10月8日(金)・予選1日目 サーキット:セパン・サーキット 天気:曇り 気温:34℃ コースコンディション:ドライ
|
 |
|
玉田誠
|
前戦カタールGPからの連戦となったマレーシアGP。連日40℃前後という猛暑の中で開催されたカタールに続き、今大会も熱帯の国マレーシアでグランプリは行われる。シーズンは、タイトル争いがし烈さを増す後半戦。まさに、2週連続の”熱戦”が繰り広げられることになった。
前戦カタールでは、セテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)が今季4勝目を上げてチャンピオン争いに再び返り咲いた。総合トップのバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)との差を14点とした。ここから一戦一戦がタイトル争いを大きく左右するだけに、開幕前からパドックは緊張感溢れるものだった。しかも、今年で6回目のグランプリ開催となるセパンは、シーズンを通じてもっともテスト量が豊富なサーキットだけに、初日からレベルの高い戦いが繰り広げられることが予想された。事実、暫定PPを獲得した玉田誠(Camel Honda)は、予選開始直前にスコールが来て、コースの一部がウエットになる中で、ただひとり昨年のサーキットベストタイムを更新する快走を披露。2番手につけたジベルノーも、玉田から0.235秒差の2番手とHonda勢が好調なスタートを切った。
2週連続の開催となったマレーシアGP。初開催のサーキットに苦戦したカタールGPとは対照的に、フリー走行からレベルの高い走行となった。開幕初日のセッションは、どこの大会も汚れた路面のグリップに悩む選手たちが多い。セパンもその例に漏れないが、フリー走行でアレックス・バロス(Repsol Honda Team)が2分3秒台の好ラップを刻み、フリー走行からハイレベルな戦いに突入した。2番手には、前戦カタールGPの優勝で調子を取り戻したジベルノー。3番手にロッシ。そして4番手に玉田、7番手にコーリン・エドワーズ(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)と、Honda勢が滑る路面を攻略した。
それは、予選になっても変わらず、フリー走行で決勝用のセットアップに専念した玉田が、予選用タイヤのアタックで見事に暫定PPを獲得。リオGP、日本GPに続き、今季3勝目に向けて好スタートを切った。
前戦カタールGPで玉田は、車体とタイヤのマッチングに苦しみ、予選13位、決勝10位と低迷した。日本GPで今季2勝目を上げた後の大会だっただけに、悔しいレースとなっていた。それだけに、豊富なテスト量を誇るマレーシアGPでは、初日から気合の入った走りを見せた。フリー走行では、決勝用タイヤのテストに専念。「順調にセットアップが進んだ」と表情は明るかった。そして予選では、さらにセットアップを進め、最後の予選用アタックでは、昨年のサーキットベストタイムを更新する快走を見せ付けた。この日は、セッション開始直前にスコール、コースの2ヶ所でフルウエットとなる難しいコンディション。セッション終盤になっても完全にドライとはならなかったが、今季3勝目に向けて闘志満々の玉田が見事に暫定PPを獲得した。
2番手につけたジベルノーも、1日を通じて好調な走りを見せた。フリー走行では2番手。予選では、突然のスコールで、濡れた路面に気が付かずコースアウトする波乱もあったが、最後はきっちりと好タイムを刻んだ。ポルトガルGP、日本GPでは表彰台に立てなかったが、カタールGPでは3戦ぶり4回目の優勝を飾って一気に調子を取り戻した。さらに、チャンピオン争いでも、ロッシとの差を一気に縮めている。再び巡ってきた初タイトル獲得のチャンス到来に、ジベルノーは集中力の高い走りを披露することになった。
一方、セッション開始直前のスコールで、リズムを崩した選手たちも多かった。フリー走行でトップタイムのバロスは、スコールの影響でコースアウトを喫し、その後、サスペンションのセッティングを変えたのが裏目に出てタイムを出せず14番手に沈む。前戦カタールGPで今季2回目の表彰台に立って登り調子のエドワーズも、路面コンディションの変化でセッティングを詰めきれず13番手。マックス・ビアッジ(Camel Honda)が8番手、ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)も11番手と低迷した。しかし、原因がはっきりしているだけに、2日目のポジション回復に期待が集まる。
250ccクラスは、セバスチャン・ポルト(アプリリア)が暫定PPを獲得。今大会、総合2番手のポルトに7点差以上をつけてフィニッシュすればタイトルが決まるダニエル・ペドロサ(Team Telefonica Movistar Honda 250)は2番手と、絶好のポジションをキープ。トニー・エリアス(Fortuna Honda)は4番手。日本GP、カタールGPと2戦連続表彰台に立っている青山博一(Team Telefonica Movistar Honda 250)も、初めて経験するセパンを見事に攻略して初日5番手とまずまずのスタートを切った。
125ccクラスは、今大会、5位以内でフィニッシュすれば自力タイトルが決まるアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Honda)が暫定PPと好調なスタート。今大会、2つのクラスでタイトル王手をかけるHonda勢が、すべてのクラスで好調なスタートを切った。 |