9月30日(木)・予選1日目 サーキット:ロサイル・インターナショナル・サーキット 天気:晴れ 気温:41℃(MotoGP予選時37℃) コースコンディション:ドライ
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C.エドワーズ
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中東初のWGPが、30日、ペルシャ湾に面したカタールで開幕した。今年の3月には、隣国バーレーンでF1が開催されており、中東地域のモータースポーツ界にとっては、それに続くビックイベントだけに、開幕前から大きな注目が集まった。
会場は、カタールの首都ドーハ郊外に新しく作られたロサイル・インターナショナル・サーキット。カタールは、新潟県、秋田県とほぼ同じ面積を持ち、人口は約70万人。国のほとんどが砂漠で、サーキットも荒涼とした砂漠の中に建設された。
コースは一周5.380km。グランプリが開催されるサーキットでは、アッセン(オランダ)、セパン(マレーシア)、ブルノ(チェコ)に次ぐ長さを誇る。メインストレートは約1kmと長く、コース幅が広い。中速コーナーが連続するレイアウトは、選手たちから「面白いレイアウト」と好評だった。
しかし、完成したばかりのサーキットのため、この日は路面のグリップが悪く、さらに、最高気温41℃という猛暑となり、選手にもタイヤにも、シーズンを通じてもっとも厳しい条件が揃うことになった。それでも、125cc、250cc、MotoGPクラスと、セッションをこなすごとに路面のグリップは上がり、タイムも大幅に短縮された。MotoGPクラスの予選では、フリー走行のベストタイムから約6秒もタイムが短縮されるなど、刻々と変わる路面コンディションと、これまで経験したことがない猛暑に、選手たちは終日苦しむことになった。
その厳しいコンディションの中で、暫定PPを獲得したのは、ルーベン・シャウス(ドゥカティ)。2番手には、フリー走行でトップタイムをマークしたコーリン・エドワーズ(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)。予選では、常にトップタイムをマークする快走を見せたが、最後のアタックでシャウスに先行を許し2番手にダウンも、好調なスタートを切った。
3番手のセテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)も、逆転チャンピオンに向けて、好調なスタートを切った。ポルトガルGP、日本GPは、フロントのセッティングに苦しんで表彰台を逃した。その雪辱に向けて今大会は、初日から気合の入った走りを披露。フリー走行3番手、予選も3番手と、初めて走るサーキットの様子を探りながら、まずまずの出だしとなった。
5番手のマックス・ビアッジ(Camel Honda)も、ポルトガルGP、日本GPと2戦連続転倒リタイアに終わっているだけに、その雪辱に燃えている。そして、7番手のニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)。11番手のアレックス・バロス(Repsol Honda Team)も、周回ごとにグリップが上がる路面コンディションの中で、確実に周回を重ね、2日目の予選に向けてセッティングに集中した。
前戦日本GPで2勝目を挙げた玉田誠(Camel Honda)は、Honda勢の中で最後尾の14番手に終わった。しかし、フリー走行、予選と、初めて走るサーキットの中でタイヤテストに集中した。「路面のグリップがどんどん上がってタイムも上がった。その変わっていくコンディションの中で、今日はタイヤテストに集中した。みんなそうだろうけれど、ほとんどの選手がアタックできなかったのではないか。今回のレースは、タイヤが大きな鍵を握りそうだ」と語り、初日は様子見の段階。2日目の予選が、決勝を占うバロメーターになることをうかがわせていた。
事実、この日は、ライン上のグリップだけが向上、ラインを外れるとまったくグリップしない状態。そのためにコースアウトする選手が続出する、大荒れの一日だった。
250ccクラスは、セバスチャン・ポルト(アプリリア)が暫定PPを獲得。前戦日本GPで今季5勝目を挙げて、タイトル獲得に大きく前進したダニエル・ペドロサ(Team Telefonica Movistar Honda 250)が5番手。シーズン中盤から登り調子のトニー・エリアス(Fortuna Honda)が6番手、青山博一(Team Telefonica Movistar Honda 250)7番手、ロベルト・ロルフォ(Fortuna Honda)13番手だった。しかし、Honda勢は、これまでに経験したことがない暑さの中でロングランをこなすなど、2日目のポジションアップに期待が膨らんだ。
125ccクラスは、前戦日本GPで今季4勝目を挙げ、250ccのペドロサ同様、タイトル獲得に大きく前進したアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Honda)が暫定PPを獲得。好調なスタートを切った。
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