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レース
オーストラリア 第15戦10月16日
オーストラリアGP
グランプリ情報 1日目 予選 決勝 フォトギャラリー
リザルト ポイント
グランプリ情報
Rd. Date
01 4/10 スペインGP
02 4/17 ポルトガルGP
03 5/1 中国GP
04 5/15 フランスGP
05 6/5 イタリアGP
06 6/12 カタルニアGP
07 6/25 オランダGP
08 7/10 アメリカGP
09 7/24 イギリスGP
10 7/31 ドイツGP
11 8/28 チェコGP
12 9/18 日本GP
13 9/25 マレーシアGP
14 10/1 カタールGP
15 10/16 オーストラリアGP
16 10/23 トルコGP
17 11/6 バレンシアGP
第15戦 オーストラリアGP
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ヘイデン2戦連続の表彰台となる2位。メランドリ4位、ジベルノー5位と健闘
10月16日(日)・決勝
サーキット:フィリップアイランド・サーキット 天候:晴れ 気温:16℃ コースコンディション:ドライ 観客:4万3402(3日間:8万8961人)

 オーストラリアGP決勝は、終日青空が広がる穏やかな天候の中で行われた。MotoGPクラスは、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、ニッキー・ヘイデン選手(Repsol Honda Team)、マルコ・メランドリ選手(Team Movistar Honda MotoGP)、カルロス・チェカ選手(ドゥカティ)の4人がトップグループを形成。今季3回目のPPから好走を見せたヘイデン選手が、ロッシ選手とし烈な優勝争いを演じて2位を獲得。メランドリ選手もチェカ選手と好バトルを繰り広げ4位と健闘した。以下、セテ・ジベルノー選手(Team Movistar Honda MotoGP)5位、玉田誠選手(KONICA MINOLTA Honda Team)8位、クリス・バーミューレン選手(Camel Honda)11位とポイントを獲得した。マックス・ビアッジ選手(Repsol Honda Team)とアレックス・バロス選手(Camel Honda)は、惜しくも転倒リタイアに終わった。

第15戦 オーストラリアGP
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第15戦 オーストラリアGP
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 今年で17回目を迎えるオーストラリアGP。今年もまたフィリップアイランドでは熱狂的な地元ファンの熱い声援の中で、好バトルが繰り広げられた。優勝したのはロッシ選手で、Honda時代の3勝を含めて、オーストラリアGP5連勝を達成した。そのロッシ選手と序盤から好バトルを繰り広げたヘイデン選手は、何度も首位に立つ活躍を見せたが、最後は1秒及ばず2位となった。しかし、これでヘイデン選手は2戦連続、今季4回目の表彰台に立ち、2戦を残してメランドリ選手と同ポイントで総合2位に浮上した。

 この日のヘイデン選手は、今年の成長ぶりを遺憾なく発揮する素晴らしい走りだった。今季3回目のPPからホールショットを奪うと、ロッシ選手、チェカ選手を従えて、オープニングラップから早くもトップ集団を形成。3周目にロッシ選手にかわされて2番手にダウンするも、中盤に再び首位に立つなど、元気いっぱいの走りを見せた。最終的に約1秒及ばす2位に終わったが、粘り強い走りは、今季の成長ぶりを感じさせるものだった。

 その後方では、スタートで出遅れたメランドリ選手が素晴らしいペースで追いつき、トップ集団に加わった。そして序盤には、ヘイデン選手をかわして2番手に浮上するなど、素晴らしい走りでファンを沸かせた。中盤からは、ロッシ選手とヘイデン選手の2人にじりじりと引き離されたが、最終ラップまでチェカ選手と好バトルを繰り広げた。メランドリ選手は、最終ラップに3番手で最終コーナーを抜けたが、メーンストレートでスリップストリームを利用したチェカ選手にかわされ、僅差の4位。表彰台こそ逃したが、フィリップアイランドに集まったファンを熱狂させる熱い走りだった。

 今季12回目のフロントローとなる3番グリッドからスタートしたジベルノー選手は、序盤こそトップグループの後方につけたが、思うようにペースが上がらず、単独の5位でフィニッシュした。

 玉田選手は、中野真矢選手(カワサキ)、トニー・エリアス選手(ヤマハ)とし烈な7位争いを繰り広げた。「思うようにペースを上げられなかった」という玉田選手は、序盤こそ1分31秒台のペースで周回を重ねたが、フロントに問題が出て、次第にペースダウン。中盤は32秒台、終盤は33秒台という苦しい走りとなり、中野選手に続いて8位でフィニッシュした。2日間の予選ではまずまずの感触を得ていただけに、悔しいレースになった。

