MotoGP Honda Racing
モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > 第13戦 マレーシアGP 決勝
グランプリ情報 1日目 予選 決勝 フォトギャラリー
2006.09.10 Rd.13 マレーシアGP
スケジュール
Rd. Date
01 3/26
スペインGP
02 4/8
カタールGP
03 4/30
トルコGP
04 5/14
中国GP
05 5/21
フランスGP
06 6/4
イタリアGP
07 6/18
カタルニアGP
08 6/24
オランダGP
09 7/2
イギリスGP
10 7/16
ドイツGP
11 7/23
アメリカGP
12 8/20
チェコGP
13 9/10
マレーシアGP
14 9/17
オーストラリアGP
15 9/24
日本GP
16 10/15
ポルトガルGP
17 10/29
バレンシアGP
第13戦 マレーシアGP
拡大
負傷のペドロサが3戦連続表彰台となる3位。ヘイデンも4位で総合首位をキープ
2006年9月10日(日)・決勝
会場:セパン・サーキット 天候:晴れ 気温33℃ コースコンディション:ドライ 観客:4万3182人(3日間5万6437人)
リザルト&ポイント

 マレーシア〜オーストラリア〜日本と続く、シーズン後半戦最大のヤマ場となる3連戦。その初戦となるマレーシアGP決勝は、1日目のフリー走行で転倒、両足を負傷したダニ・ペドロサ選手(Repsol Honda Team)が熱走を見せて3位表彰台に立った。チャンピオン獲得に闘志を燃やす総合首位のニッキー・ヘイデン選手(Repsol Honda Team)は、表彰台こそ逃したが4位と健闘。4戦を残して、首位をキープした。

第13戦 マレーシアGP
拡大
第13戦 マレーシアGP
拡大

 その後方では、Hondaエンジンを搭載するKR211Vに乗るケニー・ロバーツJr.選手(Team Roberts)が7位。序盤、トップグループの後方につけたケーシー・ストーナー選手(Honda LCR)が8位。チャンピオン争いの一角にいるマルコ・メランドリ選手(Fortuna Honda)は、思うようにペースを上げられず9位でフィニッシュ。玉田誠選手(KONICA MINOLTA Honda)は14位。トニ・エリアス選手(Fortuna Honda)は転倒リタイアだった。

 この日のセパンは、前日の大雨から一転、青空が広がり、気温33℃、路面温も49℃まで上昇。ライダー、マシン、タイヤに厳しい条件となった。優勝したのはPPスタートのバレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)。2位はロリス・カピロッシ選手(ドゥカティ)という結果だった。

 1日目のフリー走行で転倒し、右ひざを4針縫うなど、両足を負傷していたペドロサ選手は、5番グリッドから好スタートを切ってホールショットを奪った。しかし、その周にロッシ選手に抜かれ2番手に。2周目にはカピロッシ選手にかわされて3番手へポジションを落とした。前を走る2人を追撃したペドロサ選手は、約3.8秒差の3位でフィニッシュした。

 ペドロサ選手は、完調にはほど遠い状態。歩くこともままならない厳しい体調で、スタート直前まで出場するかどうか悩んだ。しかし、痛み止めの注射を打っての出場を決意。そして表彰台に立つ大活躍に、ファンから大きな拍手が送られていた。この表彰台で総合2位をキープ。MotoGPデビューシーズンで初タイトル獲得という偉業達成に向け、期待が膨らんだ。

 その後方にはチームメイトのヘイデン選手がつけた。前戦チェコGPで不本意な9位に終わり、その雪辱に燃えていた。フリー走行1日目はセッティングが決まらず苦戦するも、2日目に一気にばん回。決勝では今季3勝目が期待されたが、惜しくも4位に終わった。しかし、総合首位をキープ。念願のチャンピオン獲得に、また一歩、前進した。

 予選4番手のロバーツJr.選手は、ジョン・ホプキンス選手(スズキ)とし烈な戦いを繰り広げて7位だった。ロバーツJr.選手は、スタートに失敗、オープニングラップで9番手に終わったことが、厳しいレースを強いる結果となった。予選10番手のストーナー選手は、好スタートを切って、序盤はトップグループの後ろにつけた。中盤までは5番手をキープする好走を見せるも、終盤、体力面で厳しい状態に陥りペースを落として8位でフィニッシュ。メランドリ選手は、マシンが完ぺきに仕上がらず、そのためにペースを上げられず9位に終わった。玉田選手は、タイヤの選択に失敗、序盤から激しいスライドに苦しみ、ジリジリ後退して14位。予選14番手からスタートしたエリアス選手は、好スタートから序盤5番手まで浮上したが、11周目、痛恨の転倒を喫してリタイアに終わった。

