第7戦カタルニアGPが6月16日、バルセロナ郊外のカタルニア・サーキットで開幕した。このサーキットは、92年に「ヨーロッパGP」として初めてグランプリが開催された。96年からは「カタルニアGP」と名称が変わり、今年で通算15回目の開催となる。
バルセロナは、1961年にHondaがグランプリ初優勝を飾った記念すべき場所。当時は、市内のモンジュイック(公道)でグランプリが行われた。その初優勝から44年目となる昨年のオーストラリアGPで、Hondaは通算600勝を達成した。また、今季3勝を挙げている最高峰クラスは現在、通算199勝に到達。200勝まであと「1勝」に迫っている。さらにカタルニアGPは、ルーキーながら大活躍のダニ・ペドロサ選手(Repsol
Honda Team)の地元グランプリ。大きな注目を集める大会となっている。
そうした中で快調なスタートを切ったのは、Hondaエンジンを搭載するKR211Vに乗るケニー・ロバーツJr.選手(Team Roberts)。1回目のフリー走行でトップタイムをマーク。2回目も2番手と、素晴らしいスタートを切った。
3番手は、地元の声援を一身に集めるペドロサ選手。1回目は3番手、2回目の走行でも3番手と、順調なスタートを切った。今季、ルーキーのペドロサ選手は、金曜日はコースに慣れることに多くの時間を割いてきた。今大会でも慎重なスタートだったが、もっとも得意とするサーキットだけに、快調な走りを見せた。
すでにペドロサ選手は、125ccと250ccクラスでカタルニアを制している。MotoGPクラスで勝てば、MotoGPクラス7戦目にして自身初の同一サーキット3クラス制覇を成し遂げることになる。昨年のオーストラリアGPで250ccクラス優勝を飾り、Honda600勝を達成しているペドロサ選手は、今大会で自身の今季2勝目と、Honda最高峰クラス200勝目を狙うことになる。
6番手には、ケーシー・ストーナー選手(Honda LCR)がつけた。前戦イタリアGPでは痛恨の転倒を喫し、今季初のリタイアを経験。今大会は、その雪辱を期す。初日は不安定な天候となり、車体のセッティングに多くの時間を費やしたが、まずまずのスタートとなった。
9番手には、マルコ・メランドリ選手(Fortuna Honda)。ドライコンディションとなった1回目の走行では9番手。ウエットからドライになった2回目の走行でも9番手。タイヤテストを慎重に行い、好調をアピールした。
6戦を終えて5回の表彰台。総合ポイントでトップのロリス・カピロッシ選手(ドゥカティ)と並ぶニッキー・ヘイデン選手(Repsol Honda Team)は、車体のセッティングに多くの時間を割き10番手だった。一番の課題は、カタルニア独特の大きな弧を描くロングコーナーの安定性。2日目に向けて様々なセッティングにトライした。
この日のトップタイムをマークしたのは、バレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)。13番手までが1秒差以内という大接戦の中で、Honda勢の5台が名を連ねた。なお、地元大会となるトニ・エリアス選手(Fortuna
Honda)はトップから1.097秒差の14番手。玉田誠選手(KONICA
MINOLTA Honda)も1.107秒差の16番手と、2日目のばん回に期待をつないだ。
250ccクラスは、アレックス・デボン選手(アプリリア)が暫定PPを獲得。Honda勢は、開幕から6戦連続表彰台に立って総合首位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Humangest Racing Team)が2番手、ルーキーの青山周平選手(Repsol Honda Team 250)が6番手。高橋裕紀選手(Humangest Racing Team)は8番手だった。午前のフリー走行で3番手、午後の予選で2番手となったドヴィツィオーゾ選手は、暫定PPこそ逃したが順調な仕上がりを見せた。青山周平選手は、午前中のフリー走行こそセッティングが決まらず苦しい走りだったが、予選では一気にタイムを上げて6番手につけた。高橋選手は、フリー走行で2番手と好調なスタートを切ったが、予選ではセッション序盤に痛恨の転倒を喫し、8番手に終わった。とはいえ、好調な走りを披露し、ドヴィツィオーゾ選手とともに今大会の優勝候補の一角と目されている。
125ccクラスは、予選開始直前に雨が降り始める難しいコンディションとなった。ミカ・カリオ選手(KTM)が暫定PPを獲得。以下、トーマス・ルシ選手、ミケール・コンティ選手、マイク・ディ・ミリオ選手、ジョーイ・リットジェーン選手、ブラドリー・スミス選手と、Honda勢が僅差で続いた。 |