第4戦フランスGPが、15日、ル・マンで開幕した。ヨーロッパラウンドから中国へ。そして、再びグランプリはヨーロッパへと舞台を移した。フランスGPは、今年で42回目。ル・マンで行われるのは17回目となるが、2000年にル・マンのグランプリが復活して、今年で6年目を迎える。
ル・マンは、今年も5月の開催となった。この時期は雨が多く、2002年は雨の中断でレースが成立。2003年は雨のために2ヒート制になった。昨年はドライで行われたが、ル・マンは雨の多いサーキットとして関係者に記憶された。
このサーキットで過去2年、ル・マンを制しているのはセテ・ジベルノー選手(Team Movistar Honda MotoGP)だ。一昨年は雨の中断で2ヒート制となる難しいレースだったが、見事に優勝した。ドライコンディションの昨年もポール・トゥ・ウィン。こうして、雨でもドライでも速いジベルノー選手に、3年連続優勝の期待が集まることになった。そして、第2戦ポルトガルGPの予選で右手を負傷した玉田誠選手(KONICA
MINOLTA Honda Team)も今大会から復帰と、Honda勢のレギュラー組が2戦ぶりに顔を揃えることになった。
予選1日目、1回目のフリー走行では、朝方まで降っていた雨の影響で、ところどころウエットパッチが残る難しいコンディションとなった。この中でトップタイムをマークしたのはコーリン・エドワーズ選手(ヤマハ)。Honda勢は、路面コンディションを探りながら、慎重なスタートとなった。路面がほぼ乾いた後半、ペースを上げたジベルノー選手が2番手、アレックス・バロス選手(Camel
Honda)が3番手に浮上した。その他のHonda勢は、マックス・ビアッジ選手(Repsol Honda Team)7番手、ニッキー・ヘイデン選手(Repsol
Honda Team)9番手、マルコ・メランドリ選手(Team Movistar Honda MotoGP)12番手、トロイ・ベイリス選手(Camel
Honda)14番手と、難しいコンディションの中で様子見の走りとなったが、まずまずの内容で午後2回目のセッションに挑むことになった。
午後になっても、ル・マンは依然として厚い雲に覆われた。そして、2回目のフリー走行はドライコンディションで始まったが、セッション中盤過ぎに雨となり、選手たちにとっては不完全燃焼の1日となった。しかし、このセッションで快調にラップを刻んだのはバロス選手だった。第2戦ポルトガルGPで優勝。前戦中国GPでは、ジャンプスタートのために優勝争いから脱落したが、ファステストラップを刻んで好調をアピールしたバロス選手。このセッションでも、ドライでは1分34秒台のラップを正確に刻んでトップタイムをマーク。ウエットでも素晴らしい走りでライバルを圧倒するなど、ドライ&ウエットで完璧な走りを披露した。
ジベルノー選手は、バロス選手にわずか0.119秒届かず2番手。しかし、バロス選手とともに、ドライでは1分34秒台のラップタイムを正確に刻んで好調をアピール。ウエットでは、アベレージタイムでバロス選手にやや遅れを取ったが、バロス選手とともにずば抜けた速さを見せつけた。ジベルノー選手は、開幕戦スペインGPではトップを走るもロッシ選手との接触で痛恨の2番手。第2戦ポルトガルGPではトップを快走も、強く降り始めた雨のために転倒してリタイア。第3戦中国GPでは、後半ペースを落とし4位と悔しいレースが続いているだけに、今季初優勝とフランス3連勝に向けて絶好のスタートを切った。
1回目の走行で7番手だったビアッジ選手は、2回目のセッションで順調にタイムを縮めて3番手に浮上。2001年以来のフランスGP制覇に向けて大きなステップを刻んだ。3戦を終えて2回の表彰台に立ち、好調なメランドリ選手も、1回目12番手から、2回目に7番手に浮上。ともに2日目のさらなる飛躍に期待が集まった。ヘイデン選手は10番手、ベイリス選手は14番手で初日を終えた。
1ヶ月前のポルトガルGPの予選で右手を負傷し、ポルトガルGPの決勝と前戦中国GPを欠場したが、今大会から復帰の玉田選手は1回目のセッションで21台中21番目と最下位に終わった。右手の痛みがひどいために、思うように走れず、今大会の欠場を決めた。玉田選手は「医者には痛みがひどいようなら走行を止めるように言われていた。ドライコンディションでは、ブレーキングで力が入らず、コーナーでもマシンをホールドするのが大変だった。痛みが思っていたよりもあるために、チームと相談して欠場を決めた。次のイタリアGPまで3週間あるので、イタリアGPは万全の体調で挑みたい」と、完全復帰を果たせず悔しそうだった。
玉田選手の欠場を受けて、午後の2回目の走行には、前戦中国GPで代役出場を果たし、6位になっているユルゲン・ファンデン・グールベルグ選手(KONICA
MINOLTA Honda Team)が再度、代役として出場することになった。午後のセッションは、途中から雨になったこともあり、21番手に終わったが、2日目からの奮起に期待が集まる。
250ccクラスの午前中のフリー走行は、ドライコンディションで行われたが、午後の予選は激しい雨となった。そのために、初日の予選を回避する選手が多く、33台中18台が出場するに留まった。トップタイムは、アンソニー・ウェスト(アプリリア)。107%の基準タイムを通過したのがわずか5台というリザルトが物語るように、様子見の一日となった。青山博一選手(Team
Telefonica Movistar Honda 250cc)はわずか4ラップ、ホルへ・ロレンゾ選手(Team Fortuna Honda)は8ラップ。ダニエル・ペドロサ選手(Team
Telefonica Movistar Honda 250cc)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Team Scot)、ヘクトール・バルベラ選手(Team
Fortuna Honda)、高橋裕紀選手(Team Scot)は、初日の予選を回避。2日目に挑むことになった。
125ccクラスは、フリー走行がハーフウエット。予選はドライで行われ、ミカ・カリオ選手(KTM)がトップタイム。Honda勢は、トーマス・ルシ選手が6番手、葛原稔永選手15番手、小山知良選手18番手で初日を終えた。 |