9月17日(金)・予選1日目 サーキット:ツインリンクもてぎ 天気:曇り 気温:29℃ コースコンディション:ドライ
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玉田誠 |
日本のファンにとって待望の「日本GP」が、ツインリンクもてぎで開幕した。もてぎでグランプリが開催されるのは今年で6回目。99年の第1回大会は「日本GP」として行われたが、00年からは「パシフィックGP」として行われ、日本でシーズン2番目のグランプリとして定着した。しかし、今年は鈴鹿で行われていた「日本GP」がカレンダーから外れたために、今年はもてぎ戦が「日本GP」として行われることになった。
ツインリンクもてぎは、タイトなコーナーが連続する1周4.801kmのテクニカルコース。一見、単純なコーナーが連続するが、複合コーナーが多く、難易度が高いサーキットとして有名。さらに、ハードなブレーキングを要求されるため、選手にとっても厳しいサーキットとなっている。
過去5回の大会では、このコースを得意とするケニー・ロバーツ(スズキ)が2勝を挙げ、この3年はHonda勢が3連勝を飾っている。この数年、すべてのサーキットでレースタイムが短縮されているが、ツインリンクもてぎも、この3年の間に優勝タイムは2分30秒も短縮された。今シーズンも、すでに11戦を終えて、ドライコンディションで行われた大会では約20秒前後タイムが短縮されている。今大会も、さらにタイムが短縮されるハイスピードの戦いになることが十分に予想される。
昨年の大会では、ビアッジがこのコースで独走優勝を飾った。一昨年はバロスが勝っている。さらに過去3年、ツインリンクもてぎでは、Honda勢が表彰台を独占している。今年も、このコースを得意とするHonda勢の選手たちがズラリと顔を揃えた。さらに、ワイルドカードで、昨年までフル参戦していた宇川徹(TEAM HRC)も出場と、7台のHonda RC211Vが、今季6勝目に向けて全力を尽くすことになった。
その中でもっとも注目を集めるのが、今季ブラジル・リオGPで初優勝を飾り、前戦ポルトガルで初ポールポジションから2位になっている玉田誠(Camel Honda)の活躍だ。去年の大会では予選2位、決勝では3位でフィニッシュ(レース中にジベルノーと接触、レース後の審議で失格の裁定)と素晴らしい活躍だった。去年はダークホース的存在だったが、今年は、開幕前から優勝候補に浮上、日本のファンの期待を一身に集めることになった。
こうして、アレックス・バロス(Repsol Honda Team)、マックス・ビアッジ(Camel Honda)というツインリンクもてぎの優勝経験者に加えて、優勝候補に玉田が加わった。さらに、怪我のために前戦ポルトガルGPを欠場したニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)も、今大会は戦列に復帰した。ヘイデンは昨年、玉田の失格で、MotoGP初表彰台となる3位に繰上げとなっている。セテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)も、表彰台に立ったことこそないが、得意とするコースのひとつ。前戦ポルトガルGPでは4位に終わっており、チャンピオンを争っているバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)にポイントでリードを広げられただけに、今大会は巻き返しに闘志を燃やしている。
こうして、Honda勢の活躍に注目が集まる中で、フリー走行が始まった。午前中は、やや雲の多い天候。開始20分過ぎに小雨がパラつく天候だったが、セッションを通じてドライコンディションの中で行われた。
トップタイムをマークしたのはカルロス・チェカ(ヤマハ)で、2番手にロバーツ(スズキ)。Honda勢は、ビアッジ3番手、ワイルドカードで出場の宇川が6番手。以下、バロス、玉田、エドワーズと続き、ジベルノーは11番手。チェコGP後のトレーニング中に、右肩の鎖骨を骨折、前戦ポルトガルGPを欠場したヘイデンは18番手。午後の予選に向けて、Honda勢は、セッティングに多くの時間を割くことになった。
午後の予選は、天候も回復、青空が覗く絶好のコンディションとなった。予想通り、タイムも一気に上がる。暫定PPを獲得したのはジョン・ホプキンス(スズキ)で、フリー走行でトップタイムをマークしたチェカのベストタイムを約1.8秒上回った。2番手にはロッシ(ヤマハ)。3番手玉田、4番手ビアッジと続き、バロス7番手、ヘイデン8番手、ジベルノー10番手、エドワーズ11番手、宇川16番手という結果だった。
3番手に終わった玉田は、周囲が期待する暫定PPは逃したが、セッション途中に首位に立つなど、この日、サーキットに集まったファンを湧かせた。終盤のアタック合戦で、ホプキンスとロッシに先行を許したが、2日目の逆転に大きな期待が集まった。
その玉田から僅差でビアッジが続いた。セッション中に首位に立つこともあったバロスは、コースアウトを喫するなどタイムを短縮できず7番手。ヘイデンはフリー走行から約3秒タイムを短縮して8番手に浮上。セッティングに多くの時間を割き、100%のアタックができなかったジベルノーは10番手。宇川も、セッション中盤に痛恨のコースアウトを喫して16番手に終わったが、両名とも2日目の巻き返しに大きな期待が集まった。
250ccクラスは、セバスチャン・ポルト(アプリリア)が暫定PPを獲得。ワイルドカードで出場の高橋裕紀(Honda)が2番手、トニー・エリアス(Fortuna Honda)3番手、青山博一(Team Telefonica Movistar Honda 250)6番手、ダニエル・ペドロサ(Team Telefonica Movistar Honda 250)7番手と、Honda勢が好スタート。高橋は、フリー走行で2番手と好調なスタートを切り、予選でもポルトから0.088秒という僅差で2番手につけた。前戦ポルトガルGPで今季初優勝のエリアスは、日本GPでも好調をキープして3番手スタート。地元Vに燃える青山は、フリー走行4番手、予選6番手とまずまずのスタートを切った。総合ポイントで首位に立つペドロサは、フリー走行でトップタイムも痛恨の転倒。その影響で予選は7番手にダウンしたが、2日目のジャンプアップは必至の状況で、優勝候補の筆頭に挙げられている。
125ccクラスは、総合ポイントで首位に立つアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Honda)が暫定PPを獲得。前戦ポルトガルGPではタイヤのパンクでリタイアという不運のレースだっただけに、その雪辱に向けて好スタートを切った。
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