MotoGP Honda Racing
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グランプリ情報 1日目 予選 決勝 フォトギャラリー
2006.03.26 Rd.01 スペインGP
スケジュール
Rd. Date
01 3/26
スペインGP
02 4/8
カタールGP
03 4/30
トルコGP
04 5/14
中国GP
05 5/21
フランスGP
06 6/4
イタリアGP
07 6/18
カタルニアGP
08 6/24
オランダGP
09 7/2
イギリスGP
10 7/16
ドイツGP
11 7/23
アメリカGP
12 8/20
チェコGP
13 9/10
マレーシアGP
14 9/17
オーストラリアGP
15 9/24
日本GP
16 10/15
ポルトガルGP
17 10/29
バレンシアGP
第1戦 スペインGP
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ペドロサがデビュー戦を2位で飾る。ヘイデンは3位。Repsol Honda Teamの2人がそろって表彰台に立つ
2006年3月26日(日)・決勝
会場:ヘレス・サーキット 天候:晴れ 気温:22℃ コースコンディション:ドライ 観客数:13万1162人(3日間:24万1975人)
リザルト&ポイント

 開幕戦スペインGPは、青空が広がる絶好のコンディションの下で行われた。気温は、3日間を通じてもっとも高い22℃。好天にも恵まれ、前日の予選では、9万4000人と過去最高の人出を記録した。決勝日も、13万人を超える過去最高の観客がヘレスの山々を埋め尽くした。注目は、MotoGPクラスでデビューを飾る地元スペインのダニ・ペドロサ選手(Repsol Honda Team)。愛称「ダニ」への期待は、過去最高を記録した観客の数が物語っていた。

第1戦 スペインGP
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第1戦 スペインGP
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 ペドロサ選手は予選5番手からスタートして、オープニングラップは7番手。しかし、周回を重ねるごとに確実に順位を上げ、8周目には2番手に浮上。それからは、トップを走るロリス・カピロッシ選手(ドゥカティ)を激しく追撃、背後からプレッシャーを掛ける好走を見せた。しかし、終盤になってペドロサ選手は、フロントタイヤの消耗でペースを上げられず、惜しくも2位。98年にHondaに乗るマックス・ビアッジ選手が達成した最高峰クラスのデビューウインという快挙は達成できなかったが、ヘレスに集まった大観衆の期待に見事応えた。

 3位にはニッキー・ヘイデン選手(Repsol Honda Team)。4番グリッドからオープニングラップ4番手。その後、セテ・ジベルノー選手(ドゥカティ)をかわし、2番手を走るマルコ・メランドリ選手(Fortuna Honda)もパス。4周目に2番手に浮上してカピロッシ選手の背後に迫った。その後、ペドロサ選手にかわされて3番手に落ちたが、27周のレースを確実に走り切って、昨年のシーズン終盤戦から5戦連続で表彰台に立った。

 4位には、Hondaチームに移籍して初レースとなった、トニ・エリアス選手(Fortuna Honda)が入った。予選6番手から好スタートを切ったが、1コーナーでバレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)に接触するハプニング。そのために、1周目、13番手と大きくポジションを落とした。しかし、素晴らしい追い上げで、終盤には、3番手を走るヘイデン選手の背後に迫る快進撃を披露、4位でフィニッシュした。

 5位にはメランドリ選手。予選7番手から好スタートを切って2番手に浮上。しかし、ヘイデン選手、ペドロサ選手、エリアス選手と、Honda勢同士の戦いを繰り広げて5位でフィニッシュした。昨年のシーズン終盤には2連勝を達成した。今大会もフリー走行でトップタイムをマークしたが、決勝前のセッティング変更が裏目に出た格好だった。

 6位には、ペドロサ選手同様、250ccクラスからMotoGPクラスにスイッチしたケーシー・ストーナー選手(Honda LCR)が入った。ストーナー選手は、ルーキーながら、土曜のフリー走行で5番手と素晴らしい走りを見せた。予選では、予選用タイヤの性能をフルに発揮できず、15番手と厳しいグリッドにダウンしたが、決勝では、素晴らしい走りで一気にポジションアップ。予選3番手の中野真矢選手(カワサキ)の追撃を振り切って6位でMotoGP初レースを終えた。