 今大会優勝を逃したHonda勢だが、総合首位にヘイデン選手、2位にペドロサ選手という順位は変わらず。同4位のメランドリ選手が5位に後退するも、この5位までチャンピオン獲得の可能性が残されている。チャンピオンの期待がかかるHonda勢3選手は、残り4戦の戦いに挑む。

 250ccクラスは、ホルヘ・ロレンゾ選手(アプリリア)が優勝。そのロレンゾ選手を追ったアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Humangest Racing Team)が2位と、チャンピオンを争う2人の激しい戦いとなった。総合ポイントでも、ドヴィツィオーゾ選手は、首位のロレンゾ選手を12点差で追うだけに、これからの戦いに大きな注目が集まる。2戦ぶりに復帰の高橋裕紀選手(Humangest Racing Team)は、序盤トップグループにつけたが、完治してない左腕をかばいながらの走りで疲労、ペースを落としたが4位でフィニッシュ。ルーキーの青山周平選手(Repsol Honda Team 250)も6位と健闘した。マーチン・カルデナス選手(Repsol Honda Team 250)は2周目に転倒リタイアした。

 125ccクラスは、アルバロ・バウティスタ選手(アプリリア)が優勝。Honda勢は、ガボール・タルマクシ選手が8位。ファブリツィオ・ライ選手11位、エスティーブ・ラバト選手12位。ディフェンディングチャンピオンのトーマス・ルシ選手が13位だった。

第13戦 マレーシアGP
拡大
第13戦 マレーシアGP
拡大
ページの先頭へ
コメント

ダニ・ペドロサ選手(MotoGP 3位)
「今日は、レースの直前まで、出場するか、それとも棄権するか迷った。出場することに決めてから、痛み止めを打ってもらった。それで痛みはなくなったが、それでも傷の縫い目がツナギの下に感じられた。レース中、右ひざの痛みは感じなかったが左足と左ひざは痛かった。今日は、いいスタートが切れた。トップグループが逃げてしまうと思っていたが予想外にタイムは上がらなかった。終わってみれば3位。2日目の走行がちゃんとできなかったので、僕のバイクはまったくのベースセッティングだった。今日は、限界だったが、最後に結果がついてきた。予選がキャンセルされたことも幸運だった。5番グリッドもよかった。一生懸命治療してくれたクリニカ・モービルのみんなに感謝したい。もちろん、チームのみんなも僕を元気づけてくれたので、レースをすることができた。今日のことは決して忘れない。みんなに感謝している」

ニッキー・ヘイデン選手(MotoGP 4位)
「フラストレーションのたまる一日だった。金曜日は少し遅れをとった。昨日は、その遅れもなくなったが、今日は、何もできなかった。結果としては、僕の前にいるライダーたちが僕より速かったということだ。全力でライディングできたことには満足しているが、それだけでは十分でなかった。言い訳はしない。バイク、セットアップ、タイヤも悪くなかった。ただ、彼らのペースでは走ることができなかった。ちょっとの差で後ろにいるなんて、気分のいいものではない。あと4レース。中には好きなコースもある。がんばって戦い続けるし、間違いなくこのポジションにとどまっているはずだ」

ケニー・ロバーツJr.選手(MotoGP 7位)
「スタートに失敗して、序盤から悪い位置でのレースになってしまった。スローコーナーでアグレッシブに多くのライダーたちを抜いたが、スムーズにライディングできるまで少し時間がかかってしまい、やっとこの順位まで上がることができた。ジョン(ホプキンス選手)に抜かれ、その後ケーシー(ストーナー選手)にも抜かれたが、彼らの後にはついていくことができた。ケーシーを抜き返し、ジョンも抜こうと思ったが、チェッカーだった」

ケーシー・ストーナー選手(MotoGP 8位)
「体調がベストではなかった。レース中盤から背中がとても痛くなり、お尻をシートからずらすことができなくなってしまった。チームはいい仕事をしてくれた。これ以上のことは望めない状態だったし、僕の力が足りなかった。レース初盤にニッキー(ヘイデン選手)の後ろにいたし、表彰台のチャンスは十分にあった。ニッキーの最終コーナーでのブレーキングが早く、ぶつかりそうになって離れてしまった。その後、5ラップぐらいで力尽きてしまった。ブレーキングしながらのコーナリングに本当に苦労したし、上半身を使いすぎてしまった。それまでは前のライダーに追いつくことができたのに、ブレーキングでホールドできなくなってからペースが落ちてしまった」

