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、2003年に125ccで勝ち、04年、05年には250ccで2連勝、06年にはMotoGPで3位表彰台に立っている。雨のレースになった昨年はミシュラン勢最上位の4位となるなど、ル・マンは最も得意とするサーキットの1つ。今季2勝目とバレンシアGPに続く3クラス制覇への期待が集まる。

一昨年のチャンピオンで、4戦を終えてランキング8位のニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)も、転倒リタイアに終わった昨年の雪辱に闘志を燃やす。昨年は、雨のためにレース中にバイクを乗り換えることができる“フラッグ・トゥ・フラッグ”ルールが適用され、大混戦の中でヘイデンはすばらしい追い上げを見せた。結果は転倒リタイアも、多くのファンに強烈な印象を残す走りだった。今年は第2戦スペインGPで4位になり、ポルトガル、中国と確実に調子を上げている。ここまでは転倒などで結果につなげられていないが、今大会は、今季初表彰台、初優勝に期待したい。

ランキング9位につけるアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)も、ル・マンを得意とする選手の1人。04年に125ccクラスで優勝、250ccクラスでは、05、06、07年と3年連続で表彰台に立ち、今大会はMotoGP初表彰台を狙う。中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)もル・マンでは250cc時代に表彰台に立っている。そしてMotoGPクラスでは、一昨年にPP争いをするなど得意とするサーキットの1つだけに、今季ベストリザルトを狙う。アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)も、昨年は250ccクラスで3位表彰台に立っている。MotoGPクラス5戦目を迎える今大会は、今季ベストリザルトを狙う。

ホームGPを迎えるランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)も、並々ならぬ闘志を燃やしている。今年は、ウインターテストから好調な走りを見せているが、なかなか結果に結びつかない。開幕から4戦、フラストレーションのたまるレースが続いているだけに、今大会は、そのうっぷんを晴らす意気込みだ。250cc時代は、02年から05年まで4年連続表彰台に立ち、地元ファンの期待に応えてきた。今年はRC212Vで初めて迎えるホームGP。MotoGPクラス初表彰台を狙う。

250ccクラスは、4戦を終えてランキング4位につける高橋裕紀(JiR Team Scot 250)が、2年ぶりのフランスGP制覇に闘志を燃やす。高橋にとってル・マンは、GP初優勝を達成した記念すべきサーキット。昨年はケガのために欠場しているが、今大会は、今季初優勝への期待が膨らむ。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング1位)

「ここから10週間で7つのグランプリ。シーズンを通じて最もハードで、大事な時期になる。その最初のレースなので、いいレースにしたい。ル・マンは好きなサーキット。最もエキサイティングなのは、第1シケインの先、ダウンヒルの右コーナー。そして一番難しいのは、コース終盤部分。とにかく、ル・マンで大事なのは、いい加速とブレーキング。きっちりとギアを合わせてアグレッシブに攻めていかなければならない。ル・マンの観客も熱狂的。雰囲気もいいし、すごく楽しみにしている」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP ランキング8位)

「この数戦、結果を残せていないので、ル・マンで流れを変えたい。このサーキットは好きなサーキットの1つ。第1シケインのあと、丘を下っていく右コーナーが大好きだ。このサーキットは、スムーズで乗りやすいアクセレーションと、いい加速が重要になる。もちろん、ハードなブレーキングポイントも多いので、減速時の安定性も欠かせない。ル・マンの路面はスリッピーで、天候も不安定なので、タイヤの選択が重要になる。とにかく、ここで一歩前進したい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP ランキング9位)

「このサーキットは、125ccと250ccですばらしい結果を残してきたし、大好きなサーキットだ。このサーキットは、加速のいい我々のマシンに合っていると思う。前回の中国は残念な結果だった。それだけにチームのモチベーションは高い。僕も優勝争いに絡めると思っている。開幕が待ち遠しい」

中野真矢(MotoGP ランキング12位)

「ル・マンは好きなサーキットの1つ。今年はバックストレートに出る右のヘアピンが改修されているので、その部分を早く攻略したい。今年は一戦ごとに調子が上がっている。ここからヨーロッパラウンドが本格化していく。その最初のレースになるので、いい結果を残し、いい流れに乗りたい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP ランキング15位)

「今回は特別なレース。確かにプレッシャーはあるけれど、それが大きな力になっている。ル・マンは好きなコースだ。250cc時代に結果を残してきたし、自信もある。天候がどうなるかわからないが、どんな天候になってもベストを尽くしたい。そのためにバイクをいい状態に仕上げたい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP ランキング16位)

「今回、新しいクラッチが使えることになり、これまで抱えていたいくつかの問題が、これで解決すると思う。ブリヂストンも、オフにテストしてよかったタイヤに近いものをル・マンに投入してくれるので、それも楽しみにしている。正直、ル・マンは好きなサーキットではないが、Hondaには合っているコースだと思う」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「今回もハード的には大きな変化はないので、前戦中国GPと同じ流れでレース仕様をフィックスしていく。レース用タイヤを早く決めて、なるべく長く走れるようにしたい。ル・マンは、天候が不安定なサーキットなので、天候に左右されないようにしっかりとマシンのセッティングを詰めていかなければならない。今回も厳しいレースになるが、優勝を狙っていく」

高橋裕紀(250ccクラス ランキング4位)

「前回の中国GPは、トラブルのために表彰台を逃す残念な結果だった。しかし、今年は開幕戦から好調で、いい流れに乗っている。中国GPが、自分にとっては序盤の最大の山場だと思っていた。その中国GPでいい走りができて大きな自信になった。ル・マンは、RS250RWのアドバンテージを生かせるサーキット。勝てるチャンスだと思っている。予選、決勝と、落ち着いて自分の走りをするようにしたい」