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リザルト ポイント
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ペドロサ、右手の痛みをこらえ3位表彰台。ドヴィツィオーゾ、し烈な戦いを制して4位でデビュー戦を飾る

2008年3月9日(日)
決勝
会場:ロサイル・インターナショナル・サーキット
天候:晴れ
気温:18℃
コースコンディション:ドライ
観客:5422人(3日間:8454人)

初のナイトレースということで注目を集めた開幕戦カタールGPは、序盤から厳しい戦いとなり、ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)が優勝、2位にホルヘ・ロレンゾ(ヤマハ)、そして3位にダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)と、20代前半の若手が表彰台を独占した。ペドロサは、ウインターテストで右手を負傷、フリー走行で転倒した際に再び右手を痛める苦しい状態だったが、し烈な3位争いから抜け出す熱走を見せた。4位にはアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)。MotoGPクラスのデビュー戦ですばらしい走りを見せた。以下、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)9位、ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)10位、中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)13位。アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)は、レース中盤に転倒を喫してリタイアに終わった。

表彰台に立ったペドロサは、3列目8番グリッドからすばらしいスタートを切り、ホールショットを奪うと4周目までレースの主導権を握った。その後、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)とトップは入れ替わるが、中盤までトップグループは7台という大集団。後半は、その中からストーナーとロレンゾが抜け出し、ペドロサ、ロッシ、ドヴィツィオーゾ、ジェームス・トーズランド(ヤマハ)の4台が3位争いのグループを形成。その中から抜け出したペドロサが、見事、開幕戦で表彰台に立った。これでペドロサは、MotoGPクラスで3年連続で開幕戦の表彰台に立った。

その後方では、ロッシを先頭に、ドヴィツィオーゾ、トーズランドの3台によるし烈な4位争いが展開された。ドヴィツィオーゾはラスト2周でロッシの前に出て4位に浮上。すかさず抜き返されたが、最終ラップに再度の逆転。MotoGPクラスのデビュー戦で4位とすばらしい走りを見せた。

さらに、その後方では、ロリス・カピロッシ(スズキ)、デ・ピュニエ、ヘイデン、デ・アンジェリス、ジョン・ホプキンス(カワサキ)がセカンドグループを形成、厳しい8位争いが繰り広げられた。その戦いを制したのはカピロッシ。デ・ピュニエはわずかに届かず9位、ヘイデン10位だった。

序番、セカンドグループ後方につけた中野は、中盤からじりじりと後退、終盤はホプキンスと厳しい戦いを繰り広げるが、惜しくも届かず13位。セカンドグループで健闘したMotoGPルーキーのデ・アンジェリスは、デ・ピュニエを追っていた17周目、転倒リタイアに終わった。

250ccクラスは、マティア・パシーニ(アプリリア)が優勝。2位にエクトル・バルベラ(アプリリア)、3位にミカ・カリオ(KTM)という結果だった。Honda勢は、予選8番手から決勝に挑んだ高橋裕紀(JiR Team Scot 250)が好スタートを切って、中盤まで4台による3位争いに加わり、最終的に5位でフィニッシュ。昨年はケガのために苦しいシーズンを過ごしたが、今年は復活を期待させる好走を見せた。今年からRS250RWに乗るラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)も13位でフィニッシュした。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 3位)

「今日の結果には自分でも驚いている。正直、これほどのリザルトを期待していなかったから、本当にハッピーだ。1週間前、ここでのテストを終えたときに、今大会に向けて07年型と08年型の両方を用意してもらった。レースは08年型で走ったが、この3日間、チームは本当にすばらしい仕事をしてくれた。今回のレースは、HRCの伝統を痛感させられた。このチームにいることを、心から誇りに思っている。バイクがよかったことはもちろん、今回はミシュランも最高のタイヤを準備してくれた。今日のスタートは、信じられないほど決まったが、右手が完全ではなく、レース中は、ブレーキをきちんと使えなかった。次のレースまで時間があるので、右手もよくなると思う。ヘレスではさらにいい結果を残せるようがんばりたい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 4位)

「初めてのMotoGPクラスのレースで4位になれて、本当にうれしい。こんなにすばらしい結果を残せるとは思わなかった。イタリア人の中でトップでフィニッシュできるとも思っていなかった。グリッドがよくなかったし、こんなに表彰台に近いポジションでフィニッシュできるなんて考えてもいなかったからね。今日はスタートもよく、トップグループに加わることができた。タイヤの選択もよかったと思う。チームには感謝している」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 9位)

「先週のテストで調子がよく、昨日の状態もよかったので、もっといいリザルトを期待していた。しかし、序盤の2周はタイヤのグリップが悪く、ペースを上げられなかった。フロントに絶対的な自信がなかったし、厳しい走りを強いられた。そのあと、状態はよくなって前のグループに追いつくことができた。終盤はカピロッシとの戦いになった。抜いてゴールしたかったが、彼の方が立ち上がりがスムーズで抜けなかった。しかし、今日のレースは、とても自信になった」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 10位)

「もっといいリザルトを残したかった。しかし、1週間前のテストのときから、あまりうまくいかなかった。しかし、この3日間で大きく前進することができた。チームは本当にすばらしい仕事をしてくれた。レースでは、セットアップが完全ではなく、リアのスピニングに苦しめられた。正直、今日の結果にはがっかりしている。次のレースに向けて気持ちを切り替えたい」

中野真矢(MotoGP 13位)