マルコ・メランドリ選手(MotoGP 9位)
「最後までフロントの問題を解決することができなかったし、厳しいレースになった。それでも、レースではベストを尽くそうと思った。しかし、決勝も、決していい状態ではなかった。それで、あまりリスクを犯さず、ポイントを確実に取ることに決めた。こんなポジションでレースをするのは好きではないし、今日も結果にはがっかりしている。次のオーストラリアではいいレースにしたい」

玉田誠選手(MotoGP 14位)
「タイヤの選択に失敗して、3周目にはもうコントロールが難しい状態だった。気温が上がり路面温度も上がった。ミシュランのエンジニアと相談して決めたのだが、うまくいかなかった。自分にとっては大事なレースだった。何もできないままレースを終えて悔しい。最初のレースでいい流れに乗れなかったが、オーストラリア、日本と続く残り2戦でばん回したい」

トニ・エリアス選手(MotoGP リタイア)
「今年一番いいスタートだったし、序盤からいいリズムで走ることができた。フィーリングはよかったし、トップグループと一緒に走ることができた。しかし、16周目の1コーナーでブレーキングに失敗して、フロントから転んでしまった。いい感じで走れていたし本当に残念。チームに申し訳ないことをした」

田中誠 Repsol Honda Team 監督
「ダニ(ペドロサ選手)はレースの直前まで出走するかどうかの決断に迫られていたが、自分を信じて出走を決意し、ハードな状況下で驚くべき結果を残してくれた。レース直後に『驚きだ!』と言ったら、彼のマネージャーのプーチに訂正された。『ファンタスティック』だと。まさにその通りだ。ダニは最高のファイティング・スピリットを見せてくれた。今日の結果は、残り4戦に向けて大きな意味を持つだろう。ニッキー(ヘイデン選手)はブルノからここまで精力的に仕事をしてきたが、その成果をマシンの速さとレース結果に結びつけることができず、2戦続けて悔しい結果になってしまった。確かに悔しい結果だが、まだチャンピオンシップは続いている。我々はこの結果を慎重に受け止め、次のレースに生かさなくてはいけない。ニッキー自身も、この悔しさを次のレースにぶつけてくれるだろう」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(250cc 2位)
「今日はとてもいいペースで走れたし、ロレンゾと同じレベルだった。途中、デ・アンジェリスが戦いに加わって来たことで遅れてしまった。アプリリアのライダーだから、こういうことがあることも認識していた。デ・アンジェリスが悪いわけではない。するべきことをしただけのことだが、あの追い越しが決定的だった。取れたはずの優勝ポイントを逃したけれど、獲得できるポイントの差は5ポイントだけだからね。まだタイトルが狙えると信じている。とにかく優勝したい。今日は最初から逃げるべきだった。今日は首位を守るために全力を尽くした。とにかく、ロレンゾとの間に彼を入り込ませるべきではなかった。リズムに乗って走ろうとしたけれど、ロレンゾを離したときに小さな失敗をして追いつかれてしまった」

高橋裕紀選手(250cc 4位)
「苦しいレースだった。スタートして10周目くらいに左腕の感覚がなくなった。精神的にはいつもと変わらないのだが、左腕のケガが完全に治っていない分、体力を使ってしまった。ラスト5周くらいは、身体が震えてきた。レースを終えてピットに戻ってきたときにも震えが止まらなかった。今回は6位以内。チャンスがあれば表彰台をと思っていた。トップの3人にはついていけなかったが、4位になれたので目標は達成できた。レースを始めてから、一番つらいレースだった」

青山周平選手(250cc 6位)
「トップグループのペースは予想通りだった。自分もなんとか2分9秒台に入れたかったが、10秒台がやっとだった。初めてのサーキットだったし、2日目の予選がキャンセルになったことが、やっぱり決勝に影響した。もう少し前から走りたかった」

