カタールGP予選は、Honda勢の走りが、大きな注目を集めた。フリー走行でトップタイムをマークした20歳のケーシー・ストーナー選手(Honda
LCR)が、フレディ・スペンサー選手に続く史上2番目、デビュー2戦目にしてPPを獲得した。3番手にトニ・エリアス選手(Fortuna
Honda)。4番手にニッキー・ヘイデン選手(Repsol
Honda Team)。5番手にダニ・ペドロサ選手(Repsol
Honda Team)と、Honda勢が好グリッドを獲得した。以下、ケニー・ロバーツJr.選手(Team
Roberts)10番手。マルコ・メランドリ選手(Fortuna
Honda)12番手、玉田誠選手(KONICA MINOLTA Honda)16番手。トップのストーナー選手から1秒差以内に、12台という厳しい戦いだった。
PPを獲得したストーナー選手は、2日目も好調だった。初日1回目のセッションでトップタイム。2回目はロバーツJr.選手にわずかに届かず2番手。しかし、2日目3回目のセッションでは、再び、トップに浮上。2番手以下に0.5秒以上の大差をつける快走を披露した。予選でも、この勢いをキープ。サーキットベストタイムを約1.3秒上回る好タイムでPPを獲得した。
ストーナー選手は、昨年、250ccクラスで優勝を飾っている。開幕戦スペインGPでは、慣れない予選用タイヤのアタックに手こずって15番手と低迷したが、決勝では6位まで浮上した。今大会は、レース用タイヤ、予選用タイヤともに、完璧な走りを見せた。ストーナー選手は、1982年にスペンサー選手が樹立した最年少PP記録にわずかに及ばなかったが、決勝で勝てば、スペンサー選手の持つ最年少記録を更新することになる。
3番手にはエリアス選手。「このサーキットは苦手なコース」と語り、初日のフリー走行では8番手だったが、2日目3回目のセッションで5番手へ。予選ではトップのストーナー選手からわずか0.052秒差の3番手に浮上。MotoGPクラス2年目、Hondaに乗り換えて2戦目にして、MotoGPクラス初のフロントローを獲得した。前戦スペインGPでは、オープニングラップで大きく後退も、素晴らしい追い上げを見せて4位。MotoGP初表彰台の期待が膨らんだ。
4番手にはヘイデン選手。昨年の大会では、バレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)、メランドリ選手と優勝争いを繰り広げた。今大会は、前戦スペインGPから行っているニューマシンのセッティングに多くの時間を割き、フリー走行では10番手だったが、予選では一気にタイムを短縮して4番手へ。2列目スタートも、トップのストーナー選手からわずか0.110秒差。今季初優勝に向けて大きく前進した。
5番手にはペドロサ選手。セッションをこなすごとに確実にタイムを短縮した。午前中のフリー走行では転倒を喫し8番手だったが、予選では、5番手に浮上。ペドロサ選手は、前戦スペインGPでデビュー戦表彰台を獲得している。その走りが、ストーナー選手、エリアス選手、ヘイデン選手といった同世代の選手を刺激。今大会は、ペドロサ選手が刺激される側に回ったが、それだけに、決勝では、Honda勢の若手の走りに大きな注目が集まりそうだ。
Hondaエンジンを搭載したKR211Vで、初日トップタイムをマークしたロバーツJr.選手は、2日目も好調をキープした。フリー走行では総合4番手と表彰台を狙える走りを見せた。予選用タイヤでのアタックでは10番手へとダウンしたが、今大会の走りに注目される。
初日3番手につけたメランドリ選手は、2日目のフリー走行でも6番手とまずまずのポジションだったが、予選では12番手へと大きくポジションを落とした。予選用タイヤと車体のマッチングが良くなかったことが原因だった。レース用タイヤでは素晴らしい走りを見せているだけに、本番での巻き返しに期待が膨らんだ。
玉田選手はこの日も厳しい走りを強いられた。車体のセッティングに集中、あらゆることにトライしたが、思うようにタイムを伸ばせず、16番手だった。
250ccクラスは、ホルヘ・ロレンゾ選手(アプリリア)がPPを獲得。Honda勢は、セバスチャン・ポルト選手(Repsol
Honda Team 250)が5番手、アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Humangest
Racing Team)が6番手から決勝に挑む。高橋裕紀選手(Humangest
Racing Team)は初日9番手からわずかにポジションを落とし11番手。ルーキーの青山周平選手(Repsol
Honda Team 250)も、グリップの悪い路面に苦戦して16番手。2人の日本人選手は、それぞれ3列目と4列目から追い上げるレースとなる。
125ccクラスは、アルバロ・バウティスタ選手(アプリリア)がPPを獲得。Honda勢は、ガボール・タルマクシ選手が6番手。ディフェンディングチャンピオンのトーマス・ルシ選手は15番手から決勝に挑む。
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