 トロイ・ベイリス選手の代役として出場したバーミューレン選手は、玉田選手らの集団の後方で、ジョン・ホプキンス選手(スズキ)とし烈な10位争いを繰り広げた。最終的にホプキンス選手に先行を許して11位に終わったが、MotoGPのデビュー戦としてはまずまずの結果だった。

 予選6番手。朝のウオームアップで素晴らしい走りを見せ、本番が期待されたビアッジ選手は、オープニングラップのヘアピンで転倒を喫してリタイア。12番グリッドからスタートしたバロス選手は、ジベルノー選手を追いながら6番手を走行していたが、ゴールまで5周を残して転倒リタイアとなった。

 250ccクラスは、予選6番手からスタートしたダニエル・ペドロサ選手(Team Telefonica Movistar Honda 250cc)がセバスチャン・ポルト選手(アプリリア)とし烈な優勝争いを繰り広げ、チェッカーフラッグ直前でポルト選手を逆転。今季7勝目を達成し、2戦を残してチャンピオンを決めた。これで250ccクラスは2年連続、125ccクラスから3年連続チャンピオンという偉業を達成した。同時にこの優勝で、Hondaはグランプリ通算600勝を達成した。優勝、チャンピオン、600勝を達成したペドロサ選手は、600勝記念の扇子を持って表彰台に立ち、ファンを喜ばせた。2位にはポルト選手。3位のホルへ・ロレンゾ選手(Team Fortuna Honda)は、2戦連続、今季5回目の表彰台を獲得。ヘクトール・バルベラ選手(Team Fortuna Honda)は今季最高位の4位でフィニッシュ。そのバルベラ選手とし烈な戦いを繰り広げたアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Team Scot)が5位となり、青山博一選手(Team Telefonica Movistar Honda 250cc)が6位とHonda勢が続いた。高橋裕紀選手(Team Scot)は序盤にコースアウト。その後、レースに復帰するが、惜しくもリタイアとなった。

 125ccクラスは、今季4回目のPPからスタートしたトーマス・ルシ選手(Honda)が、独走で今季4勝目。ポイントでも再び首位に立ち、2位に12点差をつけて次戦トルコGPに挑むこととなった。2位には7台の混戦を制した小山知良選手(Honda)が入り、GP初表彰台を獲得。葛原稔永選手は21位に終わった。

第15戦 オーストラリアGP
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コメント

ニッキー・ヘイデン選手(MotoGP 2位)
「タフなレースだったが、とても楽しいレースだった。バレンティーノ(ロッシ選手)の後ろを走ることになったが、かなりいいペースで走っていてとても気持ちよかった。バレンティーノは何度かペースを上げたが、遅れないようについていった。そのうち、マルコ(メランドリ選手)に追いつかれて、マルコとからんでいるうちにバレンティーノにアドバンテージを与えてしまった。もう数ラップしか周回がなくて、追いつくことができなかった。勝つことはできなかったが、今日はいいバイクに仕上げてくれたチームに感謝している。残り2戦で、もう1勝はしたいと思っている」

マルコ・メランドリ選手(MotoGP 4位)
「本当に素晴らしいレースだった。最後まで全力で走ったし、表彰台に立てると思っていた。それだけに残念だった。チェカを抑えられると思ったが、最後にスリップストリームを使われた。表彰台には立てなかったが、今日のレースには満足している。チームがいい仕事をしてくれたし、僕も全力を尽くした。ニッキー(ヘイデン選手)と同ポイントになったので、2位になるために、残り2戦を頑張りたい」

セテ・ジベルノー選手(MotoGP 5位)
「今週はずっと問題を抱えていて、それを最後まで解消できなかった。今朝のウオームアップで一歩前進したと思ったが、レースではまた問題が出てきてしまった。スライドが激しくて、これ以上ポジションを上げることができなかった」

玉田誠選手(MotoGP 8位)
「スタートして序盤にトップグループに離された。それからは31秒台のペースで走れたのだが、徐々にフロントに問題が出て、32秒台、33秒台とペースを落とした。特に左の高速コーナーで問題が出て、最終コーナーなど、タイムに影響してしまった。フラストレーションがたまるレースだった」

クリス・バーミューレン選手(MotoGP 11位)
「いいレースだった。ベストを尽くすことができたと思う。自分としてはトップ10でフィニッシュしたかったが、混戦に巻き込まれて慎重に走らなければならなかった。それでもジャック、シャウス、ホプキンスを抜くことができた。今日はタイヤの使い方など、いろいろ勉強になった。GPはレース距離も長く、終盤の5周は今まで経験したことがないものだった。そのためにホプキンスに終盤、抜き返されてしまった。いい経験ができた。次のレースに向けて、本当にいい勉強になった」

