10月15日(金)・予選1日目
サーキット:フィリップアイランド・サーキット 天気:雨のち晴れ 気温:16℃ コースコンディション:ウエット/ドライ
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S.ジベルノー
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カタールからマレーシア、さらにオーストラリアへ。シーズン終盤の3連戦。その3連戦最後のレースとなるオーストラリアGPが、メルボルン近郊のフィリップアイランドで開幕した。過去2戦は灼熱の地で行われたが、南半球に舞台を移したオーストラリアGPの予選1日目は、午前中は雨と風、午後は青空が広がったが、寒さとの戦いになった。
今年は、コースの一部が改修された。これまでフィリップアイランドは、コースアウト側が芝生だったが、その部分がグラベルに変更され、コースアウトした際のスピードダウンが図られた。この改修により、ハイスピードコースとして有名なフィリップアイランドは、より安全性を追求したサーキットへと生まれ変わった。
フィリップアイランドは一周4.448km。右コーナー5、左コーナー7、メインストレート900mで、1956年に完成した。1988年に大幅に改修されて、89年に第1回のオーストラリアGPが開催された。以後、シドニー郊外のイースタンクリークにオーストラリアGPは舞台を移すが、97年から再びフィリップアイランドで行われるようになった。
オーストラリアGPは、これまで15回行われているが、フィリップアイランドに移ってからは、ドゥーハン、クリヴィーレといった、Hondaでチャンピオンになった名選手たちが優勝を飾っている。最近は、シーズン終盤戦の大会として定着、タイトル決定の舞台となり、ファンには人気の高いグランプリのひとつである。過去3年は、Honda時代のバレンティーノ・ロッシが3連勝を飾っている。日本人としては、99年に岡田忠之が優勝している。
そして今年も、オーストラリアGPは、チャンピオン争いの舞台として大きな注目を集めることになった。Hondaにとっては、前戦125ccクラスでチャンピオンを決めたアンドレア・ドヴィツィオーゾに続き、250ccクラスでダニエル・ペドロサ(Team
Telefonica Movistar Honda 250)がタイトルに王手。MotoGPも、ロッシ(ヤマハ)とセテ・ジベルノー(Team
Telefonica Movistar Honda MotoGP)のチャンピオン争い。さらに、Hondaにとっては、MVアグスタの16回に並ぶ、MotoGP史上最多タイ記録となるコンストラクターズタイトルに王手をかけての戦いとなっている。
その注目の一戦は、朝から断続的に強い雨が降る、最悪のコンディションの中で幕を開けた。フリー走行は、フルウエットで始まり、徐々に路面が乾いていくというコンディションとなった。そのために、レインタイヤでセッションは始まり、インターミディ、スリックと、刻々と変わる路面コンディションに合わせて、タイヤのチョイスも目まぐるしく変わった。
そのフリー走行でトップタイムをマークしたのはジベルノーだった。ウエットで絶好のベースセッティングを見つけたジベルノーは、ハーフウエット、ドライと順調にセッションをこなした。昨年の大会で表彰台に立っているニッキー・ヘイデン(Repsol
Honda Team)も好調なスタートを切って4番手。アレックス・バロス(Repsol Honda Team)も5番手とまずまずのスタート。40℃前後の猛暑が続いたカタール、マレーシアとは対照的に、フリー走行時の気温は10℃。選手たちにとっては、難しい路面コンディションだけではなく、寒さとも戦わなければならなかった。
午後の予選は、青空が広がった。気温こそ16℃と思うように上がらなかったが、まずまずのコンディション。そのためにタイムは一気に上がった。暫定PPを獲得したのはロッシで、2番手にジベルノーが僅差で続く。3番手にヘイデン。4番手にコーリン・エドワーズ(Team
Telefonica Movistar Honda MotoGP)。フリー走行で好調だった選手たちが、予選でも順当に上位につけた。バロスは7番手。玉田誠(Camel
Honda)8番手。フリー走行で17番手と出遅れたマックス・ビアッジ(Camel Honda)も予選では9番手に浮上。Honda勢全員がトップ10と、順調なスタートを切った。
250ccクラスは、アレックス・デ・アンジェリス(アプリリア)が暫定PPを獲得。トニー・エリアス(Fortuna
Honda)6番手。今大会14位でフィニッシュすればタイトルが決まるペドロサは、セッティングに苦労して7番手。このコースを走るのが初めての青山博一(Team
Telefonica Movistar Honda 250)は9番手だが、2日目に向けて表情は明るかった。
125ccクラスはジーノ・ボルソイ(アプリリア)が暫定PP。前戦マレーシアGPで念願のタイトルを決めたドヴィツィオーゾが2番手と、今大会も絶好のスタートを切った。 |