シーズン終盤の3連戦。その初戦となる第13戦マレーシアGPが、8日、クアラルンプール郊外のセパン・サーキットで開幕した。夏休み明け、後半戦のスタートとなったチェコGPから2週間のインターバル。マレーシア、オーストラリア、日本と大陸移動の3連戦に挑む選手たちは、元気いっぱいに熱帯の国でスタートを切った。
マレーシアGPは、今年で16回目。セパンで行われるのは8回目となるが、熱帯という気候のために、シーズンオフに、もっともテストが行われるサーキットのひとつ。今年は、コースの路面が一部張り替えられる補修工事が行われたが、その影響も少なく、初日からレベルの高い走りが繰り広げられた。
初日は、午前中こそ青空となったが、午後は雲の多い天候となった。気温は32℃と熱帯のマレーシアらしいものだったが、路面温度は45℃までしか上がらず、マレーシアとしては、好タイムの出る条件がそろった。
その中でトップタイムをマークしたのは、昨年の優勝者ロリス・カピロッシ選手(ドゥカティ)。2番手にダニ・ペドロサ選手(Repsol
Honda Team)。3番手にHondaエンジン搭載のKR211Vに乗るケニー・ロバーツJr.選手(Team
Roberts)。5番手にケーシー・ストーナー選手(Honda
LCR)。6番手に玉田誠選手(KONICA MINOLTA
Honda)と、Honda勢がまずまずのスタートを切った。マルコ・メランドリ選手(Fortuna
Honda)は9番手。ニッキー・ヘイデン選手(Repsol
Honda Team)が11番手、トニ・エリアス選手(Fortuna
Honda)は16番手で、初日のフリー走行を終えている。
この日、ペドロサ選手は、午前中1回目の走行から快調にラップを刻んだ。MotoGPマシンでセパンを走るのは今回が初めて。しかし、シーズン後半戦に入ってMotoGPマシンを完全に乗りこなしているペドロサ選手は、午前中の走行で3番手につけると、午後の走行では、カピロッシ選手とともに常にトップタイムを争った。しかし、午後のセッション中盤過ぎに、バックストレートへ出る右コーナーで転倒、それまでのタイムで2番手につけた。この転倒で、右ひざを負傷したペドロサ選手は、残りの時間、走行をキャンセルした。
3番手にはHondaエンジンを搭載するKR211Vに乗るロバーツJr.選手。過去3戦、連続でフロントローを獲得。決勝でも2戦連続で4位と上り調子で、今大会も好調なスタートを切った。今大会は、改良型のニューシャシーを投入。ベストタイムはこれまでのマシンだったが、これから先の戦いぶりに注目が集まる。5番手には、ルーキーのストーナー選手がつけた。ストーナー選手も、MotoGPマシンでセパンを走るのは初めてだった。しかし、午前の走行で2番手と好調な走りを披露。午後の走行では、体調に異変を訴え、思うようにタイムを伸ばせなかったが、午前中のタイムで5番手と2日目に期待を膨らませた。
その後方、6番手には玉田選手。中盤戦のドイツGPで左ひざを負傷。前戦チェコGPまでケガの影響を残していたが、今大会は完全に復調。ウインターテストで十分に走り込んでいるセパンで、久しぶりに気持ちのいい走りを見せた。午前、午後ともに、セッティングを大きく変えず、タイヤの選択に多くの時間を費やした。
9番手にはメランドリ選手で、午前から午後にかけて、順調にセットアップを進めた。レースに向けて確実に前進していたメランドリ選手だったが、セッション終盤、痛恨の転倒を喫して、タイムを伸ばせなかった。11番手にはヘイデン選手。この日は、様々なセッティングにトライ。決勝に向けて入念なテストを繰り返した。しかし、この日は、納得のいく状態にはならず、2日目に持ち越した。グランプリに参戦して4年。アメリカGPの行われるラグナセカを除いて、もっとも走行しているサーキットだけに、決勝での快走に期待。そして、16番手にはエリアス選手がつけた。
チャンピオン争いもいよいよ佳境に入る。MotoGPクラスは、総合6位のストーナー選手までチャンピオンの可能性がある激戦。総合2番手のペドロサ選手がひざを負傷。総合4番手のメランドリ選手もセッティングを進めながら転倒。総合首位のヘイデン選手もセッティングに苦しむという、Honda勢にとっては厳しい一日となったが、それだけに、2日目のばん回に大きな注目が集まる。
250ccクラスは、ヘクトール・バルベラ選手(アプリリア)が暫定PPを獲得。Honda勢は、チャンピオンを争うアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Humangest
Racing Team)が5番手。このコースを初めて走るルーキー青山周平選手(Repsol
Honda Team 250)が7番手。マーチン・カルデナス選手(Repsol
Honda Team 250)は8番手。左腕の骨折から2戦ぶりに復帰を果たした高橋裕紀選手(Humangest
Racing Team)が9番手と、RS250RWに乗る4選手がトップ10内で初日を終えた。
125ccクラスは、アルバロ・バウティスタ選手(アプリリア)が暫定PP。Honda勢は、ファブリツィオ・ライ選手が8番手。サンドロ・コルテセ選手10番手。ガボール・タルマクシ選手が12番手。トーマス・ルシ選手は16番手からばん回を目指す。 |