8月22日(日)・決勝 サーキット:ブルノ・サーキット 観客:6万7631人(3日間10万4719人) 天候:曇り 気温:16℃ コースコンディション:ドライ
後半戦のスタートとなったチェコGPは、今季4回目のPPを獲得したセテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)が、オープニングラップから素晴らしい走りを披露、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)を突き放し、今季3勝目を飾った。この2人とともにトップグループを形成したマックス・ビアッジ(Camel Honda)は3位。チャンピオン争いを繰り広げる3人が揃って表彰台に立った。4位は玉田誠(Camel Honda)。予選17番手(カーティス・ロバーツ欠場のために16番グリッド)から好スタートを切り、4番手まで追い上げた。コーリン・エドワーズ(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)は7位。トップグループに加わったアレックス・バロス(Repsol Honda Team)とニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)は、惜しくも転倒リタイアに終わった。
雨が続いたチェコGPの予選。決勝日も雲の多い天候となったが、朝のウオームアップ、そして決勝とドライコンディションの中で行われた。風が強く、気温も16℃までしか上がらない肌寒い一日。しかし、コース上の戦いは、後半戦のスタートに相応しい熱い戦いとなった。
ホールショットを奪ったのは、予選9番手からスタートのロリス・カピロッシ(ドゥカティ)。しかし、今季4回目のPPを獲得したジベルノーが、2コーナーですかさず逆転。オープニングラップを制した。その後方には、バロス、ビアッジ、ロッシ、さらに、エドワーズ、ヘイデンと続いた。こうして、序盤にして早くも、5台のHonda勢とロッシがトップグループを形成。その中で、オープニングラップを制したジベルノーが終始、レースの主導権を握った。
ジベルノーは、雨になった2日間の予選で今季4回目のPPを獲得している。決勝日はドライコンディションとなったが、「ウエットのセッティングが決まっているし、もしドライになっても、いいセッティングのベースができているから心配はない」という言葉どおり、危なげない走りでライバルを圧倒した。ジベルノーは、中盤にロッシの追撃を受けたが、終盤、一気にペースを上げて突き放すことに成功した。2位にはロッシ。3位は中盤までその2人とし烈な争いを演じたビアッジで、最後までロッシと厳しい戦いを繰り広げた。
その後方では、16番グリッドからスタートした玉田誠が、素晴らしい走りを見せて4位でフィニッシュした。玉田はオープニングラップに10番手に浮上。その後も着実にポジションを上げた。終盤には、トップグループの3人に負けないハイペースでラップを刻み、ラスト2周でカピロッシをパス。今季2回目の表彰台こそ逃したが、素晴らしい走りでファンを魅了した。
序盤、トップグループにつけたエドワーズは、中盤以降、思うようにペースを上げることができず苦しい戦い。目標とする2戦連続表彰台は果たせなかったが、粘り強い走りで7位フィニッシュ。総合ポイント4位は変わらないが、5位以下との間に大きなリードを築いた。
ジベルノー、ビアッジ、ロッシとともにトップグループを形成していたバロスは、2番手まで浮上した中盤に痛恨の転倒を喫した。ヘイデンもまた、4番手まで浮上したが、4周を残し転倒リタイア。2人とも優勝を狙えるポジションにいただけに、悔しいレースとなった。しかし、ジベルノー、ビアッジらと常にトップグループにつけた2人の素晴らしい走りは、この日、ブルノに集まったファンを喜ばせた。
こうして、後半戦のスタートとなったチェコGPは、2日間の予選がウエットコンディション、決勝がドライと不安定な天候となった。どの選手もバイクのセッティングを完全に詰め切れない厳しい条件となり、チームの総合力も問われる戦いとなった。その中でジベルノーは、昨年の優勝タイムを約16秒も上回るハイペースで優勝、HondaRC211Vのさらなる進化を強烈にアピールすることになった。
10戦を終えて、総合ポイントでは、ロッシの首位は変わらないが、今季3勝目を果たしたジベルノーが17点差に詰めより、ビアッジも26点差で3位をキープ。残り6戦。後半戦の最初のレースで好調なスタートを切ったHonda勢への期待が高まることになった。
250ccクラスは、セバスチャン・ポルト(アプリリア)が優勝。予選13番手から好スタートを切ったダニエル・ペドロサ(Team Telefonica Movistar Honda 250)は、終盤、首位に立ったが、雨のためにスローダウン、惜しくも3位に終わった。ペドロサは、雨が降り始めたためにスローダウンして中断をアピールした。しかし、レースは続行された。その間に、ポルトとランディ・デ・ピュニエ(アプリリア)に先行を許すという、納得のいかない3位だった。予選8番手から好スタートを切った青山博一(Team Telefonica Movistar Honda 250)も、雨が降り始めるまではトップグループにつけたが、中盤からペースを上げられず7位に終わった。
125ccクラスは、ホルヘ・ロレンゾ(デルビ)が優勝。予選2番手からスタートのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、レースの主導権を握りながら、8台に膨れ上がった優勝争いの中で、0.036秒差の僅差で、惜しくも2位に終わった。
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