第5戦フランスGPが、19日、パリの南西約200kmに位置するル・マン・サーキットで開幕した。フランスGPは1951年に始まり、今年で43回目を迎える。2000年からはル・マン・サーキットに定着した。過去3戦、カタール、トルコ、中国と遠征が続いたグランプリだが、この大会から、本格的なヨーロッパラウンドへと突入する。
予選1日目は、不安定な天候の中で行われた。125ccクラスは午前中のフリー走行がドライ、午後の予選がウエットからドライへと変化した。250ccクラスは、フリー走行がドライからウエットへ。午後の予選はドライ。そしてMotoGPクラスだけは、1回目、2回目のフリー走行ともに、ドライコンディションで行われた。しかし、最高気温が16℃、風も強く、難しいコンディションの一日となった。
MotoGPクラスでトップタイムをマークしたのは、コーリン・エドワーズ選手(ヤマハ)。以下、1秒差以内に12台という大接戦となった。Honda勢は、ケーシー・ストーナー選手(Honda LCR)がトップから0.376秒差の5番手、前戦中国GPで復調を感じさせた玉田誠選手(KONICA MINOLTA Honda)がストーナー選手と僅差の6番手となった。そのほか、ダニ・ペドロサ選手(Repsol Honda Team)9番手、マルコ・メランドリ選手(Fortuna Honda)10番手、ニッキー・ヘイデン選手(Repsol Honda Team)11番手と、トップから1秒差以内の接戦の中で初日を終えた。トニ・エリアス選手(Fortuna Honda)もトップから1.021秒差の13番手だった。
Honda勢トップのストーナー選手は、1回目5番手、2回目も5番手と、まずまずのスタートを切った。今季は過去4戦で素晴らしい走りを見せており、この日も難しいコンディションの中で、タイヤの選択、車体のセッティングに集中。最終的に5番手だったが、2日目に向けてまずまずのポジションで初日を終えた。
前戦中国GPで今季最高位の6位をマークした玉田選手は、2週連続開催となったこのレースで、復調を感じさせる好走を見せた。昨年の大会は、ケガから復帰するも初日の走行を終えてレースをキャンセルしている。そのために「ル・マン・サーキットを走るのは久しぶり」と語りながら、1回目8番手、2回目の走行では6番手と完全復調に向けてさらに一歩前進することに成功した。
前戦中国GPで、デビュー4戦目にしてMotoGP初優勝を果たしたペドロサ選手は、トップから0.626秒差の9番手で初日を終えた。1回目の走行では慎重な走りで10番手だった。125cc、250ccでは、3年連続でル・マン・サーキットを制しているペドロサ選手。「MotoGPマシンを走らせるには、このサーキットは小さくて難しい」と語っていたが、周回を重ねる毎に確実にタイムを短縮した。
10番手にはメランドリ選手。第3戦トルコGPで今季初優勝。前戦中国GPでは7位とやや精彩を欠いた。そのため、メランドリ選手はこれから続くヨーロッパラウンドに向けて、様々なセッティングにトライ。「大きな収穫」と2日目、決勝に向けて手ごたえをアピールしていた。
11番手にはヘイデン選手。4戦を終えて総合トップのヘイデン選手は、この日、低い気温と強い風の中で、思うようにセッティングを進めることができなかった。しかし、2日目に向けて多くのデータを収集。セッティングの方向が決まったことで、2日目のポジションアップに大きな期待が膨らんだ。
13番手のエリアス選手も、不安定な天候の中でベストセッティングを見出せず、思うようなタイムをマークすることができなかった。しかし、トップから13番手のエリアス選手まで約1秒差という大接戦となり、2日目のHonda勢の躍進に大きな期待が膨らんだ。
250ccクラスは、アレックス・デ・アンジェリス選手(アプリリア)が暫定PP。4戦を終えて総合首位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Humangest Racing Team)が、わずか0.01秒差の2番手。開幕から4戦連続表彰台をマークしており、ドライでもウエットでも素晴らしい走りを披露するとともに、今季初優勝の期待が膨らんだ。一方で、チームメートの高橋裕紀選手(Humangest Racing Team)もフリー走行5番手。午後の予選でも5番手とまずまずのスタートとなった。午前中のフリー走行で、ウエットコンディションの走行をキャンセル。ドライになった午後の予選に集中した高橋選手は「とりあえずドライのセッティングの方向は決まった」と、2日目以降の天候の変化にも自信をみせた。セバスチャン・ポルト選手(Repsol Honda Team 250)は7番手。ルーキー青山周平選手(Repsol Honda Team 250)は、フリー走行、予選ともにコースを覚えるために周回を刻み、予選12番手とまずまずの走り。初めて走るサーキットだが、順調なスタートを切った。
125ccクラスは、アルバロ・バウティスタ選手(アプリリア)が暫定PP。Honda勢は、マイク・ディ・ミリオ選手が4番手、サンドロ・コルテセ選手5番手、ファブリツィオ・ライ選手6番手。前戦中国GPで4位と上り調子のガボール・タルマクシ選手が8番手。ディフェンディングチャンピオンのトーマス・ルシ選手が9番手と、トップ10に5台のHonda勢が名前を連ねた。 |