MotoGP Honda Racing
モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > 第15戦 日本GP プレビュー
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2006.09.24 Rd.15 日本GP
スケジュール
Rd. Date
01 3/26
スペインGP
02 4/8
カタールGP
03 4/30
トルコGP
04 5/14
中国GP
05 5/21
フランスGP
06 6/4
イタリアGP
07 6/18
カタルニアGP
08 6/24
オランダGP
09 7/2
イギリスGP
10 7/16
ドイツGP
11 7/23
アメリカGP
12 8/20
チェコGP
13 9/10
マレーシアGP
14 9/17
オーストラリアGP
15 9/24
日本GP
16 10/15
ポルトガルGP
17 10/29
バレンシアGP
Honda二輪ロードレース参戦史&日本GPプレビュー
2006年9月20日(水)

 ロードレース世界選手権シリーズ(以下WGP)は、1949年にFIM(国際モーターサイクリズム連盟)がレギュレーションを統一し、年間6戦でスタートした。現在では、MotoGPクラス、250ccクラス、125ccクラスの3クラスがあり、年間17戦が世界中のサーキットで繰り広げられている。その最高峰がMotoGPクラスであり、世界トップレベルのスポーツとして評価されるとともに、本場ヨーロッパ各国を中心に絶大な人気を誇っている。

Hondaの二輪ロードレース参戦の歴史

 Hondaの二輪ロードレースへの参戦の歴史は、1954年の本田宗一郎によるマン島TTレースへの参戦意思表明からはじまる。

 59年の参戦開始からわずか3年目の61年には、マン島TTレースで125cc、250ccの両クラスで1位から5位までを独占して完全優勝を果たすとともに、WGPでも両クラスでコンストラクターおよびライダータイトルを獲得した。2ストロークマシンが台頭してきた60年代中盤にあっても、その流れに迎合することなく、DOHC・4気筒を持ち前の技術とし、DOHC・6気筒のマシンをも送り出し、ライバルたちをリードしていった。

 また、安全な高速走行ができるレーシングコースを作るのがメーカーの責務と考え、日本国内に初の国際的なレーシングコースを作りたい、モータースポーツを日本に定着させたいという創業者本田宗一郎の意志から、鈴鹿サーキットを完成。63年には、日本GP初開催を実現した。

 そして、66年にはGP最高峰500ccクラスにも初参戦、WGP史上初の5クラスへの参戦を果たすと同時に、究極の目標であった初の5クラス完全制覇を果たした。この決して破られることのない記録を樹立した翌年67年には、当初の目標を達成したとして撤退を発表した。

 その後、77年に、世界に通用する人材の育成と、二輪車の革新技術開発を狙いとし、WGPへの復帰宣言を発表した。それと同時に、伝説的な楕円ピストン採用の「NR500」の開発がスタートした。世界の頂点に上りつめ、Hondaの代名詞とされた4ストロークエンジンで再チャレンジするということは、Hondaの信念と熱い想いをかけたものであった。だが、当時主流であった2ストロークマシンに勝つためには、今までの技術の単なるリファインではない、『技術革新』が求められていたのである。エンジン、車体ともに、常識を超えた多くのアイデアは、十分に計算し尽くされた戦略であったが、79年のデビュー以降、WGPの舞台では苦戦を続けた。

 そのため、ついに81年からはロードレース500cc用としてはHonda初の2ストロークエンジンを搭載する「NS500」の開発が開始された。その「NS500」で、82年にはWGP復帰から4年目にしてついに優勝を果たしたのである。

 85年から投入された「NSR500」は、4気筒中2気筒を同時に爆発させる位相同爆というシステムをライバルに先駆けて開発したもので、同年、フレディ・スペンサーが250cc、500cc両クラスでライダータイトルを獲得した。さらに、94年から2000年を除く01年までミック・ドゥーハンらがライダータイトルを獲得した。97年には全15レースのすべてを「NSR500」のライダーが勝利するという圧倒的な強さを見せた。

