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リザルト
第1戦 カタールGP 第1戦 カタールGPview

デ・ピュニエとヘイデンが2列目、ペドロサとドヴィツィオーゾは3列目から決勝に挑む

2008年3月8日(土)
予選
会場:ロサイル・インターナショナル・サーキット
天候:晴れ
気温:最高26℃、最低15℃
コースコンディション:ドライ

開幕戦カタールGPの予選は、セッション開始からレベルの高いアタック合戦となり、ルーキーのホルヘ・ロレンゾ(ヤマハ)がデビュー戦で初PPを獲得した。2番手と3番手には、昨年HondaでWSBタイトルを獲得、今季からMotoGPにスイッチしたジェームス・トーズランド、コーリン・エドワーズと、ヤマハ勢が続いた。4番手には、ディフェンディングチャンピオンのケーシー・ストーナー(ドゥカティ)。5番手には、Honda RC212Vで初レースを迎えるランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)。そして、ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)が6番手。ここまでがトップから1秒差以内という接戦だった。

以下、7番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)。1月のマレーシアテストで右手を痛め、前日の転倒で手の状態を悪化させたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が8番手と健闘。9番手は、MotoGPクラスのデビュー戦となるアンドレア・ドヴィツィオーゾ(JiR Team Scot MotoGP)。トップ10に4人のHonda勢が名を連ねた。12番手には、ドヴィツィオーゾ同様、MotoGPクラスのルーキーでフリー走行4番手と好調だったアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)。日本人で唯一、MotoGPクラスに参戦する中野真矢(Team San Carlo Honda Gresini)は15番手だった。

予選2日目は、最高気温、最低気温ともに前日よりやや高めだったが、温度差は11℃。選手にとっては、フリー走行と予選のコンディションの変化に神経を使う一日だった。しかし、今年から使用できるタイヤの本数が増加しているためアタックの回数も増え、これまで以上に激しいアタック合戦となった。

Honda勢最上位のデ・ピュニエはフリー走行で痛恨の転倒、予選に向けて不安を抱えたが、予選用タイヤのアタックでは約1.4秒もタイムを短縮し、5番手に浮上した。フリー走行で新旧のマシンのテストを行っていたヘイデンは、予選と決勝に向けて07年型を選択。フリー走行では15番手までポジションを落としたものの、予選用タイヤのアタックでは一気に6番手まで浮上し、決勝でも追い上げのレースに期待をつないだ。

前日の転倒で、完治していない右手を痛めたペドロサは、この日は08年型のセットアップに集中。順位こそフリー走行・予選ともに8番手と満足のいくものではなかったが、セッションをこなすごとに確実に前進することに成功した。ドヴィツィオーゾは、フリー走行では安定した走りで6番手だったが、予選用タイヤのアタックで思うようなタイムを刻めず、9番手とややポジションを落とした。中野もレース用タイヤのセットアップはまずまずだったが、予選用タイヤではタイムを短縮することができず15番手。後方から追い上げのレースに挑むことになった。

250ccクラスは、アレックス・デボン(アプリリア)がPPを獲得した。初日10番手から2日目の予選に挑んだ高橋裕紀(JiR Team Scot 250)は、約0.5秒のタイム短縮に成功し、8番手へとポジションを上げた。事前テストでマシンのセッティングが決まったという高橋は、この2日間、走り込みに専念。決勝では表彰台、開幕優勝を狙う。初日19番手のラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は、1秒以上タイムを短縮したが順位は変わらず。5列目から決勝に挑む。

コメント

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 5番手)

「昨日より路面のコンディションはよかったが、フリー走行で転倒してしまい、自分にとってもチームにとっても長い一日になってしまった。フロントからの転倒だったが、チームがすばらしい仕事をしてくれたおかげで、完全な状態で予選に挑むことができた。ラップタイムもよかったし、アベレージもよかった。しかし、ちょっとトラブルがあって、予選用タイヤのアタックを2号車でしなければならなかった。2号車は1号車とセッティングが違ったが、悪くはなかった。最後のアタックでタイムを更新できたと思うが、スローダウンしている選手に引っかかったのでアタックをやめた。今回はいいレースができると思う」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 6番手)

「今日はレース用タイヤのセットアップで大きく前進することができた。予選用タイヤのアタックでも、まずまずのタイムだった。ものすごくよかったとは言えないけれど、6番手グリッドから決勝に挑むので、チャンスはある。今日は07年型のマシンで走行したが、ストレートのタイムロスが大きかった。もっと速いペースで走りたかったが、一度にすべてを改善するのは難しい。開幕前のテストから、ここではあまりいいフィーリングはなかったが、今日はライディングを楽しむことができた。とにかく決勝が待ちきれない」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 8番手)