マックス・ビアッジ選手(MotoGP リタイア)
「言葉にできないくらいがっかりした。こんなに早くピットに戻って、レースをテレビで見ることになるなんて思っていなかった。おそらく、トップグループでレースができたと思うと、とても辛い一日になった。スタートして4コーナーでリアのグリップを失った。次の瞬間、マシンは横を向いていた。本当に言葉もない」

アレックス・バロス選手(MotoGP リタイア)
「転倒した際にわきを強く打って痛かったので、今は痛み止めを飲んでいる。今日は調子が良くて、自分のペースで攻めすぎないように走っていた。しかし、フロントがスライドし、あっという間に転んでいた。いまは安静にしている」

田中誠 Repsol Honda Team監督
「ニッキー(ヘイデン選手)がPPを取り、決勝前のウオームアップではマックス(ビアッジ選手)が素晴らしい走りをして、今回はいい意味でピットにも緊張感があった。それだけに、序盤にマックスが転んでしまい、残念だった。ニッキーは優勝こそ逃したが、混戦の中でポジションを落としてもしっかりと上がってこれるようになった。今年の成長ぶりをあらためて感じさせてくれた。マルコ(メランドリ選手)は、最終ラップでチェカに抜かれて表彰台を逃したが、ニッキーとともに、若い2人が今回もいい走りを見せてくれた。来年につながるレースだった。今日は125、250で勝ち、Honda600勝を達成することができた。勝ってチャンピオンを決め、600勝という節目の勝利を飾ったペドロサのしぶとい勝ち方は、本当に素晴らしいものだった」

ダニエル・ペドロサ選手(250cc 優勝)
「今日は僕らにとって、素晴らしい日になった。優勝しただけでなく、タイトルもとることができた。フィリップアイランドで優勝できたのは、僕にとって特別な意味があり、満足している。ほとんどの人は僕が優勝するとは思っていなかっただろうし、ストーナーが転倒するとも思っていなかったと思う。ポルトの後ろで安定して走ることができたし、間隔をキープすることができた。最後の方で僕のマシンが左右にスライドしているのをチームが見て、今のポジションでOKだというサインを出してくれた。僕のバイクも速かったが、ポルトのバイクもすごく速かったので、最終ラップのストレートでスリップストリームをつかってポルトを抜こうと思った。抜くことができれば最高だし、そうでなくても2位になれる。最終ラップの最終コーナーは、慎重に間隔をキープしようと思っていたのに、予定していたよりも早い時点で追いついてしまい、スリップから抜けていかなければならなくなった。今回、初めてスリップストリームから抜けてみたが、思ったよりも伸びなかった。それでも、ラッキーなことにわずかの差で勝つことができた。ハードワークをしてくれたチーム、サポートしてくれた人たちや、ファンのみんなに感謝したい。みんながこの結果を望んでいたはずだからね」

青山博一選手(250cc 6位)
「最初にチャンピオンをとったダニエル(ペドロサ選手)におめでとうを言いたい。今日のレースは、初日から抱えていた低速コーナーの問題を解決できず、思ったようにペースを上げることができなかった。高速コーナーではアドバンテージがあったし、それだけに悔しいレースだった。最終ラップにバルベラとドヴィツィオーゾに抜かれた。これは完全に自分の作戦ミス。スリップに入るタイミングを失敗してしまった。4位になれたレースだったし、本当に残念だった」

高橋裕紀選手(250cc リタイア)
「5周目の2コーナーの進入で、前のバイクにぶつかりそうになり、コースアウトしてしまった。それで最下位までポジションを落とし、最終的にリタイアを決めた。今回はスタートグリッドにつくときに、他のグリッドのプレートが見えなくて、それに乗り上げて転んでしまった。それでハンドルとブレーキレバーを曲げてしまい、スタート進行の間に直したのだが、ちゃんと直すことはできなかった。ハンドルが曲がり、しっくりこないままレースになった。それで焦ってしまい、ライディングのリズムも狂ってしまった。ランキング一桁の可能性もあったし、大事な3戦だった。その最初のレースでノーポイントに終わり、本当に悔しかった」

