シーズン終盤の3連戦最後の戦いとなるカタールGPが、29日、ドーハ郊外のロサイルで開幕した。日本GP、マレーシアGPに続く3連戦最後のレース。今大会は土曜日が決勝レースとなるために、前戦マレーシアGPからわずか中3日間のインターバルでの開幕となった。
休む暇もなく、マレーシアからカタールへ移動してきた選手たちは、この初日、40℃まで上がった灼熱の中で、元気いっぱいの走りを見せた。その中で、開幕前のロサイル・テストで好調だったニッキー・ヘイデン選手(Repsol
Honda Team)が、本番でも好調なスタートを切る。午前中1回目の走行でトップタイムをマーク。午後2回目は3番手にダウンするも、何度も首位に立つ好走で初日を終えた。以下、7番手にマルコ・メランドリ選手(Team
Movistar Honda MotoGP)。9番手にマックス・ビアッジ選手(Repsol
Honda Team)。10番手にアレックス・バロス選手(Camel
Honda)。12番手セテ・ジベルノー選手(Team Movistar
Honda MotoGP)、14番手玉田誠選手(KONICA
MINOLTA Honda Team)、前戦マレーシアGPに続き、トロイ・ベイリス選手(Camel
Honda)の代役出場のシェーン・バーン選手は17番手。この日のトップはバレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)だった。
今年で2回目の開催となるカタールGP。もっとも暑いといわれる、7月、8月は50℃を超える。9月になって、やや涼しくなるが、それでも連日40℃を超える猛暑となる。初めて開催された昨年の大会では、40℃を超えるコンディションに選手たちは驚いた。今年も、シーズンを通じてもっとも暑い大会になることは確実。前戦マレーシアGPをしのぐ暑さとの戦いになるが、昨年に比べて路面のコンディションも良く、初日から好タイムが続出した。
1回目の走行は、今年も汚れた路面との戦いだった。一年に一回のビッグイベント。ロサイルは、砂漠の真ん中に造られたサーキットだけに、セッションが進むごとにベストライン上のグリップが向上する。この日も1回目から2回目にかけて、ほとんどの選手が2秒から4秒もの大幅なタイム短縮を果たした。
この日、3番手につけたヘイデン選手は、1回目の走行でトップに立つと、大幅にグリップが上がった2回目の走行でも、順調にタイムを短縮した。セッション中には何度もトップに立った。最後の周回に、ロッシ選手とトニー・エリアス選手(ヤマハ)がタイムを上げてヘイデン選手をしのぐが、2日目の予選、決勝に向けて順調なスタートとなった。
7番手のメランドリ選手は、日本GPでの右足のケガが、依然として完治していない状態。前戦マレーシアGPに続き、灼熱のカタールは、完治していない傷口を敏感にさせ、苦しい一日となった。それでも、1回目の走行では、3番手とまずまずのスタートを切った。2回目の走行では約2秒タイムを短縮して7番手。開幕前のロサイル・テストで素晴らしい走りを見せているメランドリ選手だけに、2日目、決勝でのばん回に期待が膨らんだ。
ビアッジ選手は9番手。「この数戦、ほとんど進歩できずにいる。トップとラップタイムが0.2秒差だったら少しの調整で修正できるが、今は1秒も違う」とフラストレーションの溜まる一日。10番手のバロス選手は、フロントのセッティングが思うように進まず、苦しいスタートとなった。そして昨年の優勝者ジベルノー選手は、1回目の走行で2番手と好調なスタートを切るが、2回目の走行では、1秒しかタイムを短縮できず、12番手に終わった。ベイリス選手の代役で、マレーシアGPから2戦目となるバーン選手は17番手だった。
玉田選手も、苦悩したひとりだった。開幕前のロサイル・テストでは、1分56秒台という驚異的なタイムをマークして好調をアピールした。しかし、この日のベストタイムは2分0秒台。好調だった半年前の走りに遠く及ばない厳しい状況だった。「前回のマレーシアGPと、ほとんど同じ状態だった。ブレーキングも、コーナーリングも、まったく接地感がない状態で、コーナーでフルバンクできなかった。いくら初日はグリップが悪いといっても、イライラする一日だった」と、前戦マレーシアGPに続く不調に、苦悩の色を濃くしていた。
250ccクラスは、ホルへ・ロレンゾ選手(Team Fortuna
Honda)が暫定PPを獲得した。2戦前の日本GPの接触事故で、ロレンゾ選手は前戦マレーシアGPを出場停止になっていた。その悔しさを晴らす、初日の快走だった。2番手には、タイトル獲得に向けて着々と前進しているダニエル・ペドロサ選手(Team
Telefonica Movistar Honda 250cc)。前戦マレーシアGPで今季初の転倒リタイアを喫しているだけに、今大会は気合満点のスタートとなった。以下、Honda勢は、ヘクトール・バルベラ選手(Team
Fortuna Honda)6番手、アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Team
Scot)8番手、午前中のフリー走行で2番手と好スタートを切った青山博一選手(Team
Telefonica Movistar Honda 250cc)は、予選では思うようにタイムを伸ばせず悔しい9番手、初めてロサイルを走る高橋裕紀選手(Team
Scot)は、コースの慣熟走行に徹して13番手だった。
125ccクラスは、マルコ・シモンセリ選手(アプリリア)が暫定PP。Honda勢は、ファブリツィオ・ライ選手が4番手。総合ポイントで首位に立つトーマス・ルシ選手が11番手。初めてロサイルを走る小山知良選手は13番手。葛原稔永選手は32番手だった。 |