「予選用タイヤでビッグステップを刻めず、3列目からのスタートになってしまった。予選用タイヤのテストをほとんどしていないし、予選用タイヤのセットアップはこれからの課題になる。今日のグリッドには満足していないが、先週のテストに比べれば、はるかによかった。こんなに短い時間で大きく前進できたことに満足している。レース用タイヤのペースはまだ物足りないが、走るごとによくなっている。右手のケガでウインターテストをこなせず、まだ痛みがあることを思えば、そう悪い結果ではない。昨日の転倒で右手があまりいい状態ではないので、最後まで全力で走りきれるかどうかが心配だ」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 9番手)

「今日は、予選用タイヤのパフォーマンスを完全に引き出すまで攻められなかった。フロントの予選用タイヤが使えず、100%の走りができなかった。しかし、リアタイヤのグリップは信じられないほど強烈だった。次は予選用タイヤのアタックを成功させたい。レースに向けてバイクはいい状態をキープしている。今日はいくつか細かな調整を行った。3列目からのスタートなので、早い段階でポジションを上げたい。タイヤも決まっている。緊張もない」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 12番手)

「12番手に終わって、ちょっとがっかりしている。フリー走行では4番手だったし、いいペースで走れていたからね。予想していたグリッドとはまるで違う結果になってしまった。予選用タイヤでしっかりパフォーマンスを発揮できるようにしなければいけない。満足できるグリッドではないが、決勝ではベストを尽くしたい。今日のこの順位より、ずっといいポジションでフィニッシュできるはずだ」

中野真矢(MotoGP 15番手)

「先週のテストで大きなクラッシュをしているので、今回は確実にセットアップを進めてきた。今日は、1分56秒台で走れるようにしたいと思っていた。完ぺきではないが、その目標を達成することができた。残念だったのは、予選用タイヤでタイムを更新できなかったこと。今日は3回アタックしたが、どれも不発だった。15番手グリッドからの決勝は厳しい。トップ10に入れるように全力を尽くしたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ダニのセットアップは順調に進んだ。タイムだけを見ればPPからは遅れているが、フリー走行、予選と確実にステップアップした。レース用の仕様も決まり、タイヤの選択も終わっている。今回は、気温、路面温度ともに安定しているので、決勝も迷うことはない。ダニに比べると、ニッキーはセットアップに多少、戸惑っていた。しかし、予選用タイヤでのアタックでは、バイクのポテンシャルをうまく引き出していた。彼の持っているレースモードに期待したい。今季初めてのレース。2人の選手は今季初レース、私にとっては監督になって初めてのレース。これまで積み上げてきたことを無駄にしないよう、全力を尽くしたい」

高橋裕紀(250cc 8番手)

「ギリギリだが、何とか2列目に並ぶことができた。今日は昨年のドヴィツィオーゾのタイムを更新し、最低目標はクリアすることができた。今回は、自分の目標とするライディングにこだわり過ぎたのかもしれない。予選中なかなかタイムが上がらず、最後に何も考えず勢いだけでアタックしたら、簡単にタイムが上がった。今日はライディングに新たな発見があり、収穫のある一日だった。決勝は、いいスタートをきってトップグループに絡みたい。シーズン最初のレース。表彰台を目指したい」

予選リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 48 J.ロレンゾ ヤマハ M 1:53.927
2 52 J.トーズランド ヤマハ M +0.255
3 5 C.エドワーズ ヤマハ M +0.572
4 1 C.ストーナー ドゥカティ B +0.806
5 14 ランディ・デ・ピュニエ Honda M +0.891
6 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +0.953
7 46 V.ロッシ ヤマハ B +1.206
8 2 ダニ・ペドロサ Honda M +1.243
9 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda M +1.258
10 21 J.ホプキンス カワサキ B +1.336
11 7 C.バーミューレン スズキ B +1.613
12 15 アレックス・デ・アンジェリス Honda B +1.765
13 65 L.カピロッシ スズキ B +2.143
14 24 T.エリアス ドゥカティ B +2.324
15 56 中野真矢 Honda B +2.507
16 33 M.メランドリ ドゥカティ B +2.803
17 50 S.ギュントーリ ドゥカティ B +3.271
18 13 A.ウェスト カワサキ B +3.518

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 6 A.デボン アプリリア 1:59.470
2 21 H.バルベラ アプリリア +0.159
3 19 A.バウティスタ アプリリア +0.224
4 36 M.カリオ KTM +0.344
5 75 M.パシーニ アプリリア +0.393
6 58 M.シモンセリ ジレラ +0.441
7 12 T.ルティ アプリリア +0.638
8 72 高橋裕紀 Honda +0.856
9 41 A.エスパルガロ アプリリア +0.895
10 15 R.ロカテッリ ジレラ +0.933
19 14 ラタパーク・ウィライロー Honda +2.017

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 38 B.スミス アプリリア 2:05.242
2 1 G.タルマクシ アプリリア +0.066
3 63 M.ディ・ミリオ デルビ +0.109
4 45 S.レディング アプリリア +0.303
5 99 D.ウェッブ アプリリア +0.351
6 35 R.デ・ローザ KTM +0.376
7 18 N.テロール アプリリア +0.591
8 33 S.ガデア アプリリア +0.711
9 6 J.オリベ デルビ +0.832
10 24 S.コルシ アプリリア +0.854

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