最終戦バレンシアGPが27日、スペイン・バレンシアで開幕した。バレンシアGPは'99年に初めて開催され、'02年からは最終戦として定着、もっとも観客を集めるビックイベントに成長した。今年は、MotoGPクラスと250ccクラスが最終戦決着となり、大きな注目を集めている。
バレンシア・サーキットは、シーズンオフにもっともテストが行われるサーキットのひとつ。チーム、選手にとっては、データ量が豊富なコースだけに、初日からレベルの高い戦いが繰り広げられる。
その中で、逆転チャンピオンに闘志を燃やすニッキー・ヘイデン選手(Repsol
Honda Team)が、初日4番手とまずまずのスタートを切った。前戦ポルトガルGPでヘイデン選手は、チームメートのダニ・ペドロサ選手(Repsol
Honda Team)と接触、痛恨の転倒ノーポイントに終わっている。そのために総合ポイントで2番手にダウンしたが、その差はわずか8点。逆転チャンピオンに向けて、1回目のフリー走行から気合の入った走りを見せた。
1回目の走行は、トップから15番手までが1秒差以内という大接戦となった。2回目の走行では、予選用タイヤを使ってアタックした選手が多く、トップから1秒差以内は5台と大幅に減少したが、レース用タイヤでは1分33秒台でラップを刻む選手が多く、厳しい戦いが予想される。
総合タイムでは、ロリス・カピロッシ選手(ドゥカティ)、ランディ・デ・ピュニエ選手(カワサキ)、クリス・バーミューレン選手(スズキ)と予選用タイヤでアタックした選手が上位を占めた。しかし、レースに向けて順調にセットアップを進めたヘイデン選手がレース用タイヤではトップタイムとなる4番手で初日を終え、逆転チャンピオンに向けて期待を膨らませた。
ケーシー・ストーナー選手(Honda LCR)も快調なスタートを切った。1回目の走行では2番手。車体のセットアップに苦しみながらも確実にタイムを短縮した。午後2回目の走行では、レースに向けてセットアップに専念。総合タイムでは5番手だが、ヘイデン選手同様、レース用タイヤでベストタイムを刻み、決勝に向けて順調な滑り出しを見せた。
6番手のペドロサ選手も、確実にセットアップを進めた。1回目の走行では7番手。2回目の走行では、レース用タイヤで6番手に浮上。ヘイデン選手とともに、1-2フィニッシュを目指すペドロサ選手が、地元スペインのファンの声援の中で、順調にメニューを消化した。
以下、Honda勢は、昨年の優勝者マルコ・メランドリ選手(Fortuna
Honda)が12番手。玉田誠選手(KONICA MINOLTA
Honda)13番手。前戦ポルトガルGPで初優勝を達成したトニ・エリアス選手(Fortuna
Honda)が16番手だった。トップ10に入ることはできなかった3選手だが、Honda勢はすべてレース用タイヤでセットアップに専念したことで、2日目の予選でのポジションアップ、そして決勝での活躍に期待が集まる。
250ccクラスは、青山博一選手(KTM)が暫定PPを獲得。以下、ヘクトール・バルベラ選手、ホルヘ・ロレンゾ選手、マルコ・シモンセリ選手とアプリリア・ジレラ勢が続き、逆転チャンピオンに闘志を燃やすアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Humangest
Racing Team)が5番手。ルーキー青山周平選手(Repsol
Honda Team 250)6番手、デイビット・デ・ゲア選手(Repsol
Honda Team 250)が7番手と続いた。この日は、高橋裕紀選手(Humangest
Racing Team)が午前中のフリー走行で転倒して右足を骨折、残念ながら欠場することが決まっている。
125ccクラスは、アルバロ・バウティスタ選手(アプリリア)が暫定PPを獲得。ディフェンディングチャンピオンのトーマス・ルシ選手(Honda)が8番手。ガボール・タルマクシ選手(Honda)12番手。2戦連続代役出場の渡辺一馬選手(Honda)は初コースに苦戦して42番手となり、2日目のばん回に期待をつないだ。 |