ページの先頭へ
決勝リザルト&ポイントランキング
【MotoGP】
順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 46 V.ロッシ ヤマハ M 43:07.829
2 65 L.カピロッシ ドゥカティ B +0.849
3 26 ダニ・ペドロサ Honda M +3.863
4 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +5.780
5 15 S.ジベルノー ドゥカティ B +9.301
6 21 J.ホプキンス スズキ B +11.081
7 10 ケニー・ロバーツJr. KR211V M +11.838
8 27 ケーシー・ストーナー Honda M +12.267
9 33 マルコ・メランドリ Honda M +15.019
10 5 C.エドワーズ ヤマハ M +19.909
11 71 C.バーミューレン スズキ B +24.371
12 7 C.チェカ ヤマハ D +30.884
13 17 R.デ・ピュニエ カワサキ B +36.335
14 6 玉田誠 Honda M +48.777
15 66 A.ホフマン ドゥカティ B +59.081
16 77 J.エリソン ヤマハ D +1:05.787
17 30 J.カルドソ ドゥカティ D +1:37.862
RT 24 トニ・エリアス Honda M +11Laps
RT 56 中野真矢 カワサキ B DNF
【250cc】
順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 48 J.ロレンゾ アプリリア 43:15.499
2 34 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda +5.428
3 7 A.デ・アンジェリス アプリリア +10.225
4 55 高橋裕紀 Honda +25.669
5 15 R.ロカテッリ アプリリア +31.152
6 73 青山周平 Honda +39.936
7 50 S.ギュントーリ アプリリア +50.672
8 58 M.シモンセリ ジレラ +1:06.107
9 42 A.エスパルガロ Honda +1:06.556
10 16 J.クルーゼル アプリリア +1:17.868
RT 36 マーチン・カルデナス Honda +19Laps
【125cc】
順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 19 A.バウティスタ アプリリア 26:52.154
2 36 M.カリオ KTM +3.577
3 55 H.ファウベル アプリリア +9.904
4 60 J.シモン KTM +9.974
5 6 J.オリベ アプリリア +11.551
6 33 S.ガデア アプリリア +11.588
7 75 M.パシーニ アプリリア +13.157
8 14 G.タルマクシ Honda +13.198
9 52 L.ペセック デルビ +13.934
10 18 N.テロール デルビ +15.004

【ライダー:MotoGP】 【コンストラクター:MotoGP】
順位 ライダー コンストラクター 総合
ポイント
1 ニッキー・ヘイデン Honda 214
2 ダニ・ペドロサ Honda 192
3 V.ロッシ ヤマハ 188
4 L.カピロッシ ドゥカティ 171
5 マルコ・メランドリ Honda 168
6 ケーシー・ストーナー Honda 109
7 ケニー・ロバーツJr. KR211V 101
8 C.エドワーズ ヤマハ 96
9 J.ホプキンス スズキ 93
10 中野真矢 カワサキ 75
12 玉田誠 Honda 69
14 トニ・エリアス Honda 64
ポイント一覧
順位 コンストラクター 総合
ポイント
1 Honda 278
2 ヤマハ 226
3 ドゥカティ 180
4 スズキ 111
5 KR211V 101
6 カワサキ 86
ポイント一覧
【ライダー:250cc】 【コンストラクター:250cc】
順位 ライダー コンストラクター 総合
ポイント
1 J.ロレンゾ アプリリア 224
2 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 212
3 A.デ・アンジェリス アプリリア 147
4 高橋裕紀 Honda 146
5 R.ロカテッリ アプリリア 138
6 青山博一 KTM 132
7 H.バルベラ アプリリア 111
8 S.ギュントーリ アプリリア 82
9 M.シモンセリ ジレラ 70
10 青山周平 Honda 68
14 マーチン・カルデナス Honda 37
17 セバスチャン・ポルト Honda 20
ポイント一覧
順位 コンストラクター 総合
ポイント
1 アプリリア 271
2 Honda 229
3 KTM 136
4 ジレラ 70
ポイント一覧
【ライダー:125cc】 【コンストラクター:125cc】
順位 ライダー コンストラクター 総合
ポイント
1

A.バウティスタ

アプリリア 255
2 M.カリオ KTM 181
3 M.パシーニ アプリリア 156
4 S.ガデア アプリリア 143
5 H.ファウベル アプリリア 139
6 L.ペセック デルビ 109
7 T.ルシ Honda 94
8 G.タルマクシ Honda 89
9 J.オリベ アプリリア 79
10 S.コルシ ジレラ 72
ポイント一覧
順位 コンストラクター 総合
ポイント
1 アプリリア 278
2 KTM 186
3 Honda 132
4 デルビ 118
5 ジレラ 72
6 マラグーティ 24
ポイント一覧
ページの先頭へ