 Hondaエンジンを搭載するKR211Vに乗るケニー・ロバーツJr.選手は、同マシンでの初レースを8位で終えた。1周目は11位。その後、玉田誠選手(KONICA MINOLTA Honda)、カルロス・チェカ選手(ヤマハ)をかわし、さらに先行するジョン・ホプキンス選手(スズキ)を追撃。ラスト3周で8位に浮上した。

 予選16番手から決勝に挑んだ玉田選手は10位までばん回した。予選では車体のセッティングに苦しんだ。決勝前のウオームアップでも新しいセッティングにトライしたが、最終的に、バイクをまとめることができなかった。しかし、決勝レースでは、序盤に8番手に浮上、その後、じりじりと後退したが、最後まで全力を尽くして10位。Honda勢すべてが、トップ10内でフィニッシュすることに成功した。

 250ccクラスは、PPスタートのホルヘ・ロレンゾ選手(アプリリア)が優勝。2位にアレックス・デ・アンジェリス選手(アプリリア)。3位には、高橋裕紀選手(Humangest Racing Team)、ヘクトール・バルベラ選手(アプリリア)との厳しい戦いを制したアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Humangest Racing Team)が入った。レースは上位2台が先行。高橋選手、ドヴィツィオーゾ選手、バルベラ選手が最終ラップまでし烈な3位争いを演じた。ラスト3周では高橋選手が3番手に浮上、初表彰台の期待の中で最終ラップを迎えるが、チームメイトのドヴィツィオーゾ選手が逆転した。ドヴィツィオーゾ選手は昨年総合3位。今年はチャンピオン獲得の期待が寄せられる。Honda Racingスカラシップ2年目の高橋選手も、予選2番手から4位と健闘。表彰台こそ逃したが、今季の活躍に期待が膨らんだ。Honda Racingスカラシップで初めてフル参戦を果たす青山周平選手(Repsol Honda Team 250)は、予選4番手からトップグループにからむも、2周目に転倒してリタイアに終わった。フル参戦デビュー戦で完走を果たせずも、これからの活躍に期待が集まる、元気あふれる走りだった。

 125ccクラスは、アルバロ・バウティスタ選手(アプリリア)が優勝。Honda勢は、ガボール・タルマクシ選手が8位。ディフェンディングチャンピオンのトーマス・ルシ選手は、惜しくも転倒リタイアに終わった。

第1戦 スペインGP
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コメント

ダニ・ペドロサ選手(MotoGP 2位)
「このような形でシーズンをスタートできて、自分でも驚いている。ウインターテストから精一杯がんばってくれたチームと、素晴らしいタイヤを提供してくれたミシュランに感謝したい。レース終盤にはタイヤがスライドしていたし、自分自身とても疲れていた。そのような状況の中、今日の結果はとても良いと思う。スタートはあまり良くはなく、順位を上げるのに時間がかかった。カピロッシはすでに逃げていたので、追いつくために最大限プッシュしたが、そのために疲れてしまった。彼はタイヤを温存していると思っていたし、優勝を狙おうとは思わなかった。レース終盤で彼はペースを上げ、僕のタイヤは少し滑り始めていた。抜ける自信がなかったので、完走することに専念した。今日の結果にはとても満足している」

ニッキー・ヘイデン選手(MotoGP 3位)
「何人かのライダーがリタイアしての3位なので素直には喜べないが、表彰台と16ポイントを獲得することができた。去年はクラッシュしているので、今日の結果は今後の弾みになるはずだ。2週間前のテストの時点では、表彰台に絡むチャンスすらないと思っていた。しかし、冬の間に頑張ってくれたチームとHondaのおかげで、我々は大きく前進することができた。また、とても良いタイヤを提供してくれたミシュランと、レプソルに感謝したい。さらなる向上を目指して、明日はここでテストをしたいと思う。今日の決勝レースでは、序盤はトップグループで走ることができたが、速いペースで走り続けることができなかった。第1コーナーでは少し膨らんでしまったし、マシンをもっと曲げやすくするために、グリップ力を向上させたい。まだ1戦終わったばかりだし、これからもっと強くなるために努力したい」

