10月10日(日)・決勝
サーキット:セパン・サーキット 観客:4万25人(3日間4万6318人) 天候:晴れ 気温:40℃ コースコンディション:ドライ
マレーシアGP決勝は、終日、快晴に恵まれ、最高気温も40℃と、前戦カタールGPに続いて40℃を記録する猛暑の中で行われた。優勝したのはPPスタートのバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)。マックス・ビアッジ(Camel Honda)が2位で4戦ぶりの表彰台。序盤トップを走ったアレックス・バロス(Repsol Honda Team)は、ロッシ、ビアッジに交わされたが、今季4回目の表彰台となる3位でフィニッシュした。4位ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)、5位玉田誠(Camel Honda)と続き、Honda勢は優勝こそ逃したが、灼熱のマレーシアで素晴らしいレースを見せた。一方、チャンピオン争いをするセテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)はペースが上がらず7位。コーリン・エドワーズ(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)は11位だった。
シーズン後半の3連戦。その2戦目にあたるマレーシアGP決勝は、雲の多い予選から一転、強い陽射しが降り注ぐ一日となった。そのために、最高気温は40℃まで跳ね上がり、路面温度も59℃に達した。それだけに、選手にもタイヤにも厳しいレースとなった。
レースは、バロスのホールショットで始まり、序盤、トップグループは6台に膨れ上がった。その中から、ロッシがバロスを交わしトップに浮上、続けてビアッジもバロスを抜き2位に。この3人がトップグループから抜け出すことになった。中盤以降は、ロッシ、ビアッジ、バロスの3人が、約1秒前後の間隔で走るという緊張した戦いとなり、ロッシが優勝。2番手を走るビアッジは、ロッシとほぼ同じラップタイムを刻んで最後まで猛追したが届かなかった。しかし、ポルトガルGP、日本GPでは接触転倒でリタイヤ、カタールGPでは、ペナルティのために最後尾からスタートして6位になるのがやっとだっただけに、久しぶりの表彰台に表情も明るかった。
ホールショットを奪い、序盤、トップを快走したバロスは、4周目にロッシ、7周目にビアッジに交わされたが、しぶとい走りを見せ3位でフィニッシュ。バロスもまた、3戦ぶり今季4回目の表彰台に立つことに成功。総合ポイントでもエドワーズを抜いて4位に浮上した。
予選2列目から好スタート。序盤、3番手を走行したヘイデンは、4周目にビアッジにかわされ4位にダウン。トップグループの3台にジリジリと引き離される苦しい戦いとなったが、粘り強い走りで4位をキープ。表彰台こそ逃したが、3日間を通じて豪快な走りでファンを魅了。残り2戦のさらなる活躍に期待が集まるものだった。
その後方では、スタートに出遅れた玉田が、猛烈な追い上げを見せてヘイデンに肉薄した。オープニングラップは11番手と大きく出遅れたが、得意の追い上げで5番手まで浮上。最終ラップにロリス・カピロッシ(ドゥカティ)をかわした走りは、今季2勝を上げている実力をたっぷりと見せ付けるものだった。玉田は、スタートこそ良かったが、1コーナーまでの加速競争で遅れを取った。それが結果として優勝戦線から脱落させただけに、素晴らしい追い上げのレースにも、悔しそうだった。
6番手はカピロッシ。7番手には、この日、苦しい走りに終始したジベルノーで、カタールGPからの連勝は成らなかった。ジベルノーは、序盤、6台のトップグループの中で走っていたが、ジリジリと後退。最後までペースが上がらず、カピロッシ、玉田にかわされ悔しい7位に終わった。前戦カタールGPで2位という素晴らしい走りを見せたエドワーズは、予選12番手から苦しいレースとなり、最後までペースを上げられず11位。前戦カタールで表彰台に立った2人にとっては、不完全燃焼のレースとなった。
こうして、マレーシアGPで優勝を逃したHondaだが、コンストラクターズタイトルでは王手。2位のヤマハの38ポイント差をつけているだけに、次戦オーストラリアGPでタイトルを獲得することになりそうだ。
250ccクラスは、予選2番手からスタートのダニエル・ペドロサ(Team Telefonica Movistar Honda 250)が、ホールショットを奪い、その後も快走を披露した。2位に約13秒もの大量リードを築く素晴らしい走りで今季6勝目。タイトル決定は次戦オーストラリアGPへ持ち越しとなったが、昨年の125ccクラスに続く250ccタイトル獲得に、あと一歩と迫った。セバスチャン・ポルト(アプリリア)と激しい戦いをしたトニー・エリアス(Fortuna Honda)は、惜しくも3位。青山博一(Team Telefonica Movistar Honda 250)は5番手を走行中に転倒リタイヤ、ロベルト・ロルフォ(Fortuna Honda)も転倒リタイヤに終わった。
125ccクラスでタイトル王手だったアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Honda)が、ケーシー・ストーナー(KTM)と激しい接戦を演じて2位。優勝は逃したが、2戦を残し、見事、タイトルを獲得した。ドヴィツィオーゾは、1986年イタリア生まれの18歳。開幕戦の南アフリカGPで初優勝を達成。今季4勝を上げてのタイトル獲得となった。
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