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決勝リザルト&ポイントランキング
MotoGP
順位 No. ライダー マシン タイヤ タイム/差
1 46 V.ロッシ ヤマハ M 41:08.542
2 69 ニッキー・ヘイデン Honda M +1.007
3 7 C.チェカ ドゥカティ B +4.215
4 33 マルコ・メランドリ Honda M +4.232
5 15 セテ・ジベルノー Honda M +14.088
6 5 C.エドワーズ ヤマハ M +33.200
7 56 中野真矢 カワサキ B +45.055
8 6 玉田誠 Honda M +45.103
9 24 T.エリアス ヤマハ M +45.104
10 21 J.ホプキンス スズキ B +50.260
11 17 クリス・バーミューレン Honda M +50.697
12 11 R.シャウス ヤマハ M +1:08.324
13 44 R.ロルフォ ドゥカティ D +1:31.737
14 77 J.エリソン バラタ D +1Lap
15 27 F.バッタイーニ バラタ D +1Lap
16 19 O.ジャック カワサキ B +2Laps
RT 4 アレックス・バロス Honda M +5Laps
RT 3 マックス・ビアッジ Honda M DNF
250cc
順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 1 ダニエル・ペドロサ Honda 39:18.195
2 19 S.ポルト アプリリア +0.027
3 48 ホルへ・ロレンゾ Honda +8.674
4 80 ヘクトール・バルベラ Honda +24.838
5 34 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda +24.868
6 73 青山博一 Honda +24.872
7 7 R.デ・ピュニエ アプリリア +37.274
8 15 R.ロカテッリ アプリリア +47.013
9 6 A.デボン Honda +56.602
10 50 S.ギュントーリ アプリリア +56.747
RT 55 高橋裕紀 Honda +15Laps
125cc
順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 12 T.ルシ Honda 38:00.352
2 71 小山知良 Honda +2.663
3 58 M.シモンセリ アプリリア +2.665
4 75 M.パシーニ アプリリア +2.673
5 36 M.カリオ KTM +2.860
6 55 H.ファウベル アプリリア +2.945
7 14 G.タルマクシ KTM +2.950
8 47 A.ロドリゲス アプリリア +3.386
9 33 S.ガデア アプリリア +10.546
10 7 A.マスボー Honda +10.551
ライダー:MotoGP
順位 ライダー コンストラクター 総合
ポイント
1 V.ロッシ ヤマハ 331
2 ニッキー・ヘイデン Honda 170
3 マルコ・メランドリ Honda 170
4 C.エドワーズ ヤマハ 162
5 マックス・ビアッジ Honda 159
6 L.カピロッシ ドゥカティ 148
7 セテ・ジベルノー Honda 137
8 アレックス・バロス Honda 129
9 C.チェカ ドゥカティ 114
10 中野真矢 カワサキ 87
11 玉田誠 Honda 76
15 トロイ・ベイリス Honda 54
20 ユルゲン・ファンデン・グールベルグ Honda 12
23 シェーン・バーン Honda 6
24 クリス・バーミューレン Honda 5
  コンストラクター:MotoGP
順位 コンストラクター 総合
ポイント
1 ヤマハ 345
2 Honda 291
3 ドゥカティ 178
4 カワサキ 115
5 スズキ 96
6 バラタ 13
7 プロトンKR 1
8 モリワキ 1
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ライダー:250cc
順位 ライダー コンストラクター 総合
ポイント
1 ダニエル・ペドロサ Honda 264
2 C.ストーナー アプリリア 213
3 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 171
4 青山博一 Honda 154
5 S.ポルト アプリリア 152
6 ホルへ・ロレンゾ Honda 134
7 R.デ・ピュニエ アプリリア 130
8 A.デ・アンジェリス アプリリア 129
9 ヘクトール・バルベラ Honda 99
10 S.ギュントーリ アプリリア 75
11 高橋裕紀 Honda 68
  コンストラクター:250cc
順位 コンストラクター 総合
ポイント
1 Honda 304
2 アプリリア 298
3 KTM 30
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ライダー:125cc
順位 ライダー コンストラクター 総合
ポイント
1 T.ルシ Honda 224
2 M.カリオ KTM 212
3 G.タルマクシ KTM 165
4 M.シモンセリ アプリリア 156
5 M.パシーニ アプリリア 147
6 F.ライ Honda 123
7 J.シモン KTM 115
8 M.ポジャーリ ジレラ 102
9 H.ファウベル アプリリア 100
10 小山知良 Honda 93
  コンストラクター:125cc
順位 コンストラクター 総合
ポイント
1 KTM 294
2 Honda 269
3 アプリリア 260
4 ジレラ 102
5 デルビ 64
6 マラグーティ 3
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