第11戦アメリカGP予選は、快晴、気温38℃という猛暑の中で行われ、初日トップのケニー・ロバーツJr.選手(Team Roberts)が3番手で今季3回目のフロントローを獲得。ダニ・ペドロサ選手(Repsol Honda Team)4番手、ニッキー・ヘイデン選手(Repsol Honda Team)6番手と、決勝は2列目スタートとなった。ケーシー・ストーナー選手(Honda LCR)7番手、マルコ・メランドリ選手(Fortuna Honda)9番手で2人は3列目スタート。トニ・エリアス選手(Fortuna Honda)12番手、玉田誠選手(KONICA MINOLTA Honda)14番手という結果だった
この日のラグナセカは、雲一つない青空が広がり、気温は前日より9℃上がって38℃を記録。路面温度も58℃まで上昇し、選手にもタイヤに厳しい戦いとなった。また、予選用タイヤのアタックでも思いのほかタイムは伸びず、トップから11番手までが1秒差以内という大接戦となり、C.バーミューレン選手(スズキ)がPPを獲得した。
前戦ドイツGPの2番手に続き、今大会も3番手につけたロバーツJr.選手は、Hondaエンジンを搭載するKR211Vで好走をみせた。午前中3回目のフリー走行では首位のヘイデン選手から、わずか0.195秒差の2番手。アベレージでもすばらしいタイムを刻んで、一躍、優勝候補の一角に浮上。気温38℃、路面温度58℃という猛暑の中で行われた午後の予選でも、トップから0.252秒差の3番手。2000年のパシフィックGP(ツインリンクもてぎ)以来、6年ぶりの優勝に期待がふくらんだ。
ルーキーのペドロサ選手はラグナセカ初走行ながら、初日は3番手と好調なスタートを切った。2日目のフリー走行でも5番手。この予選では、トップから0.322秒差の4番手につけた。前戦ドイツで4位に終わり、その雪辱に闘志を燃やすこのレース。猛暑の中で、決勝に向けてのセッティングに苦労したが、今季6回目の表彰台、そして3勝目に大きく前進した。
6番手には、地元の期待を一身に集めるヘイデン選手がつけた。初日は2番手と惜しくもトップタイムを逃した。しかし、2日目のフリー走行ではトップに浮上。ラグナセカに集まったファンを喜ばせた。予選では、予想以上に上がった気温と路面温度に手こずり、さらにクリアラップを取れず、2年連続のPPを逃した。しかし、2列目6番手という好グリッドを確保。2年連続アメリカGP制覇に向けて、緊張の予選を終えた。
初日、転倒を喫し8番手に終わっていたストーナー選手が、2日目7番手と1つポジションを上げた。レース用タイヤでは、初日に続き、この日も好調な走りをみせた。2日間3回に及ぶフリー走行では総合3番手。予選用タイヤのアタックでは7番手に終わったが、3列目からの追い上げのレースに大きな注目が集まりそうだ。
メランドリ選手もまた、予選用タイヤのアタックではタイムを伸ばせず9番手に終わった。しかし、レース用セッティングでは、十分、優勝を狙える好走をみせた。第7戦カタルニアGPのケガもほぼ完治。完全ではない体調で過去2戦、連続表彰台に立っているだけに、今大会の活躍に期待がかかる。
第8戦オランダGPで肩を痛め、前戦ドイツGPに復帰したエリアス選手は、フリー走行12番手、予選でも12番手だった。完調ではない身体にこの日の猛暑はこたえたが、熱走をみせた。前戦ドイツGPで他車の転倒に巻き込まれ、左ヒザのじん帯を痛めながら、初日7番手と健闘した玉田選手も、2日目14番手とポジションを落とした。初日のがんばりが、じん帯を痛めている左ひざの疲労に拍車をかけた。さらに、この日の38℃という猛暑が、体力を消耗させた。しかし、レース用タイヤでは、トップグループに匹敵する快走をみせただけに、追い上げのレースに期待だ。
2日目、想像以上の猛暑となったラグナセカ。決勝日も晴れの予報。必勝態勢のヘイデン選手を中心に、今季最高の熱戦が予想される。
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