第6戦カタルニアGPが、10日、バルセロナ郊外のカタルニア・サーキットで開幕した。この数年、恒例となったイタリアGPからの2週連続の開催は、シーズンを通じてもっとも盛り上がる連戦となっている。それだけに選手たちは、連戦の疲れも感じさせない気合の入った走りを見せた。
スタンドには、金曜日から多くのファンが詰めかけた。MotoGPクラスのセテ・ジベルノー選手(Team Movistar Honda MotoGP)、250ccクラスで総合首位のダニエル・ペドロサ選手(Team
Telefonica Movistar Honda 250cc)、そして前戦初表彰台のホルへ・ロレンゾ選手(Team Fortuna Honda)など、地元スペイン人選手を応援する垂れ幕も多く、今大会の盛り上がりを早くも予感させた。
天気予報もおおむね良好。雨の心配もなく、決勝日の日曜日に向けて気温が上がることが予想されている。前売りチケットの売れ行きも過去最高とのこと。今年のカタルニアGPは大観衆と一体となった熱い戦いが繰り広げられそうだ。
カタルニア・サーキットは、1989年に着工されて91年に完成。この年の9月にF1グランプリが開催された。MotoGPは、翌92年、バルセロナオリンピックが開催された後の9月に、ヨーロッパGPとして行われた。94年までヨーロッパGP、95年からはカタルニアGPとして開催されて、今年で通算14回目を迎える。
カタルニア・サーキットは、全長4.727kmのハイスピードコース。レイアウトはシンプルだが、複合コーナーが多く、難しいサーキットのひとつ。しかし、各チームともにテスト量が豊富なサーキットだけに、初日からレベルの高い走りが繰り広げられた。注目のフリー走行1日目は、マルコ・メランドリ選手(Team
Movistar Honda MotoGP)がトップタイムをマーク、玉田誠選手(KONICA MINOLTA Honda Team)が復帰2戦目にして素晴らしい走りを見せて2番手、ニッキー・ヘイデン選手(Repsol
Honda Team)4番手と、Honda勢の若手が、初日から元気ある走りを見せた。
メランドリ選手は、今季Hondaに乗り換えて開幕戦で表彰台に立った。そして前戦まで常に優勝争いに加わる快走で、現在総合2位。メランドリ選手は、シーズン開幕前に行ったテストのマシンセッティングで走行を開始。順調にセットアップを進めて首位に立った。前戦では惜しくも表彰台を逃す4位。今大会はその雪辱に燃えているだけに、初優勝の期待も膨らむ。
玉田選手は、午前のフリー走行こそ15番手とスロースタートだったが、「このセッションで2台のバイクを乗り比べた。セッティングの方向性が見えたので、午後にそれを試してみる。フィーリングはいい。タイムとポジションほどは悪くない。今回はいい走りができそうだ」と語っていたが、その言葉どおり、2回目の走行では約1秒半もの大幅なタイム短縮に成功して、一気に2番手に浮上した。これまでカタルニアは好きなコースと語っていたが、デビューしてから過去2年は思うような結果を残すことができなかった。しかし、今年は初日から本領を発揮。今季初表彰台、初優勝も期待される。
3番手にはコーリン・エドワーズ選手(ヤマハ)。ヘイデン選手は、1回目の走行で4番手、2回目の走行でもコンスタントにいいタイムを刻んで4番手をキープ、まずまずのスタートを切った。
7番手には、バルセロナを拠点とするアレックス・バロス選手(Camel Honda)。9番手には、地元GPで今季初優勝に向けて気合満点のジベルノー選手が入り、地元ファンの声援の中で集中した走りを見せた。この2人は、路面温度の上がった2回目にタイムを更新できなかった。バロス選手は午前と午後の路面温度の変化にやや戸惑いを見せた。ジベルノー選手はコーナリングのセッティングに重点を置いたが、2日目に向けて着実に前進した。
前戦、今季最高位の2位でフィニッシュしたマックス・ビアッジ選手(Repsol Honda Team)は10番手。2回目の走行開始直後にコースアウト、軽い転倒を喫したが、カタルニアはもっとも得意とするサーキットだけに、2日目にばん回を期した。トロイ・ベイリス選手(Camel
Honda)は12番手。トップからベイリス選手まで1秒1差という相変わらずの大接戦だった。
250ccクラスは、ロレンゾ選手が暫定PPを獲得した。前戦で今季初の表彰台に立ち、勢いに乗るロレンゾ選手は、地元カタルニアで素晴らしいスタートを切った。以下、ランディ・デ・ピュニエ選手、アレックス・デ・アンジェリス選手、セバスチャン・ポルト選手とアプリリア勢が続き、5番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Team
Scot)、6番手に青山博一選手(Team Telefonica Movistar Honda 250cc)、地元の声援を一身に受けるペドロサ選手は8番手。ヘクトール・バルベラ選手(Team
Fortuna Honda)9番手と、接戦の中で、5台のHonda勢がトップ10につけた。高橋裕紀選手(Team Scot)は、予選開始直後に転倒を喫し、悔しい23番手に終わった。
125ccクラスは、マティア・パシーニ選手(アプリリア)が暫定PP。Honda勢では、開幕前のテストでカタルニアを走行しているルーキー小山知良選手が4番手と健闘。初めて走ったイタリアGPでも表彰台にあと一歩に迫る5位と好走を見せているだけに、昇り調子をアピールした。総合首位のトーマス・ルシ選手は9番手。葛原稔永選手13番手だった。
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