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リザルト ポイント
第3戦 ポルトガルGP 第3戦 ポルトガルGP view

ペドロサが開幕から3戦連続表彰台となる2位。総合ポイントでも、首位と同ポイントの総合2位

2008年4月13日(日)
決勝
会場:エストリル・サーキット
天候:晴れ
気温:18℃
コースコンディション:ドライ
観客:4万1840人(3日間7万2383人)

第3戦ポルトガルGP決勝は、フロントローからスタートしたPPのホルヘ・ロレンゾ(ヤマハ)、2番手のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)、3番手のバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)のし烈な戦いとなり、ロレンゾが優勝。そのロレンゾを最後まで追撃したペドロサが2位でフィニッシュし、3位にロッシという結果だった。

ホールショットを奪ったのはペドロサ。今季初優勝を飾った前戦スペインGPに続きすばらしいスタートを切った。しかし、スタートと同時に小雨が降り始めたことで、ペドロサはペースを抑え、ロレンゾとロッシのヤマハ勢、さらに予選7番手から好スタートを切ったアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)の先行を許した。数周にわたって小雨が降り続いたあと、雨は上がり、再び、ハイペースの戦いとなった。

序盤は、ロッシを先頭に、ロレンゾ、ペドロサ、ドヴィツィオーゾ、ジョン・ホプキンス(カワサキ)の5台がトップグループを形成する。中盤になると、この中から、ロッシ、ロレンゾ、ペドロサが抜け出し、優勝争いはこの3台に絞られた。

そして中盤の11周目、ロレンゾがロッシをかわしトップに立つ。ペドロサもペースの上がらないロッシを15周目にかわして2番手に浮上。以後、ペドロサは逃げるロレンゾを最終ラップの28周まで激しく追ったが、わずかに届かなかった。

惜しくも2連勝を逃したペドロサだが、これで開幕から3戦連続の表彰台を獲得し、総合首位に立ったロレンゾと同ポイントの総合2位。念願のタイトル獲得に向けて価値ある表彰台に登壇を果たした。

その後方では、予選4番手から序盤7番手と出遅れたニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)がすばらしい追い上げを見せた。10周目にホプキンスをかわして6番手、11周目にコーリン・エドワーズ(ヤマハ)をパスして5番手、16周目にはドヴィツィオーゾが転倒したことで4番手に浮上した。そのあともトップグループの3台に一気に接近したが、17周目に痛恨の転倒を喫してリタイアに終わった。

序盤からトップグループに加わり、初の表彰台獲得の期待が膨らんだドヴィツィオーゾは、中盤までトップグループで健闘したが、16周目に痛恨の転倒を喫してリタイア。ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)、ジェームス・トーズランド(ヤマハ)、クリス・バーミューレン(スズキ)らとし烈な6位争いを演じたランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)は、ラスト2周となった27周目に転倒。再スタートを切ったが大きくポジションを落として、15位でフィニッシュした。

予選11番手からオープニングラップ13番手の中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)は、小雨が降り続いた序盤にペースが上がらず苦しいレース。終盤、ロリス・カピロッシ(スズキ)を追撃したが届かず、10位でフィニッシュ。インフルエンザで体調を崩していたアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)は、11位で完走を果たした。

250ccクラスは、アルバロ・バウティスタ(アプリリア)が優勝。RS250RWに乗る高橋裕紀(JiR Team Scot 250)は6位、ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は13位でフィニッシュした。予選5番手から決勝に挑んだ高橋は、中盤まで、ミカ・カリオ(KTM)、青山博一(KTM)、マティア・パシーニ(アプリリア)と3位争いを繰り広げた。この中からカリオが抜け出し、代わってトーマス・ルティ(アプリリア)が加わる激しい4位争いとなり、最後は6位でフィニッシュ。2戦連続表彰台は果たせずも、総合4位をキープした。ウィライローは13位で、3戦連続でポイントを獲得した。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 2位)

