MotoGP Honda Racing
モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > 第8戦 オランダGP 決勝
グランプリ情報 1日目 予選 決勝 フォトギャラリー
2006.06.24 Rd.08 オランダGP
スケジュール
Rd. Date
01 3/26
スペインGP
02 4/8
カタールGP
03 4/30
トルコGP
04 5/14
中国GP
05 5/21
フランスGP
06 6/4
イタリアGP
07 6/18
カタルニアGP
08 6/24
オランダGP
09 7/2
イギリスGP
10 7/16
ドイツGP
11 7/23
アメリカGP
12 8/20
チェコGP
13 9/10
マレーシアGP
14 9/17
オーストラリアGP
15 9/24
日本GP
16 10/15
ポルトガルGP
17 10/29
バレンシアGP
第8戦 オランダGP
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ヘイデン今季初優勝。Honda最高峰クラス通算200勝目を達成。ペドロサ3位とRepsol Honda Teamがそろって表彰台に立つ
2006年6月24日(土)・決勝
会場:アッセン・サーキット 天候:晴れ 気温:23℃ コースコンディション:ドライ 観客数:9万1500人(3日間13万3057人)
リザルト&ポイント

 第8戦オランダGPは、ニッキー・ヘイデン選手(Repsol Honda Team)とコーリン・エドワーズ選手(ヤマハ)のし烈なトップ争いとなり、最終ラップ最終コーナーで首位に浮上したヘイデン選手が、今季初優勝を飾った。ヘイデン選手にとっては昨年のアメリカGP以来、通算2勝目。Hondaにとっては、1966年の西ドイツGP(ホッケンハイム)でジム・レッドマン選手が初優勝を飾って以来、41年目にして最高峰クラス200勝目を達成した。2位には中野真矢選手(カワサキ)。3位にはダニ・ペドロサ選手(Repsol Honda Team)が入り、4位のケーシー・ストーナー選手(Honda LCR)、5位のケニー・ロバーツJr.選手(KR211V)のHondaパワー勢とのし烈な戦いを制した。前戦カタルニアGPの多重クラッシュで、首と肩を痛めているマルコ・メランドリ選手(Fortuna Honda)が、熱走を見せて7位。玉田誠選手(KONICA MINOLTA Honda)11位という結果だった。

第8戦 オランダGP
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第8戦 オランダGP
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 オランダGP決勝は、朝から青空が広がる絶好のコンディションとなった。気温も23℃まで上がり、3日間を通じて最も天候に恵まれた一日となった。集まったファンは、約9万人。大幅に改修されたニューサーキットで初開催となるグランプリに、大勢のファンがつめかけた。

 ファンの注目の中で始まったウオームアップ。不安定な天候の中で、セッティングを完全に詰め切れなかったHonda勢は、20分間のフリー走行で最後の調整に努めた。その中で圧倒的な速さをみせたのが、予選5番手のヘイデン選手だった。「最後の調整でセッティングが決まった」というヘイデン選手。決勝に向けて大きな自信を得ることになった。ペドロサ選手も5番手とまずまずの仕上がり。本番に大きな期待が膨らんだ。

 その期待に応えてヘイデン選手は、すばらしいスタートを切って、序盤からトップグループにつけた。オープニングラップでホールショットからレースの主導権を握ったのは、予選3番手のエドワーズ選手。その後方に、ジョン・ホプキンス選手(スズキ)、中野選手、ヘイデン選手と続いた。ヘイデン選手は、2周目に中野選手をかわして3番手へ。9周目にはホプキンス選手をかわして2番手に浮上、首位を快走するエドワーズ選手との差をじりじりと縮めた。

 そして、ラスト2周となった25周目。バックストレートのブレーキングでエドワーズ選手をかわしトップに浮上。最終ラップとなった26周目には、再びエドワーズ選手にトップの座を譲るが、最終コーナーのシケインの競り合いでエドワーズ選手が転倒。そのブレーキング競争でコースアウトを喫したヘイデン選手だったが、真っ先にチェッカーを受け、今季初優勝を飾った。転倒したエドワーズ選手は、再スタートを切って13位だった。

 その後方では、予選5番手のペドロサ選手、予選12番手から追い上げてきたストーナー選手、予選10番手から好スタートを切ったロバーツJr.選手の3台がし烈な戦いを繰り広げた。中盤はストーナー選手がグループの主導権を握る。終盤はペドロサ選手。ラスト2周ではストーナー選手が抜き返すが、最終ラップ、ペドロサ選手が逆転。3位でチェッカーを受けた。これでペドロサ選手は、今季4回目の表彰台を獲得。8戦中7回の表彰台で総合首位のヘイデン選手に続き、総合2位に浮上した。ペドロサ選手と激しく戦ったストーナー選手は、わずかに及ばず4位。Hondaエンジンを搭載するKR211Vに乗るロバーツJr.選手が5位でフィニッシュした。

