シーズン中盤の3連戦最後の大会となるイギリスGPが、6月30日、ドニントンパークで開幕した。イギリスGPは、1949〜76年まではマン島、その後、シルバーストーンに舞台を移し、87年からはドニントンパークで行われるようになった。今年で20回目を迎える。
ドニントンパークは、アップダウンに富んだコースで、1周4.023km。前半セクションはS字コーナーが続く高速セクション。後半は、ストレートとシケイン、ヘアピンが連続するストップ&ゴー区間となっている。まったく異なる2つの要素がひとつに盛り込まれているこのサーキットは、車体のセッティングが難しいことで知られている。また、天候が不安定なこともあり、初日から真剣な走行が繰り広げられる。
しかしこの日は、朝から青空が広がった。気温も27℃まで上昇。絶好のコンディションの中で開幕した。その中で、トップタイムをマークしたのはダニ・ペドロサ選手(Repsol Honda Team)で、1回目、2回目ともにライバルを圧倒。2番手にはジョン・ホプキンス選手(スズキ)。3番手にケーシー・ストーナー選手(Honda LCR)、4番手にマルコ・メランドリ選手(Fortuna Honda)と、Honda勢が好調なスタートを切った。
Hondaエンジンを搭載するKR211Vに乗るケニー・ロバーツJr.選手(Team Roberts)は8番手、前戦オランダGPで今季初優勝を達成したニッキー・ヘイデン選手(Repsol Honda Team)が9番手。玉田誠選手(KONICA MINOLTA Honda)11番手と、トップから1秒差以内に13台という大接戦の中に、6台のHondaパワーが名前を連ねた。前戦の予選で転倒、本大会を負傷欠場のトニ・エリアス選手(Fortuna Honda)の代役として出場したミッシェル・ファブリッツォ選手は16番手だった。
この日トップタイムをマークしたペドロサ選手は、走り出しから好調で、セットアップも順調に進んだ。前戦オランダGPでは、今季4回目の表彰台となる3位。今季2勝目に向けて好スタートを切った。3番手にはストーナー選手がつけた。1回目の走行では、ペドロサ選手から0.025秒差の2番手。2回目の走行では、0.094秒差の3番手だった。前戦ではペドロサ選手とし烈な表彰台争いを演じて、惜しくも4位。今季、どの大会でも、素晴らしい走りに注目が集まる2人のルーキーが、今大会はともに好調ぶりをアピール。ストーナー選手は、2回目のPPと今季2勝目に期待がかかる。
4番手はメランドリ選手。前戦では苦しい戦いを演じている。3連戦初戦のカタルニアGPで転倒し、首と肩を痛めていながら、その万全ではない身体で7位完走を果たした。今大会も、依然として厳しい状態だが、初日から好走を見せた。
前戦、今季初優勝を達成したヘイデン選手は、この日、ニューシャシーのテストを行いながら9番手。2回のセッションともに、ニューシャシーのテストに専念した。大きな手ごたえを感じとっているだけに、2日目のポジションアップに期待が膨んだ。
玉田選手はトップから0.836秒差の11番手。タイヤテストをメインに2回のフリー走行をこなした。セットアップも順調で2日目のタイム短縮に期待だ。負傷欠場のエリアス選手に代わって出場のファブリッツォ選手は、RC211V初ライドながら、トップから1.792秒差の16番手だった。
250ccクラスは、ホルヘ・ロレンゾ選手(アプリリア)が暫定PPを獲得。Honda勢は、アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Humangest Racing
Team)が4番手、ルーキーの青山周平選手(Repsol Honda Team 250)が8番手、高橋裕紀選手(Humangest Racing Team)は10番手だった。開幕戦から8戦連続表彰台に立っているドヴィツィオーゾ選手は、125cc時代にもこの地で優勝している。最も得意とするコースのひとつだけに、今季3回目のPP、今季2勝目に向け気合を入れている。8番手の青山選手は、125cc時代にスポット参戦して経験のあるコース。青山選手も、好きなサーキットだけに、初日から好調な走りを見せた。高橋選手は、フリー走行で4番手と上々のスタートを切ったが、予選では、アタックのタイミングを逃して10番手だった。しかし、2日目のばん回は必至。Honda勢の2日目に期待だ。
125ccクラスは、アルバロ・バウティスタ選手(アプリリア)が暫定PPを獲得。Honda勢は、4番手にファブリツィオ・ライ選手、10番手にトーマス・ルシ選手。15歳のルーキー、ブランドリー・スミス選手は11番手につけた。 |