「予選グリッドがあまりよくなかったし、今回は厳しいレースになると思っていた。序盤はセカンドグループについていくことができた。しかし、コーナーの立ち上がりで少しずつ遅れた。今日はマシンにもタイヤにも大きな問題はなかった。ただ、自信を持ってアクセルを開けていくことができなかった。シーズンオフのテストの成果を発揮できなかったのは残念。次のヘレスから納得のいくレースをしたい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP リタイア)

「今日の結果には本当にがっかりしている。今日はストレートでエンジンに伸びがなく、ほかのライダーに抜かれてしまった。1週間前のテストと今週のフリー走行と予選で築いてきたペースを決勝でキープすることができなかった。もし、それができていたらトップグループで走れていたと思う。結果は残せなかったけれど、ポテンシャルのあることは確信することができた。次のヘレスでは結果につなげたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「予想通り、厳しい戦いになった。ダニは、ウインターテストで痛めた右手をロッシとの接触転倒で、再び痛めてしまった。現状の体調を考えれば、よくがんばってくれたと思う。ケガのためにテスト量が決定的に少なかったのだが、今回は、セットアップの方向性を的確に判断して表彰台に立ってくれた。3位という順位は、手放しで喜べるものではないが、個人的には、今日の3位は優勝にも匹敵するものだったと思う。監督として初めてのレースとなったが、全力を尽くしてくれたダニに感謝している。ニッキーは、07年型マシンを選択してレースに挑んだが、今回のレースで、次戦から何をしなくてはいけないのかということが明らかになった。次戦では結果を出せるよう、我々は全力で彼をヘルプしていきたい」

高橋裕紀(250cc 5位)

「久しぶりに、気持ちのいいレースができた。中盤までは3位争いのグループについていけたが、後半は、周りのペースが上がり、少しずつ遅れてしまった。タイヤの選択がミディアムだったことも後半の走りを苦しいものにした。前を走っていたアプリリア、KTM勢はハードを選んだのかもしれない。今日は表彰台には立てなかったが、去年のドヴィツィオーゾのタイムを、予選でも決勝でも上回れたし、満足している」

決勝リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 1 C.ストーナー ドゥカティ B 42:36.587
2 48 J.ロレンゾ ヤマハ M +5.323
3 2 ダニ・ペドロサ Honda M +10.600
4 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +13.288
5 46 V.ロッシ ヤマハ B +13.305
6 52 J.トーズランド ヤマハ M +14.040
7 5 C.エドワーズ ヤマハ M +15.150
8 65 L.カピロッシ スズキ B +32.505
9 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +33.003
10 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +38.354
11 33 M.メランドリ ドゥカティ B +44.284
12 21 J.ホプキンス カワサキ B +49.857
13 56 中野真矢 Honda B +49.871
14 24 T.エリアス ドゥカティ B +58.532
15 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +58.930
16 13 A.ウェスト カワサキ B +1:05.643
17 7 C.バーミューレン スズキ B +1Lap
RT 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +6Laps

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 75 M.パシーニ アプリリア 40:16.202
2 21 H.バルベラ アプリリア +0.557
3 36 M.カリオ KTM +1.029
4 6 A.デボン アプリリア +1.418
5 72 高橋裕紀 Honda +12.944
6 19 A.バウティスタ アプリリア +14.480
7 17 K.アブラハム アプリリア +16.721
8 15 R.ロカテッリ ジレラ +18.987
9 41 A.エスパルガロ アプリリア +32.232
10 55 H.ファウベル アプリリア +41.102
13 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +43.192

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 33 S.ガデア アプリリア 38:09.444
2 6 J.オリベ デルビ +0.932
3 17 S.ブラドル アプリリア +1.660
4 63 M.ディ・ミリオ デルビ +1.771
5 45 S.レディング アプリリア +1.819
6 99 D.ウェッブ アプリリア +7.689
7 24 S.コルシ アプリリア +8.684
8 44 P.エスパルガロ デルビ +8.693
9 7 E.バスケス アプリリア +9.054
10 18 N.テロール アプリリア +10.902

ポイントスタンディング

ライダー:MotoGP

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 C.ストーナー ドゥカティ 25
2 J.ロレンゾ ヤマハ 20
3 ダニ・ペドロサ Honda 16
4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 13
5 V.ロッシ ヤマハ 11
6 J.トーズランド ヤマハ 10
7 C.エドワーズ ヤマハ 9
8 L.カピロッシ スズキ 8
9 ランディ・デ・ピュニエ Honda 7
10 ニッキー・ヘイデン Honda 6
13 中野真矢 Honda 3

コンストラクター:MotoGP

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 ドゥカティ 25
2 ヤマハ 20
3 Honda 16
4 スズキ 8
5 カワサキ 4

ライダー:250cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 M.パシーニ アプリリア 25
2 H.バルベラ アプリリア 20
3 M.カリオ KTM 16
4 A.デボン アプリリア 13
5 高橋裕紀 Honda 11
6 A.バウティスタ アプリリア 10
7 K.アブラハム アプリリア 9
8 R.ロカテッリ ジレラ 8
9 A.エスパルガロ アプリリア 7
10 H.ファウベル アプリリア 6
13 ラタパーク・ウィライロー Honda 3

コンストラクター:250cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 25
2 KTM 16
3 Honda 11
4 ジレラ 8

ライダー:125cc

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 S.ガデア アプリリア 25
2 J.オリベ デルビ 20
3 S.ブラドル アプリリア 16
4 M.ディ・ミリオ デルビ 13
5 S.レディング アプリリア 11
6 D.ウェッブ アプリリア 10
7 S.コルシ アプリリア 9
8 P.エスパルガロ デルビ 8
9 E.バスケス アプリリア 7
10 N.テロール アプリリア 6

コンストラクター:125cc

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 アプリリア 25
2 デルビ 20

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