第4戦中国GPが、12日、上海郊外の上海国際サーキットで開幕した。中国でグランプリが開催されるのは今年で2回目。昨年の大会は、Honda勢が予選で素晴らしい走りを見せた。しかし、決勝は激しい雨となり大荒れのレースとなった。そのために惜しくも優勝を逃したHonda勢だが、今年は、前戦トルコGPで表彰台を独占。この数戦、マシンも順調に仕上がっているだけに、今大会も、表彰台独占の期待が集まっている。
しかし、開幕初日は、朝から冷たい雨がサーキットに降り注いだ。最高気温も17℃と、この季節としては寒い1日となり、選手たちは、2日目の予選に向けてセットアップに多くの時間を割く、様子見の展開となった。
その中で、トップタイムをマークしたのは、バレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)。Honda勢は、5番手にニッキー・ヘイデン選手(Repsol
Honda Team)。以下、マルコ・メランドリ選手(Fortuna
Honda)、ダニ・ペドロサ選手(Repsol Honda Team)、ケーシー・ストーナー選手(Honda
LCR)、玉田誠選手(KONICA MINOLTA Honda)と僅差で続き、トップ10内に5台のHonda勢が並んだ。前戦トルコGPでは、Honda勢のし烈な優勝争いが、ファンを喜ばせた。今大会も、Honda勢の優勝争いが期待されるだけに、2日目の予選に向けて、まずまずのスタートとなった。
この日、Honda勢のトップは、5番手のヘイデン選手。ヘイデン選手は、今季、もっとも勢いに乗る選手で、昨年のシーズン終盤戦から、前戦トルコGPまで7戦連続で表彰台に立っている。前戦トルコGPの雨の予選でも、ヘイデン選手は素晴らしい走りを見せた。この日も、雨の中で、確実にラップタイムを刻んでいる。ヘイデン選手は、午前中1回目の走行では、雨のセッティングを確認する走りで6番手。午後の走行では、微調整を繰り返しながら、首位に迫る好タイムを何度もマーク。最終的に5番手だったが、順調な滑り出しで、1日目を終えた。
6番手には、メランドリ選手。昨年の大会では、予選2番手、決勝3位と、見事な走りで中国のファンをうならせた。今年も前戦トルコGPで今季初優勝を達成。上り調子で中国GPを迎えた。この日は、ベストタイムこそ6番手だったが、ヘイデン選手とともに好調な走りを披露。今大会も、優勝候補の筆頭に浮上した。
7番手にはペドロサ選手。前戦トルコGPの雨の予選では、セットアップが決まらず苦戦した。今大会も、午前中1回目の走行では、セットアップに専念したことで15番手と出遅れたが、2回目の走行では一気に7番手に浮上。雨の苦手意識を払拭することに成功した。
8番手には、ペドロサ選手とともに、今シーズン注目を集める20歳のルーキー、ストーナー選手がつけた。第2戦カタールGPでは、デビュー2戦目にして初PPを獲得。前戦トルコGPでは、デビュー3戦目にして2位初表彰台を獲得するなど、MotoGPクラスの話題を独占している。今大会も、1回目の走行で2番手と好調なスタートを切った。午後2回目の走行では、新しいレインタイヤをテストするなどセットアップに専念。ポジションは8番手にダウンしたが、2日目に向けて期待を膨らませた。
9番手には、中国GP初参加となる玉田選手が入った。昨年の大会は、ケガのために欠場している。そのために、上海国際サーキットを走るのは今年が初めてとなる。ライバルたちと比べて大きなハンディキャップを負っての初日だったが、雨という難しいコンディションの中で、9番手と好調な走りを見せた。玉田選手は、開幕戦からやや精彩を欠いていたが、前戦トルコGP後の合同テストで調子を取り戻した。「初めてのサーキットで9番手スタートは悪くない。バイクのフィーリングはいい」と、好調なスタートに表情も明るかった。
15番手にはトニ・エリアス選手(Fortuna Honda)。1回目のフリーでセットアップが決まらず、2回目のフリーではポジションを落とした。しかし、開幕戦から好調な走りを見せているだけに、2日目のばん回に期待。僅差で続くHonda勢の中に食い込むのは必至の状況だ。
こうして、トップ10に5台のHonda勢が名前を連ねたフリー走行1日目。2日目の予選に向けて、大きな期待が集まった。
250ccクラスは、アンソニー・ウェスト選手(アプリリア)が暫定PPを獲得。Honda勢は、2番手に高橋裕紀選手(Humangest
Racing Team)、5番手にルーキー青山周平選手(Repsol
Honda Team 250)、6番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Humangest
Racing Team)と続いた。高橋選手は、フリー走行で2番手。予選では痛恨の転倒を喫したが、スペアのマシンで再度コースイン。雨の中で素晴らしい走りを見せて2番手につけた。青山選手も、初めての上海サーキットを見事に攻略。初日5番手と好調なスタートを切った。開幕戦から3戦連続表彰台に立ち、総合ポイントで首位に立つドヴィツィオーゾ選手も、セットアップに専念して6番手。セバスチャン・ポルト選手(Repsol
Honda Team 250)は22番手だった。
125ccクラスは、ミカ・カリオ選手(KTM)が暫定PPを獲得。Honda勢は、ファブリツィオ・ライ選手が4番手。ガボール・タルマクシ選手5番手とまずまずのスタート。ディフェンディングチャンピオンのトーマス・ルシ選手は12番手だった。 |