「ウインターテストがほとんどできなかったことを考えれば、ここまでの3戦のリザルトにとても満足している。今日はいいレースだった。序盤、雨が降っていたので、ちょっと危なかったが、いろいろと駆け引きがあっておもしろかった。雨が止んでからはペースが上がり、レースに集中しなければならなかった。最終的に2位に終わったが、今日は厳しいレースを予想していたし、本当にハッピーだった。トップに立ったロレンゾに離され始めたとき、ロッシを抜くのに時間がかかり、抜いたときにはすでにギャップが開いていた。その差を縮めるか、差をキープしたいと思ったが、少しずつ離されてしまった。でも、いいレースだった」

中野真矢(MotoGP 10位)

「今日はもう少し上のポジションでフィニッシュできると思っていた。序盤、雨が降っているときにペースを上げられず、終盤、タイヤが消耗してきてからリズムに乗ることができた。中盤までペースを上げられなかったのは、タイヤにうまくプレッシャーを掛けられなかったためで、サスペンションとエンジンのキャラクターをうまくマッチングさせないといけないことを感じた。今日は悔しいレースだったが、これからの課題がはっきりしたという点では収穫だった。次につながるレースになったと思う」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 11位)

「今日は厳しいレースだった。数周したあとに単独になってしまい、そのためにレースに集中するのが大変だった。しかし、何とか最後まで走りきろうと全力を尽くした。ウインターテストが終わった時点で、トップ8には入れる自信があった。依然としてウインターテストの成果が発揮できていないのが残念だ」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 15位)

「バイクのセッティングもタイヤの選択もよかった。今日はいいレースができる自信があった。しかし、コーナーの進入ラインをミスしてフロントから転んでしまった。再スタートできたが、15位になるのがやっとだった。スタートがよければ、エドワーズも捕らえることができたと思う。残念な結果だが、すばらしい仕事をしてくれたチームに感謝したい」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP リタイア)

「今日はハードタイヤを選択したため、雨が降っている序盤にペースを上げることができなかった。そのうち雨が上がり、フィーリングもよくなりペースが上がり、何台か抜いた。4番手に上がった時点でさらにトップグループとの差を縮めようと思った矢先に、7コーナーで転倒してしまった。タイヤのグリップはよく、バイクの状態もよかった。転倒は自分のミスだった」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP リタイア)

「今日はいいレースができてハッピーだった。自分でも驚くほどいいリズムで走ることができた。いい結果を残したかったし、トップグループから遅れないよう全力を尽くした。トップの3人の後ろで走れたことはすばらしい経験だった。多くのことを学べた。我々が乗っているRC212Vのパフォーマンスをフルに発揮できたと思う。転倒はフロントからだった。リタイアしたことは残念だが、いいレースができたと思っている。すばらしい仕事をしてくれたチームに心から感謝したい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「勝てなかったのは残念だが、チャンピオンシップを考えればいい結果だった。今日は、ロレンゾ、ロッシともにすばらしい走りだった。ミシュランでもブリヂストンでもトップでフィニッシュしている。ハードのポテンシャルの高さを感じさせられた。それを思えば、ダニもニッキーもよくがんばってくれたと思う。がんばってくれているライダーをヘルプできるように、我々は、さらにがんばらなければならない。今日は勝てなかったが、チーム全体のベクトルが合ってきていることを感じた。これからの戦いで大きな力になってくれるはずだ。ニッキーは転倒したが、攻める走りができるようになってきた。次の上海では、Repsol Honda Teamの2人がいいレースができるようにサポートしていきたい」

高橋裕紀(250cc 6位)

「序盤の混戦の中でポジションを上げられなかったのが痛かった。ストレートで離され、コーナーで追いつくという戦いだったが、それでタイヤを消耗させてしまった。今日は、タイヤの持ちを考えず全力でいくと決めていた。その通りのレースはできたが、表彰台に立ちたかった。レースウイークを通じて、今日が一番いい走りができたと思う。それだけに悔しい。次の上海では、上のポジションを目指したい」

