オーストラリアGPの2日目は、3回目のフリー走行と予選が行われ、ニッキー・ヘイデン選手(Repsol Honda Team)がサーキットベストタイムを更新する素晴らしいタイムで今季3回目のPPを獲得。2番手にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)。3番手に昨年のポールシッター、セテ・ジベルノー選手(Team Movistar Honda MotoGP)と、フロントローに2台のHondaが並んだ。
以下、Honda勢は、6番手にマックス・ビアッジ選手(Repsol Honda Team)。8番手にマルコ・メランドリ選手(Team Movistar Honda MotoGP)、9番手に玉田誠選手(KONICA MINOLTA Honda Team)。12番手にアレックス・バロス選手(Camel Honda)、トロイ・ベイリス選手(Camel Honda)の代役として出場のクリス・バーミューレン選手(Camel Honda)は14番手から決勝に挑むことになった。
オーストラリアGP予選2日目は、終日、青空の広がる穏やかな天候の中で行われた。気温は、午前中のフリー走行が15℃、午後の予選が17℃と、やや低めだったが、フィリップアイランド特有の強風もなく、PPのヘイデン選手から7番手までが、昨年のサーキットベストタイムを更新する好タイムの応酬となった。
その中でも、この日、もっとも素晴らしい走りを見せたのがヘイデン選手だった。予選用タイヤを3本使ってのアタックでは、すべてのアタックでベストタイムを更新。これまでのサーキットベストタイムを約0.7秒短縮するスーパーラップを刻んで、今季3回目のポールポジションを獲得。第8戦アメリカGP以来、今季2勝目の期待が膨らんだ。
3番手にはジベルノー選手がつけた。フリー走行では、決勝に向けてのセッティングに専念して4番手。午後の予選では、昨年、PPを獲得した自己ベストを上回る好タイムをマークして3番手につけた。これでジベルノー選手は、今季12回目のフロントロースタート。今年は、ここまで優勝がないだけに、今季初優勝に向けて好グリッドを獲得した。
2列目6番手にはビアッジ選手が入った。今年は予選用タイヤのアタックに苦戦。予選では、中段グリッドに埋もれることが多かった。今回も、決してベストな走りとはいえないが、2列目6番手をキープ。レース用セットでは、十分にトップグループに絡めるだけのアベレージで走行していただけに、ヘイデン選手、ジベルノー選手とともに本番への期待が膨らんだ。
8番手にはメランドリ選手。決勝をにらんだ3回のフリー走行では5番手。今大会は、一発のタイムより、決勝に向けて重点的に走り込んだが、完全な状態にすることはできなかった。しかし、終盤戦に入って上り調子のメランドリ選手だけに、本番での好走に注目が集まっている。
玉田選手は9番手。過去2戦は、予選、決勝ともに不完全燃焼となったが、今回は、初日のフリー走行から着実にタイムを縮め、予選では9番手まで浮上した。玉田選手は、開幕前のフィリップアイランドテストで大転倒を喫している。そのために初日は慎重なスタートだった。しかし、2日目は周回を重ねるごとにタイムを縮め、調子を取り戻すことに成功していた。「2日間4回のセッションで、最後の予選セッションが一番アベレージのいい走りができた。一発のタイムはまだ出せていないが、かなりフィーリングはいい。スタートが良ければ、十分にトップグループについていけそうな感じだ」と、過去2戦の低迷から脱出する走りに、表情は明るかった。
12番手にはバロス選手。フリー走行では7番手とまずまずの走りだったが、予選ではアタックのタイミングを逃した。厳しいグリッドだが、好スタートを切って上位に食い込む意気込みだ。そして14番手には、ベイリス選手の代役でMotoGP初体験となるバーミューレン選手が入った。バーミューレン選手は、MotoGPマシンに乗るのも、予選用タイヤでアタックするのも今大会が初めての経験となったが、14番手と健闘。決勝に向けて期待が膨らむだけに、地元ファンも大喜びだった。
250ccクラスは、ケイシー・ストーナー選手(アプリリア)がPPを獲得。Honda勢は、ホルへ・ロレンゾ選手(Team Fortuna Honda)が僅差で2番手。以下、ヘクトール・バルベラ選手(Team Fortuna Honda)5番手、ダニエル・ペドロサ選手(Team Telefonica Movistar Honda 250cc)6番手、アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Team Scot)7番手、8番手に青山博一選手(Team Telefonica Movistar Honda 250cc)と続いた。2番手につけたロレンゾ選手は、今季11回目のフロントロースタート。この日は、セッション終盤に転倒を喫したが、十分に優勝を狙える走りを披露して期待が集まった。8番手の青山選手は、低速コーナーの走りに苦戦したが、2列目をキープ。決勝ではトップグループに加わる意気込みだ。フィリップアイランド初体験の高橋裕紀選手(Team Scot)も11番手と健闘。決勝でのポジションアップに期待をつないだ。
125ccクラスは、トーマス・ルシ選手(Honda)が今季4回目のPPを獲得。前戦カタールGPでミカ・カリオ選手(KTM)に抜かれ総合2位となったが、首位奪還に向けて絶好のグリッドを得た。フィリップアイランド初走行の小山知良選手(Honda)は6番手と好走を見せた。葛原稔永選手(Honda)は26番手だった。
Hondaは、グランプリ通算600勝に、あと2勝と迫っている。今大会は、3クラスともにHonda勢が好調なだけに、600勝達成の期待が膨らんでいる。
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