7月23日(金)・予選1日目 サーキット:ドニントンパーク・サーキット 天候:晴れ 気温:21℃ コースコンディション:ドライ
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N.ヘイデン
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今季3回目の2週連続開催となったグランプリ。ドイツからイギリスへと舞台を移した第9戦が、23日、ドニントンパークで開幕した。ドニントンパークでグランプリが開催されるのは今年で18回目。イギリスGPは、1949年から76年まではマン島、77年から86年まではシルバーストーンで開催された。イギリスGPは、オランダGPと並んでもっとも伝統と歴史のある大会だが、ドニントンパークは、イギリスGPの3番目の舞台としてすっかり定着した。
今年は例年よりも数週間遅い開催となった。そのために、パドックが無料で開放される木曜日は、例年以上のファンが集い、様々なイベントで盛り上がった。そして、この大会が終われば、グランプリは3週間の夏休みに突入する。シーズン前半戦の区切りとなる大会だけに、連戦の疲れも見せず、選手たちは初日から気合の入った走行を見せた。
ドニントンパークは、アップダウンに富んだ一周4.023km。前半部分はハイスピードコース、後半部分はシケインとヘアピンが続く独特なレイアウト。アップダウンのためにブラインドコーナーが多く、選手たちにとっては難易度の高いサーキットとして知られるが、今年は路面が全面改修されたことで、初日から好タイムが続出した。
フリー走行でトップタイムをマークしたのはバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)。2番手にニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)。この2人が、最初のセッションで早くも昨年のサーキットベストタイムを更新する快走を披露。コーリン・エドワーズ(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)が僅差で3番手。5番手セテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)、7番手にアレックス・バロス(Repsol Honda Team)がつける。前戦ドイツに続き、今大会も1秒差以内に11台という大接戦の中で幕を明けたが、今大会も、Honda勢が好スタートを切った。
そして午後の予選では、さらにタイムは上がった。しかし、これまでの大会と大きく違ったのは、決勝用タイヤと予選用タイヤのタイム差があまりなかったことだった。その中で、フリー走行で2番手につけたヘイデンが、昨年のポールシッター、マックス・ビアッジ(Camel Honda)のサーキットベストタイムを約1秒半も短縮する1分29秒295という素晴らしいタイムで今季初のトップタイム。過去2戦、連続表彰台に立っているヘイデンが、昇り調子を強烈にアピールすることになった。
2番手にロッシ(ヤマハ)。3番手にロリス・カピロッシ(ドゥカティ)。そして、5番手にジベルノー、6番手エドワーズ、フリー走行で16番手に沈んでいたビアッジが7番手に浮上。前戦ドイツGPで2位になり復調を感じさせたバロスも、ややセッティングに苦労しながらも、予選用タイヤを使わず10番手。ここまでが1秒差以内という、大接戦の中で初日の予選を終えた。
その中で、もっとも目立ったのは、暫定PPを獲得したヘイデンだった。デビューシーズンの昨年は、予選12位、決勝8位と大苦戦したサーキットだが、今年は、著しい成長を感じさせる素晴らしい走りで暫定PPを獲得した。さらに、予選6番手に終わったが、エドワーズが今季初優勝の可能性を感じさせる走りを披露、決勝を想定したロングランでライバルを圧倒した。こうして、好調な走りを見せた2人のアメリカンが、今大会の台風の目となることを強烈に印象づけた。
そして、一発のタイムこそ出せなかったが、ジベルノー、ビアッジ、バロスも、優勝候補の一角に浮上する走りを見せた。ジベルノーは、クリアラップを取れず5番手に終わったが、転倒リタイアに終わった過去2戦の雪辱に闘志満々。一方、前戦ドイツGPで優勝したビアッジは、様々なセッティングをトライするという余裕の中で7番手につけた。さらに、昇り調子を感じさせるバロスも、問題点がクリアなだけに2日目に大きな期待。過去2戦、表彰台を独占しているHonda勢同士の戦いが、ますます激しさを増した印象だった。
一方、2戦前のリオGPでMotoGP初優勝を達成した玉田誠(Camel Honda)は、リアタイヤのチャタリングに苦しんでペースを上げられず、フリー走行17番手、予選も16番手と低迷。Honda勢の中ではただひとり、2日目の予選、決勝に向けて、大きな課題を残すことになった。
250ccクラスは、アレックス・デ・アンジェリス(アプリリア)が暫定PPを獲得。2番手には、中盤戦に入って調子を上げているトニー・エリアス(Fortuna Honda)。前戦ドイツGPでは痛恨の転倒を喫しているだけに、その雪辱に気合満点。4番手には前戦ドイツGPで今季3勝目を挙げたダニエル・ペドロサ(Team Telefonica Movistar Honda 250)。前戦ドイツGPで表彰台にあと一歩に迫った青山博一(Team Telefonica Movistar Honda 250)は、初コースながら初日8番手につける好走で、今季初の表彰台の期待を膨らませた。
125ccクラスは、8戦を終えて6戦でフロントロー(PP3回)に並ぶアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Honda)が、フリー走行、予選ともに圧倒的な速さを見せて暫定PPを獲得。今季3勝目に向けて好スタートを切った。
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