決勝リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 48 J.ロレンゾ ヤマハ M 45:53.089
2 2 ダニ・ペドロサ Honda M +1.817
3 46 V.ロッシ ヤマハ B +12.723
4 5 C.エドワーズ ヤマハ M +17.223
5 21 J.ホプキンス カワサキ B +23.752
6 1 C.ストーナー ドゥカティ B +26.688
7 52 J.トーズランド ヤマハ M +32.631
8 7 C.バーミューレン スズキ B +36.382
9 65 L.カピロッシ スズキ B +38.268
10 56 中野真矢 Honda B +39.476
11 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +1:01.306
12 24 T.エリアス ドゥカティ B +1:03.867
13 33 M.メランドリ ドゥカティ B +1:09.525
14 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +1:09.634
15 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +1:11.542
16 13 A.ウェスト カワサキ B +1:23.629
RT 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +12Laps
RT 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +13Laps

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 19 A.バウティスタ アプリリア 44:34.257
2 58 M.シモンセリ ジレラ +7.050
3 36 M.カリオ KTM +7.063
4 12 T.ルティ アプリリア +12.998
5 4 青山博一 KTM +14.666
6 72 高橋裕紀 Honda +18.498
7 60 J.シモン KTM +26.812
8 21 H.バルベラ アプリリア +28.012
9 55 H.ファウベル アプリリア +28.288
10 52 L.ペセック アプリリア +36.966
13 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +1:13.303

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 24 S.コルシ アプリリア 40:56.168
2 6 J.オリベ デルビ +0.299
3 18 N.テロール アプリリア +6.355
4 51 S.ボンジー アプリリア +14.973
5 99 D.ウェッブ アプリリア +15.532
6 1 G.タルマクシ アプリリア +15.868
7 63 M.ディ・ミリオ デルビ +15.875
8 17 S.ブラドル アプリリア +17.887
9 33 S.ガデア アプリリア +18.123
10 11 S.コルテセ アプリリア +22.613

ポイントスタンディング

ライダー:MotoGP

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 J.ロレンゾ ヤマハ 61
2 ダニ・ペドロサ Honda 61
3 V.ロッシ ヤマハ 47
4 C.ストーナー ドゥカティ 40
5 J.トーズランド ヤマハ 29
6 L.カピロッシ スズキ 26
7 J.ホプキンス カワサキ 24
8 C.エドワーズ ヤマハ 22
9 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 21
10 ニッキー・ヘイデン Honda 19
11 中野真矢 Honda 16
14 ランディ・デ・ピュニエ Honda 8
15 アレックス・デ・アンジェリス Honda 7

コンストラクター:MotoGP

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 ヤマハ 65
2 Honda 61
3 ドゥカティ 40
4 スズキ 27
5 カワサキ 24

ライダー:250cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.カリオ KTM 57
2 M.パシーニ アプリリア 45
3 H.バルベラ アプリリア 39
4 高橋裕紀 Honda 37
5 A.バウティスタ アプリリア 35
6 青山博一 KTM 24
7 A.デボン アプリリア 23
8 J.シモン KTM 23
9 M.シモンセリ ジレラ 20
10 A.エスパルガロ アプリリア 19
16 ラタパーク・ウィライロー Honda 10

コンストラクター:250cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 70
2 KTM 57
3 Honda 37
4 ジレラ 36

ライダー:125cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 S.コルシ アプリリア 59
2 N.テロール アプリリア 42
3 J.オリベ デルビ 40
4 S.ブラドル アプリリア 37
5 S.ガデア アプリリア 32
6 M.ディ・ミリオ デルビ 29
7 S.ボンジー アプリリア 23
8 D.ウェッブ アプリリア 21
9 S.レディング アプリリア 20
10 S.コルセテ アプリリア 17

コンストラクター:125cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 75
2 デルビ 48
3 KTM 11

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