2006年シーズンの開幕戦、スペインGPが24日、ヘレス・サーキットで開幕した。シーズンを通じてもっとも観客が集まる大会で、昨年に続き、今年もこのヘレスでシーズンのスタートが切られた。この日は、朝方まで降り続いた雨の影響で、午前中の走行はウエットコンディションとなった。午後になって青空が広がり、MotoGP2回目のフリー走行、125ccクラスと250ccクラスの予選は、ドライコンディションで行われた。しかし、路面のグリップは思うように回復せず、タイムは全体的に伸びなかった。
その中で、トップタイムをマークしたのは、バレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)。2番手にロリス・カピロッシ選手(ドゥカティ)。そして3番手には、注目のルーキー、ダニ・ペドロサ選手(Repsol Honda Team)が続いた。ペドロサ選手は125ccクラス、250ccクラスで3年連続チャンピオンを獲得した。99年にHondaに乗ってスペイン人初の最高峰クラスチャンピオンになったアレックス・クリヴィーレ選手以来のチャンピオンの期待が寄せられるだけに、地元のファンの期待に応える初日となった。
以下、Honda勢は、マルコ・メランドリ選手(Fortuna Honda)6番手、ニッキー・ヘイデン選手(Repsol Honda Team)8番手。トニ・エリアス選手(Fortuna Honda)10番手。昨年250ccクラス総合2位のケーシー・ストーナー選手(Honda LCR)がMotoGP初のセッションで12番手。玉田誠選手(KONICA MINOLTA Honda)は15番手だった。Hondaエンジンを搭載するKR211Vに乗るケニー・ロバーツJr.選手(Team Roberts)は、11番手スタートとなった。
デビュー戦初日の走行を3番手で終えたペドロサ選手は、このオフのテストで、大型ルーキーの片鱗を何度も見せてきた。2週間前に行われたIRTAテストでも快調な走りを披露。この日も、地元スペインのファンの前でHonda勢トップタイムをマークして、好調をアピールした。
6番手につけたメランドリ選手は、ウエットコンディションとなった1回目のフリー走行で2番手。このセッションは様子見の走りだったが、マシンのセットアップが前進したことを感じさせていた。そして、ドライコンディションになった2回目のフリー走行では、トップから0.495秒差の6番手。シーズンオフのテストでマシンのセットアップに苦労していたが、2連勝を達成した昨シーズン終盤戦の勢いを感じさせる走りだった。
8番手のヘイデン選手は、ドライコンディションとなった2回目のフリー走行で、様々なセッティングにトライ。シーズンオフのテストで課題となっていたリアのトラクション改善と低速コーナーの旋回性の向上に取り組み、手ごたえを感じさせた。
10番手にはエリアス選手。ウエットとなった1回目のフリー走行をキャンセル。ドライコンディションになった2回目だけの走行となった。エリアス選手は今季、Hondaに移籍。マシンの乗り換えも順調に進み、難しいコンディションとなった初日の走行でトップ10入りと、まずまずのスタートとなった。
11番手には、Hondaエンジンを搭載、独自の車体でシーズンに挑むTeam Robertsのケニー・ロバーツJr.選手。12番手には、ペドロサ選手同様、250ccクラスからMotoGPクラスにスイッチしたストーナー選手。シーズンオフのテストは古傷の肩の治療に専念し、3月のバルセロナとヘレステストをキャンセルしていたが、元気な走りを見せた。
この日は、トップから1秒差以内に13台という大接戦。ウエットからドライに変わるコンディションの中でHonda勢6台が名前を連ねて、2日目の予選に期待を膨らませた。
玉田誠選手は、2週間前に行われたIRTAテストで車体のセッティングに苦戦。そのために、この日は、新しいスペックのサスペンションのテストに専念することになった。そのためにタイムを出すまでにいたらず、トップから1.255秒差の15番手。やや出遅れた印象だが、「今日のデータが2日目に生きるはず」と、ポジションアップに自信を見せた。
250ccクラスは、ヘクトール・バルベラ選手(アプリリア)が暫定PPを獲得。Honda RacingスカラーシップでGP参戦し、この大会がデビュー戦となる青山周平選手(Repsol Honda Team 250)が3番手と好調なスタートを切った。ウエットとなった午前中のフリー走行では、様子見の走りで11番手だったが、ドライになった午後の予選では一気に3番手に浮上した。5番手には昨年総合3位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Humangest Racing Team)。ウエットのフリー走行で10番手とまずまずのスタートを切った高橋裕紀選手(Humangest Racing Team)は、予選セッション終盤に転倒を喫し、惜しくも9番手。セバスチャン・ポルト選手(Repsol Honda Team 250)は15番手だった。
125ccクラスは、ルーカス・ペセック選手(デルビ)が暫定PPを獲得。Honda勢はガボール・タルマクシ選手が7番手、アレックス・エスパルガロ選手9番手。ディフェンディングチャンピオンで開幕前のテストで肩を負傷したトーマス・ルシ選手は、完全な体調にはほど遠かったが10番手と健闘。2連覇に向けてスタートを切った。 |