 序盤、トップグループにつけたホプキンス選手が6位。予選7番手から前半4番手を走ったメランドリ選手は、前戦カタルニアで痛めた首と肩の影響でペースを落とし、7位でゴールした。しかし、満身創痍の身体で完走したメランドリ選手には大きな拍手が送られた。予選13番手からスタートした玉田選手は、序盤はセカンドグループで好走をみせたが、フロントタイヤの消耗でペースを落とし、11位に終わった。

 ヘイデン選手の優勝によって、Hondaは最高峰クラス通算200勝を達成。ペドロサ選手が3位に入るなど、すばらしい成績で戦いを終えた。これで、ヘイデン選手は総合首位をキープ。2番手にペドロサ選手が浮上。満身創痍の身体で完走したメランドリ選手は、4位のバレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)と同ポイントの5位。ストーナー選手6位。ロバーツJr.選手9位。玉田誠選手10位と、Honda勢すべてが、トップ10をキープした。

 250ccクラスは、ホルヘ・ロレンゾ選手(アプリリア)が優勝。2位にアレックス・デ・アンジェリス選手(アプリリア)。そのアンジェリス選手と厳しい戦いを繰り広げたアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Humangest Racing Team)が3位に入り、開幕戦から8戦連続表彰台を達成。総合ポイントでも首位をキープした。予選5番手から今季2回目の表彰台と優勝に挑んだ高橋裕紀選手(Humangest Racing Team)は、オープニングラップの多重クラッシュに巻き込まれ14番手まで順位を落としたが、6位までポジションを回復した。青山周平選手(Repsol Honda Team 250)も、同じハプニングに巻き込まれ23番手まで順位を落としたが、12位でフィニッシュ。今大会がRepsol Honda Teamデビュー戦となるマーチン・カルデナス選手は、オープニングラップで転倒リタイアとなった。今大会、優勝を逃したHonda勢だが、最高峰クラスに続き、通算200勝にあと1勝と迫っているだけに、次戦は大きな注目を集めている。

 125ccクラスは、ミカ・カリオ選手(KTM)が優勝。Honda勢は、ディフェンディングチャンピオンのトーマス・ルシ選手が8位。ガボール・タルマクシ選手は11位という結果だった

第8戦 オランダGP
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コメント

ニッキー・ヘイデン選手(MotoGP 優勝)
「今日は最高のレースだった。Repsol Honda teamのために勝てたことを誇りに思うし、しかも、今日の勝利は、Honda200勝目という特別な勝利だった。今日は、いいスタートではなかった。しかし、エドワーズ選手の後ろに迫ることができた。予選から彼はすばらしい走りをしていたし、とにかく離されないように頑張った。しかし、ただ待っているだけでは抜けないし、何かをしなければならなかった。中盤からはラインを変えはじめた。それが勝因の一つだった。終盤は、調子がすごく良かった。最後のシケインでは、エドワーズ選手のブレーキングが深かったので、序盤にホプキンス選手を抜いたときと同じ技を使った。正直、あまり決まらなかったが、エドワーズ選手もコースアウトしたので、結果オーライだった。みんなに感謝している。今回はリアタイヤの消耗に不安を抱えていたが、レースでは完璧だった」

ダニ・ペドロサ選手(MotoGP 3位)
「序盤に、メランドリ選手の後ろで大きなタイムロスをした。ニュータイヤとフルタンクの状態で、ペースを上げられなかったことが、今回のレースを厳しいものにした。最終ラップは、ストーナー選手が抜きに来たが、最後のセクションで抜き返した。もう少しで、接触しそうだった。ヘイデン選手とエドワーズ選手のペースは、僕より速かったし、エドワーズ選手が最終コーナーで転んだことで表彰台に立てた。運も良かった。今日のリザルトは、決して完璧ではないが、ミシュランのタイヤが良かったので満足している。今年のチャンピオンシップは混戦だが、僕にとって初めてのシーズンで総合2位にいることは嬉しい。まだまだ勉強することはたくさんある」

ケーシー・ストーナー選手(MotoGP 4位)
「いいスタートが切れた。しかし、1コーナーの混雑で前に行くことができなかった。それでもいいペースで走ることができたし、ペドロサ選手に追いつくことができた。ほんのちょっとだけペドロサ選手の方が遅いのだが、抜くのに数ラップかかってしまった。そのうちリアタイヤの左側のグリップが落ちてきた。最終ラップはミスをして、ペドロサ選手に抜かれてしまった。しかし、いい状態を見つけたし、表彰台に立つ自信ができた」