 そして、02年には今年2006年シーズンが最後の登場となる「RC211V」がデビューした。02年からの500ccクラスのMotoGPクラスへの変更(レギュレーションにより、4ストロークマシンの最大排気量は990cc以下、2ストロークマシンは500cc以下と規定)を受け、新開発されたV型5気筒エンジンの4ストロークマシンである。このマシンでHondaはデビューイヤーの優勝記録を塗り替え、02年、03年にコンストラクターおよびライダータイトル、04年にコンストラクタータイトルを獲得した。

 WGPにおいて、Hondaは、01年には単一メーカーとして初めての500勝、2005年には600勝を達成した。

本年度のHondaチームの見どころ

<MotoGPクラス>
  Hondaは、990cc最後の年となる今年、4ストロークV型5気筒エンジンを搭載した'06モデルの「RC211V」を投入し、コンストラクター・ライダータイトルの奪回を目指している。Hondaは、数多くの実力あるライダーとマシンによる激戦の展開が、レースを盛り上げ、より多くのファンを魅了していくと考え、参戦メーカー中最多の6台体制を敷き、エンジン供給を1台に行っている。また、新世代チームによるタイトル獲得という新たなチャレンジを掲げ、起用した若手選手たちの予想以上の活躍が今シーズンの大きな見どころのひとつである。

 シーズン終盤戦、タイトル争いが最も盛り上がる時期での開催が定着した日本GP。今年は、コンストラクターランキングでHondaが2位に61ポイント差となっており、日本GPがタイトル争いの天王山となっている。

 ワークスチームのレプソル・ホンダ・チームに所属する参戦4年目のニッキー・ヘイデン選手は、現在ランキング1位につけている。2位は21ポイント差でバレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)。同じく、レプソル・ホンダ・チームの21歳のルーキー、ダニ・ペドロサ選手は2004年、05年に2年連続で250ccクラスタイトルを獲得、今年MotoGPクラスへステップアップを果たしたばかりだが、すでに2勝を挙げ、ランキングでも同点3位につけている。

 サテライトチームからは、3勝を挙げ、現在ランキング同点3位のマルコ・メランドリ選手と、トニ・エリアス選手がフォルトゥナ・ホンダより参戦。ルーキーながら史上2番目の若さでポールポジションを獲得し(最高位は2位)、現在ランキング6位のケーシー・ストーナー選手がホンダ・エルシーアールより参戦している。

 今年から新たにエンジンのみの供給を受け、KR211Vを駆るチーム・ロバーツのケニー・ロバーツJr.選手も現在ランキング7位と好調である。

 そして、一昨年の日本GPでポールトゥウィンの完全勝利を果たし、昨年は3位を獲得したコニカミノルタ・ホンダの玉田誠選手。これまで苦しい戦いを強いられてきたが、地元日本での復活Vに期待がかかっている。

<250ccクラス>

 250ccクラスは、昨年はランキング3位、今年は現在ランキング2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手、Honda Racingスカラーシップ(ライダー育成奨学制度)2年目で今年2勝を挙げている高橋裕紀選手、昨年の全日本250ccクラスチャンピオンでHonda Racingスカラーシップ3期生の青山周平選手、シーズン中盤からの登板となったがケガで現在休養中のマーチン・カルデナス選手の合計4台が、「RS250RW」で参戦中である。

 また、ワイルドカード枠で、全日本ロードレース選手権250ccクラスに参戦中の高橋選手の弟、高橋江紀(こうき)選手と、毎レースで表彰台に立つという急成長を遂げ、現在ランキング2位のタイ人ライダー、ラタパー・ウィライロー選手、現在ランキング4位の高橋巧選手が出場する。

レギュレーションについて

 MotoGPクラスは、現在では350cc以上990cc未満の4ストロークエンジンを搭載した専用マシンで争われている。6気筒エンジン以上は158kg、4、5気筒エンジンは148kg、3気筒エンジン以下は138kgと気筒数ごとに最低重量が規定されている。

 また、ほとんどのサーキットでMotoGPマシンの最高速は300km/hを越え、ときには340km/hオーバーをマークする。その毎年加速する一方のスピードを抑えるためのレギュレーションの変更として、2007年からは排気量を990ccから800ccに変更することが決定しており、今年が990ccマシン最後の年となる。


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