トニ・エリアス選手(MotoGP 4位)
「とても厳しいレースだったが、レース人生の中でもベストのレースだった。バレンティーノには申し訳なかった。今日は、みんな良いスタートだったし、集団で第1コーナーに進入した。中野真矢を避けようと思ったら、バレンティーノと接触してしまった。レースではこのようなことがよく起きるが、レースの後に謝罪した。今日は良いリズムを見つけることができたし、精一杯努力したのに、表彰台に立てなかったのは残念だった。それでも結果には満足している。きっとレースファンたちも今日はエンジョイしただろうし、彼らに感謝したい」

マルコ・メランドリ選手(MotoGP 5位)
「とても厳しいレースだったが、何とかポイントを獲得することができた。ウオームアップに行ったセッティング変更は、前進するどころか、少し後退してしまった。決勝レースでは良いスタートを切ることができたが、プッシュし過ぎることで、リスクは犯したくなかった。まだマシンのフロントには満足していないので、これから取り組みたいと思う。HRCは多大なサポートを提供してくれているし、明日、明後日のテストでフィーリングはきっと高まるはずだ」

ケーシー・ストーナー選手(MotoGP 6位)
「3月の合同テストに参加することができなかったので、こんなに嬉しい結果は予想していなかった。LCRチームのサポートと、その仕事に満足している。素晴らしいスタートを切ることができたし、第1コーナーのクラッシュを回避することができた。予選での問題を解決するために、レースはフロントフォークを変えて臨んだ。コーナーで膨らんでしまうことがあったので完璧とは言えなかったが、だいぶ良くなった。素晴らしい走りで2位を獲得したペドロサにおめでとうと言いたい。初めてのMotoGPレースは厳しかったが、肩のケガは問題なかった」

玉田誠選手(MotoGP 10位)
「予選の問題を解決するために、朝のウオームアップで大幅にセッティングを変更したが、良くはならなかった。昨日までと同じで、ハンドリングが重く、コーナーでフロントの接地感にも不安があった。そのために、決勝に向けて、さらにセッティングを変えてみたが、いい状態にはならなかった。今日は、42秒台で走って、最後は43秒台前半までペースは落ちた。最悪のレースだったが、その最悪の状態で最終的に10位になれたので、良しとします。明日のテストでセッティングを見直したい」

高橋裕紀選手(250cc 4位)
「スタートも良く、トップグループにからむことができたが、他の選手に比べてタイヤの滑り出しが早くて、ペースを上げることができなかった。しかし、燃料が軽くなってきてから、いいフィーリングが戻ってきた。それでペースをキープすることができた。反対に、前のグループのペースがだんだん落ちてきて、終盤になって3位争いに加わることができた。最終ラップの戦いで4位になり、本当に悔しい。でも、常に表彰台が見える位置でレースができたし、大きな自信になった。次のカタールでは表彰台を狙いたい」

青山周平選手(250cc リタイア)
「スタートは良かったのだが、2周目の高速コーナーでフロントから転んでしまった。焦っているつもりはなかったし、気がついたときには、転んでいた。結局、予選でちゃんとレースを想定した走りができなかったことが、こういう結果につながった。これが今回の反省点。次のレースには、今回の反省を生かしたい」

田中誠 Repsol Honda Team監督
「今日はエキサイティングなレースだった。2人そろって表彰台には上がれたものの、ダニはあともう一歩というところで優勝に手が届かず、悔しい思いだ。しかし、MotoGP初レースにもかかわらず、熱狂的な地元ファンの応援に完璧に応えてくれた。2位表彰台という大仕事をやってのけてくれたダニには、心から称賛の言葉を送りたい。ニッキーは、これまでのウインターテストでマシンの開発に多くの時間を費やさなければならず、十分な乗り込みができないまま開幕戦を迎えてしまった。しかし、今日は彼の持つ実力を十分に発揮し、最後までアグレッシブかつ冷静な走りで表彰台に立ってくれた。ニッキーのがんばりにも心からお礼を言いたい。まだシーズンは始まったばかりであり、やらなければことはたくさんあるが、今年は常にRepsol Honda Teamのライダーが表彰台の真ん中を競っているようなシーズンにしたい。今日は良いシーズンのスタートを切ることができた」