マルコ・メランドリ選手(MotoGP 7位)
「今の自分の身体のことを考えると、今日の7位という結果には満足している。スタートは良かったが、数周した時点で厳しい状態になった。カタルニアで痛めた首と肩の痛みが激しく、満足な走りができなかった。それでも、トップグループに何とかついて行こうと思ったが、周回を重ねるごとに身体は消耗していった。とにかく完走することが大きな目的だった。それを達成できて嬉しい。今は、身体を休めたい」

玉田誠選手(MotoGP 11位)
「今日は、気温も路面温度も上がったせいか、今回使った16インチのフロントタイヤが、中盤から厳しい状態になってしまった。予選は、路面温度と合っていたのか、最高のパフォーマンスだったが、今日のコンディションには合ってなかったのかも知れない。スタートは良かった。序盤は、最終的に3位争いになったグループにいた。しかし、コーナーの進入で切れ込むようになって、ペースを上げられず、ついていけなかった。残念なレースだった」

田中誠 Repsol Honda Team監督
「最後まで大興奮のすばらしいレースだった。今回は、我々にとって楽な展開ではなかった。しかしニッキー(ヘイデン選手)はレースを睨んで最後の最後までマシンを仕上げていき、今朝のウオームアップでも手を抜くことはなかった。今季初勝利まで少し時間は掛かったが、これで文句なしのランキングトップだ。この場を借りてもう一度ニッキーに言いたい。おめでとう、そしてありがとう! ダニ(ペドロサ選手)も、このコースは思っていた通りに攻略できなかったが、最後までベストをつくした。頑張った者には必ず結果がついてくる。堂々の3位表彰台で、ランキングも2位に上がった。納得のいかないところもあるだろうが、長いシーズンを戦う中で重要なポイントだ。ここアッセンで最高峰クラス200勝も決めることができ、大きな励みになった。次のドニントンパークも難しいところだが、このパワーで乗り切りたい」

(株)ホンダ・レーシング代表取締役社長 金澤賢
「2輪ロードレースの最高峰クラスであるMotoGPで、Hondaにとって200勝目となる見事な優勝を勝ち取ったニッキー・ヘイデン選手に祝辞を述べたい。今日は、我々にとって一つの節目の日となった。Hondaがロードレースの最高峰であった500ccクラスに初参戦したのは、1966年5月22日の西ドイツGPで、見事デビューウインを果たしている。サーキットは違うが、最高峰クラス参戦40年で、我々Hondaが達成した記録を誇りに思う。ここまでHondaのレース活動に携われたライダーやパートナー、関係者の頑張りに感謝するとともに、タイトル獲得を目指し、世界最高レベルの技術チャレンジを今後も継続し、2輪レース活動を盛り上げていきたい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(250cc 3位)
「今日の表彰台は、いままでの表彰台に比べて、あまり嬉しいものではなかった。予選の段階から、ロレンゾ選手のパフォーマンスにはかなわないと思っていた。しかし、レースでは、それほどの差ではなかった。今日の彼は速かったし、おめでとうと言いたい。最終ラップは、アンジェリス選手に勝ちたいと思った。今日の自分のベストラップで追い上げたが、届かなかった。今回は、完璧なセッティングにできなかった。しかし、チャンピオンシップを考えれば、今日の3位には満足している。次のドニントンパークは、Hondaに合っているサーキットなので、楽しみにしている」

高橋裕紀選手(250cc 6位)
「スタートは良かった。ヘアピンで前にいる(青山)周平君を抜き、バイクを寝かそうと思ったときに、さらにイン側にアンジェリス選手が入ってきて、接触してしまった。それでアウト側にいた周平君とも接触。フロントブレーキを曲げてしまい、それで時間をロスしてしまった。その後も、接触の影響なのか、エンジンの伸びが悪かった。終盤はいつも通りに走れたし、1周目のアクシデントが悔しい」

青山周平選手(250cc 12位)
「スタートは良かったのだが、1周目のヘアピンで誰かに当たってコースアウトしてしまった。その後、さらに転倒者が出て、それを避けるためにグラベルに出なければならなくなり、大きくタイムロスしてしまった。コースに復帰したときには、トップグループははるか彼方で、もう、とても追いつかないと思った。頑張って走ったが、12位になるのがやっとだった。残念なレースだった」

