第13戦マレーシアGPの予選は、激しいスコールでキャンセル。フリー走行1〜3の総合タイムで決勝グリッドが決定し、ニッキー・ヘイデン選手(Repsol Honda Team)が2番手、Hondaエンジン搭載のKR211Vに乗るケニー・ロバーツJr.選手(Team Roberts)が4番手、ダニ・ペドロサ選手(Repsol Honda Team)が5番手から、決勝に挑むことになった。
この日は朝から雲の多い一日となり、午後になって激しいスコールに見舞われた。その後、雨は上がったがコースの一部が冠水し、MotoGPクラスと250ccクラスの予選がキャンセルされた。昨年から予選1回のシステムが採用されているMotoGPクラスは、初めての予選キャンセルとなった。250ccクラスは出場した27選手全員が、初日のタイムによってグリッドが確定する裁定が下された。125ccクラスも雨のためにタイムが上がらず、初日のタイムでグリッドが確定した。
予選がキャンセルとなったMotoGPクラスは、2日間計3回のフリー走行のベストタイムで決勝グリッドを決める裁定が下された。その結果、ヘイデン選手が2番手、ロバーツJr.選手が4番手、ペドロサ選手が5番手となった。以下、Honda勢は、マルコ・メランドリ選手(Fortuna Honda)が9番手、ケーシー・ストーナー選手(Honda LCR)が10番手、玉田誠選手(KONICA MINOLTA Honda)が13番手、トニ・エリアス選手(Fortuna Honda)が14番手という結果だった。PPは3回目のフリー走行でトップタイムをマークしたバレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)だった。
1日目に11番手と大きく出遅れていたヘイデン選手は、午前のフリー走行で大幅にタイムを短縮し、2番手に浮上した。午後の予選ではPPを狙う意気込みだったが、裁定の結果、今季3回目のフロントローが決定した。この日はセットアップが決まり、順調にラップタイムを刻むことに成功。今シーズン3勝目に向けて絶好のグリッドを獲得した。総合ポイントで首位をキープするヘイデン選手は、念願のチャンピオンにあと一歩と迫っており、マレーシアGP初優勝も期待される。
その後方、2列目4番手にはロバーツJr.選手がつけた。Hondaエンジンを搭載するKR211Vに乗るロバーツJr.選手は、1日目に3番手と好調なスタートを切っていた。そして、2日目のフリー走行でも4番手と好調をキープ。午後の予選では4戦連続となるフロントローを狙っていたが、惜しくも2列目スタートが確定した。
続く5番グリッドは、ペドロサ選手が獲得した。1日目のフリー走行で転倒して両足を負傷しているため、午前のフリー走行では100%の走りができなかった。だが予選がキャンセルされたことで、1日目のタイムで2列目から決勝に挑むことになった。
メランドリ選手は、この日も決勝に向けたセッティングに集中。午前のフリー走行の間はレース用タイヤで走り続け、決勝への手ごたえを得た。決勝は3列目9番手からのスタートとなるが、本番での巻き返しが期待される。
ストーナー選手も予選用タイヤを使わなかったために、前日からポジションを下げた。1日目は体調不良もあって不完全燃焼の走りだったが5番手につけていた。2日目は決勝に向けてセットアップに専念。順調にタイムを更新していたが、予選用タイヤを使わなかったことで10番手へとポジションを落とした。
玉田選手も、1日目の6番手から13番手へと、大きくポジションダウンした。午前のフリー走行で快調にラップを刻んだが、痛恨の転倒を喫して13番手。午後の予選でポジションアップを狙っていただけに、残念な一日となった。
エリアス選手は、1日目の16番手から14番手へと、わずかにポジションを上げた。しかし、午前のフリー走行でセットアップを進めていただけに、雨による予選キャンセルが悔やまれる。
250ccクラスは、1日目のタイムでヘクトール・バルベラ選手(アプリリア)がPPを獲得。アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Humangest Racing Team)は5番手。ポジションを上げることはできなかったが、ポイントランキング1位の座を奪い返すために闘志を燃やしている。青山周平選手(Repsol Honda Team 250)は7番手、マーチン・カルデナス選手(Repsol Honda Team 250)は8番手だった。2戦ぶりに復帰した高橋裕紀選手(Humangest Racing Team)は9番手。完治していない左手にとって予選キャンセルは追い風。決勝に向けて体力を温存できる結果となった。
125ccクラスの予選セッションは予定通りに行われたが、雨のため誰もタイムを更新できなかった。1日目のタイムによってアルバロ・バウティスタ選手(アプリリア)がPP。Honda勢はファブリツィオ・ライ選手が8番手、サンドロ・コルテセ選手10番手、ガボール・タルマクシ選手が12番手。トーマス・ルシ選手は16番手から追い上げのレースに挑む。
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