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決勝リザルト&ポイントランキング
【MotoGP】
順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 65 L.カピロッシ ドゥカティ B 45:57.733
2 26 ダニ・ペドロサ Honda M +4.375
3 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +9.996
4 24 トニ・エリアス Honda M +10.135
5 33 マルコ・メランドリ Honda M +19.547
6 27 ケーシー・ストーナー Honda M +21.237
7 56 中野真矢 カワサキ B +21.372
8 10 ケニー・ロバーツJr. KR211V M +32.414
9 21 J.ホプキンス スズキ B +32.659
10 6 玉田誠 Honda M +35.983
11 5 C.エドワーズ ヤマハ M +37.930
12 71 C.バーミューレン スズキ B +39.514
13 7 C.チェカ ヤマハ D +42.829
14 46 V.ロッシ ヤマハ M +1:05.766
15 66 A.ホフマン ドゥカティ D +1:23.300
16 77 J.エリソン ヤマハ D +1Lap
RT 30 J.カルドソ ドゥカティ D +14Laps
RT 17 R.デ・ピュニエ カワサキ B +21Laps
RT 15 S.ジベルノー ドゥカティ B +25Laps
【250cc】
順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 48 J.ロレンゾ アプリリア 45:57.390
2 7 A.デ・アンジェリス アプリリア +4.919
3 34 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda +8.865
4 55 高橋裕紀 Honda +8.922
5 80 H.バルベラ アプリリア +9.515
6 4 青山博一 KTM +23.622
7 15 R.ロカテッリ アプリリア +34.520
8 36 M.カルデナス Honda +50.898
9 50 S.ギュントーリ アプリリア +56.314
10 21 A.ヴァンサン Honda +1:04.082
RT 19 セバスチャン・ポルト Honda +19Laps
RT 73 青山周平 Honda +25Laps
【125cc】
順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 19 A.バウティスタ アプリリア 41:42.761
2 52 L.ペセック デルビ +3.072
3 75 M.パシーニ アプリリア +6.491
4 36 M.カリオ KTM +6.693
5 60 J.シモン KTM +6.877
6 55 H.ファウベル アプリリア +7.137
7 33 S.ガデア アプリリア +7.291
8 14 G.タルマクシ Honda +19.931
9 6 J.オリベ アプリリア +22.886
10 22 P.ニエト アプリリア +27.176

【ライダー:MotoGP】 【コンストラクター:MotoGP】
順位 ライダー コンストラクター 総合
ポイント
1 L.カピロッシ ドゥカティ 25
2 ダニ・ペドロサ Honda 20
3 ニッキー・ヘイデン Honda 16
4 トニ・エリアス Honda 13
5 マルコ・メランドリ Honda 11
6 ケーシー・ストーナー Honda 10
7 中野真矢 カワサキ 9
8 ケニー・ロバーツJr. KR211V 8
9 J.ホプキンス スズキ 7
10 玉田誠 Honda 6
ポイント一覧
順位 コンストラクター 総合
ポイント
1 ドゥカティ 25
2 Honda 20
3 カワサキ 9
4 KR211V 8
5 スズキ 7
6 ヤマハ 5
ポイント一覧
【ライダー:250cc】 【コンストラクター:250cc】
順位 ライダー コンストラクター 総合
ポイント
1 J.ロレンゾ アプリリア 25
2 A.デ・アンジェリス アプリリア 20
3 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 16
4 高橋裕紀 Honda 13
5 H.バルベラ アプリリア 11
6 青山博一 KTM 10
7 R.ロカテッリ アプリリア 9
8 M.カルデナス Honda 8
9 S.ギュントーリ アプリリア 7
10 A.ヴァンサン Honda 6
- セバスチャン・ポルト Honda 0
- 青山周平 Honda 0
ポイント一覧
順位 コンストラクター 総合
ポイント
1 アプリリア 25
2 Honda 16
3 KTM 10
ポイント一覧
【ライダー:125cc】 【コンストラクター:125cc】
順位 ライダー コンストラクター 総合
ポイント
1

A.バウティスタ

アプリリア 25
2 L.ペセック デルビ 20
3 M.パシーニ アプリリア 16
4 M.カリオ KTM 13
5 J.シモン KTM 11
6 H.ファウベル アプリリア 10
7 S.ガデア アプリリア 9
8 G.タルマクシ Honda 8
9 J.オリベ アプリリア 7
10 P.ニエト アプリリア 6
ポイント一覧
順位 コンストラクター 総合
ポイント
1 アプリリア 25
2 デルビ 20
3 KTM 13
4 Honda 8
5 ジレラ 5
6 マラグーティ 4
ポイント一覧
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