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決勝リザルト&ポイントランキング
【MotoGP】
順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 69 ニッキー・ヘイデン Honda M 42:27.404
2 56 中野真矢 カワサキ B +4.884
3 26 ダニ・ペドロサ Honda M +7.525
4 27 ケーシー・ストーナー Honda M +7.555
5 10 ケニー・ロバーツJr. KR211V M +8.078
6 21 J.ホプキンス スズキ B +17.065
7 33 マルコ・メランドリ Honda M +18.090
8 46 V.ロッシ ヤマハ M +23.951
9 7 C.チェカ ヤマハ D +29.027
10 71 C.バーミューレン スズキ B +31.627
11 6 玉田誠 Honda M +32.841
12 66 A.ホフマン ドゥカティ D +34.143
13 5 C.エドワーズ ヤマハ M +40.412
14 17 R.デ・ピュニエ カワサキ B +1:03.648
15 65 L.カピロッシ ドゥカティ B +1:17.303
16 22 I.シルバ ドゥカティ D +1Lap
17 30 J.カルドソ ドゥカティ D +3Laps
RT 77 J.エリソン ヤマハ D +23Laps
【250cc】
順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 48 J.ロレンゾ アプリリア 40:30.770
2 7 A.デ・アンジェリス アプリリア +8.168
3 34 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda +8.241
4 6 A.デボン アプリリア +31.875
5 15 R.ロカテッリ アプリリア +34.686
6 55 高橋裕紀 Honda +39.326
7 58 M.シモンセリ ジレラ +39.383
8 14 A.ウェスト アプリリア +45.104
9 4 青山博一 KTM +47.526
10 54 M.ポジャーリ KTM +59.296
12 73 青山周平 Honda +1:05.827
RT 36 マーチン・カルデナス Honda -
【125cc】
順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 36 M.カリオ KTM 38:51.450
2 33 S.ガデア アプリリア +0.122
3 19 A.バウティスタ アプリリア +0.128
4 24 S.コルシ ジレラ +6.793
5 52 L.ペセック デルビ +6.828
6 55 H.ファウベル アプリリア +10.647
7 75 M.パシーニ アプリリア +10.691
8 1 T.ルシ Honda +10.935
9 22 P.ニエト アプリリア +13.297
10 35 R.デ・ローザ アプリリア +13.336

【ライダー:MotoGP】 【コンストラクター:MotoGP】
順位 ライダー コンストラクター 総合
ポイント
1 ニッキー・ヘイデン Honda 144
2 ダニ・ペドロサ Honda 102
3 L.カピロッシ ドゥカティ 100
4 V.ロッシ ヤマハ 98
5 マルコ・メランドリ Honda 98
6 ケーシー・ストーナー Honda 78
7 C.エドワーズ ヤマハ 63
8 中野真矢 カワサキ 57
9 ケニー・ロバーツJr. KR211V 55
10 玉田誠 Honda 54
11 トニ・エリアス Honda 53
ポイント一覧
順位 コンストラクター 総合
ポイント
1 Honda 176
2 ヤマハ 127
3 ドゥカティ 109
4 スズキ 64
5 カワサキ 57
6 KR211V 55
ポイント一覧
【ライダー:250cc】 【コンストラクター:250cc】
順位 ライダー コンストラクター 総合
ポイント
1 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 149
2 J.ロレンゾ アプリリア 133
3 高橋裕紀 Honda 99
4 青山博一 KTM 92
5 A.デ・アンジェリス アプリリア 91
6 R.ロカテッリ アプリリア 91
7 H.バルベラ アプリリア 78
8 S.ギュントーリ アプリリア 51
9 M.シモンセリ ジレラ 49
10 A.ウェスト アプリリア 42
11 青山周平 Honda 38
13 マーチン・カルデナス Honda 28
16 セバスチャン・ポルト Honda 20
ポイント一覧
順位 コンストラクター 総合
ポイント
1 アプリリア 176
2 Honda 154
3 KTM 96
4 ジレラ 49
ポイント一覧
【ライダー:125cc】 【コンストラクター:125cc】
順位 ライダー コンストラクター 総合
ポイント
1

A.バウティスタ

アプリリア 160
2 M.カリオ KTM 113
3 S.ガデア アプリリア 103
4 H.ファウベル アプリリア 97
5 M.パシーニ アプリリア 96
6 L.ペセック デルビ 77
7 T.ルシ Honda 62
8 G.タルマクシ Honda 57
9 S.コルシ ジレラ 56
10 P.ニエト アプリリア 50
ポイント一覧
順位 コンストラクター 総合
ポイント
1 アプリリア 178
2 KTM 118
3 Honda 90
4 デルビ 77
5 ジレラ 56
6 マラグーティ 23
ポイント一覧
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