シーズン終盤の3連戦。その2戦目となる第13戦マレーシアGPが23日、クアラルンプール郊外のセパンで開幕した。前戦日本GPからわずか4日間のインターバル。日本からマレーシアへ移動してきた選手たちは、疲れた表情を見せることなく、初日のセッションに挑んだ。
この日は、MotoGPクラスが2回のフリー走行、125ccと250ccクラスはフリー走行と予選1回目が行われた。午前中はドライコンディション、午後はスコールのためにウエットコンディションとなった。その中で、セテ・ジベルノー選手(Team
Movistar Honda MotoGP)が快調な走りを見せてトップタイム。以下、ケニー・ロバーツ選手(スズキ)、ロリス・カピロッシ選手(ドゥカティ)、バレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)と続いた。Honda勢では、アレックス・バロス選手(Camel
Honda)が5番手、玉田誠選手(KONICA MINOLTA
Honda Team)は8番手、マックス・ビアッジ選手(Repsol
Honda Team)は10番手、ニッキー・ヘイデン選手(Repsol
Honda Team)は11番手だった。前戦日本GPで負傷したマルコ・メランドリ選手(Team
Movistar Honda MotoGP)は、痛みをおして出場し、14番手と健闘。右手負傷で欠場しているトロイ・ベイリス選手(Camel
Honda)の代役として出場のシェーン・バーン選手は、初めて乗るHonda
RC211Vで完熟走行を行い、18番手だった。
マレーシアGPは、今年で15回目(セパンで行われるのは7回目)。熱帯という気候のために、シーズンオフはもっともテストが行われるサーキットとして定着した。そのために初日からレベルの高い戦いとなり、今年も1回目のフリー走行から好タイムが続出した。
午前中に行われたフリー走行1回目は、気温31℃。やや雲の多い天候だったが、熱帯特有の湿った暑さの中で走行が開始された。このセッションでトップタイムをマークしたのは、ジベルノー選手だった。ウィンターテストのデータをベースに、快調にラップを刻んだ。スコールのためにウエットとなった午後2回目のフリー走行では13番手だったが、ウエットからドライへと変化していくコンディションの中で、フルウエットでもトップタイムをマークして好調をアピールした。
バロス選手も、この日は好調な走りを見せた。1回目の走行では、ジベルノーからわずか0.325秒差の5番手。午後の走行でも、ウエットからドライへと変化していく路面に的確に対応して2番手タイムをマーク。今大会の活躍に期待が集まった。
8番手につけた玉田選手も好調だ。前戦日本GPでは今季初の表彰台となる3位を獲得した。本来の走りを取り戻しつつある玉田選手は、1回目の走行から積極的な走りを見せた。セッション中盤には、「タイムの遅いセクションを攻略するために、積極的にペースを上げたのだが、フロントから転んでしまった。怪我がなくて良かった」と周囲をヒヤッとさせる転倒シーンもあったが、今大会の活躍を期待させる出だしとなった。ウエットからドライになっていく微妙なコンディションとなった午後のセッションでも、「フィーリングはいい」と走り慣れたサーキットで、上り調子を感じさせていた。
10番手のビアッジ選手、11番手のヘイデン選手は、この日やや精彩を欠いた。ビアッジ選手は、フロントのセッティングが決まらず、マシンセッティングに時間を割いた。しかし、午後の走行がウエットコンディションとなったために、2日目に課題を持ち越すことになった。ヘイデン選手も車体のセッティングに時間を割いたが、午後の走行がウエットコンディションになったことで、大きく前進することができなかった。
前戦の日本GPで右足を負傷したメランドリ選手は、今大会の出場が危ぶまれた。この日は、傷口の状態を確認しながらの走行となったが、「傷口が開く心配はなかった。なんとかレースに出場できそうだ」と安堵の表情を浮かべた。負傷欠場のベイリス選手の代役として出場することになったバーン選手は18番手。この日がHonda RC211V初ライドとなった。マシンに慣れることが最大の目標となったが、エンジンパワーに圧倒された。「アクセルを開けたときの反応は驚異的。午後の雨が本当に残念。明日はドライでもっとバイクに慣れたい」とHonda RC211Vのハイパワーぶりに驚きの表情だった。
250ccクラスは、午前中のフリー走行はドライコンディションだったが、午後の予選はウエットからドライへと変わる難しいコンディションとなった。暫定PPを獲得したのは、アレックス・デ・アンジェリス選手(アプリリア)。Honda勢は、2番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Team Scot)、5番手には前戦日本GPで優勝した青山博一選手(Team Telefonica Movistar Honda 250cc)、7番手ダニエル・ペドロサ選手(Team Telefonica Movistar Honda 250cc)、8番手アレックス・デボン選手と続いた。ヘクトール・バルベラ選手(Team Fortuna Honda)は13番手。セパン初走行となる高橋裕紀選手(Team Scot)は、初めてのコースに加え、難しいコンディションのために20番手と苦しいスタートとなった。
125ccクラスでは、フリー走行はドライ、午後の予選はスコールのためにセッション終盤にウエットとなった。暫定PPは、マイク・ディ・ミリオ選手(Honda)。3番手に小山知良選手、5番手にファブリツィオ・ライ選手、6番手にトーマス・ルシ選手と、Honda勢が上位につけた。 |