第3戦トルコGP決勝は、雲が多く、最高気温は16℃と寒い一日となった。しかしイスタンブール・パークに集まった3万8000のファンは、今季最高のバトルを満喫することになった。
優勝したのはマルコ・メランドリ選手(Fortuna Honda)。昨年に続いてトルコGP2連覇を果たした。2位は、ルーキーのケーシー・ストーナー選手(Honda
LCR)で、MotoGP初表彰台を達成。そして3位のニッキー・ヘイデン選手(Repsol
Honda Team)は、優勝こそ逃したが、開幕から3戦連続表彰台に立ち、総合ポイントで首位に立った。以下、トニ・エリアス選手(Fortuna
Honda)5位。玉田誠選手(KONICA MINOLTA
Honda)10位。表彰台に立った3人と最終ラップまで優勝争い繰り広げたダニ・ペドロサ選手(Repsol
Honda Team)は、1コーナーで痛恨の転倒を喫したが、再スタート。14位でフィニッシュした。
決勝レースは、PPスタートのクリス・バーミューレン選手(スズキ)の好スタートで始まった。2番手にセテ・ジベルノー選手(ドゥカティ)。3番手にジョン・ホプキンス選手(スズキ)と、オープニングラップは、雨の予選で上位につけたブリヂストン勢がリードを築いた。2周目には、ジベルノー選手が首位に立ち、中盤戦までレースの主導権を握った。
しかし、ブリヂストン勢の後方で確実にペースを上げていたHonda勢が、レースの折り返し点から上位を独占することになる。11周目にメランドリ選手が首位に立ち、ペドロサ選手、ヘイデン選手、ストーナー選手と、4台のHonda勢が上位を独占。後半戦は、この4選手の壮絶な首位争いとなった。
目まぐるしくポジションを入れ替える4選手。後半になって、ペドロサ選手、メランドリ選手、そしてストーナー選手と、激しく首位も入れ替わった。そして、ストーナー選手、メランドリ選手、ペドロサ選手、ヘイデン選手の順で最終ラップの22周目に突入した。
手に汗を握る戦い。注目の最終ラップは、1コーナーで3番手を走行していたペドロサ選手が転倒。これで優勝争いは、ストーナー選手とメランドリ選手の2人に絞られる格好となり、先行するストーナー選手を、最終セクションのブレーキングで抜いたメランドリ選手が、今季初優勝を飾った。2位にストーナー選手、そして3位にヘイデン選手が入り、Honda勢が表彰台を独占した。
優勝したメランドリ選手は、昨年の最終戦バレンシアGP以来、3戦ぶりの優勝。2年連続でトルコGPを制することになった。メランドリ選手は、初日のフリー走行で3番手と好調なスタートを切った。しかし、雨になった2日目の予選で14番手と大きくポジションを落とした。5列目スタートという大きなハンディキャップを抱えたが、絶好のスタートでオープニングラップで6番手に浮上。見事、優勝を飾った。
そのメランドリ選手に、最終ラップにかわされたストーナー選手が2位になった。前戦カタールGPで史上2番目の若さでPPを獲得。今大会も初日2番手と好調だった。雨の予選では7番手とポジションを落としたが、決勝では、序盤からトップグループに加わり、終盤の5周はトップを快走した。最後にメランドリ選手に抜かれたが、MotoGP3戦目にして、見事初表彰台を獲得した。
3位のヘイデン選手も、素晴らしいレースを繰り広げた。今大会は、初日にトップタイム、雨の予選で2番手と、優勝候補の筆頭に挙げられた。しかし、スターティンググリッドで、タイヤを保温するカバーがディスクに張り付くトラブルがあり、ブレーキに問題を抱える苦しい走りとなったが、最後まで走り切った。終盤は、トップを走る3台にじりじりと離されたが、ペドロサ選手の転倒もあり、3位表彰台を獲得した。これで開幕戦から3戦連続、昨シーズンから7戦連続で表彰台に立ち、総合ポイントで首位に立った。
5位にはエリアス選手が入った。エリアス選手も予選12番手から好スタートを切って、確実にポジションを上げた。序盤はペースを上げられなかったが、燃料タンクが軽くなるにつれて本来の走りを取り戻した。最後はバレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)とし烈な戦いを繰り広げた。
10位の玉田選手は、序盤からペースを上げられず、苦しいレースとなった。予選13番手からオープニングラップ14番手。なかなかペースを上げることが出来なかったが、最終的に10番手でフィニッシュした。
優勝争いに加わりながら、最終ラップの1コーナーで転倒したペドロサ選手は14位でフィニッシュした。ペドロサ選手は初日4番手と好調なスタートを切ったが、雨の予選で16番手にダウン。決勝は6列目グリッドという大きなハンディキャップを背負うことになった。しかし、序盤から猛烈な追い上げを見せて、中盤にはトップグループに加わった。後半に入ると、首位に立つなど、今大会、もっとも素晴らしい走りを披露した。惜しくも転倒したが、再スタートを切って14位でフィニッシュ。貴重な2ポイントを獲得した。
こうして、Honda勢が、素晴らしい走りを見せたトルコGP。表彰台独占は2004年ドイツGP以来、28戦ぶり。最高峰クラス通算197勝目を挙げ、200勝にあと3勝と迫った。
250ccクラスは、6台によるし烈な優勝争いとなり、青山博一選手(KTM)が優勝。2位にヘクトール・バルベラ選手(アプリリア)。3位にアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Humangest
Racing Team)が入った。ドヴィツィオーゾ選手は、これで開幕から3戦連続表彰台に立ち、総合ポイントでも首位に立った。今季2回目のフロントローからスタートした高橋裕紀選手(Humangest
Racing Team)は、最終ラップまでトップグループに加わり5位と健闘した。セバスチャン・ポルト選手(Repsol
Honda Team 250)は10位。ルーキーの青山周平選手(Repsol
Honda Team 250)は、スタート直後の1コーナーで他車に接触、転倒リタイアに終わった。
125ccクラスは、ヘクター・ファウベル選手(アプリリア)が優勝。ガボール・タルマクシ選手(Honda)が6位。ディフェンディングチャンピオンのトーマス・ルシ選手(Honda)は12位だった。
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