7月18日(日)・決勝
サーキット:ザクセンリンク 観客:9万3408人(3日間20万7745人) 天候:晴れ 気温:25℃ コースコンディション:ドライ
第8戦ドイツGPは、今季最高の熱戦となり、マックス・ビアッジ(Camel Honda)が今季初優勝を飾った。そのビアッジとマッチレースを繰り広げたアレックス・バロス(Repsol Honda Team)が2位で、今季2回目の表彰台を獲得。バロスとともに猛烈な追い上げを見せた3位のニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)も2戦連続して表彰台に立った。Honda勢はこれで、リオGPに続いて2戦連続、今季3回目の表彰台独占を果たした。
4位はバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)。予選11番手からスタートしたコーリン・エドワーズ(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)が今季3回目の5位、前戦のリオGP覇者玉田誠(Camel Honda)は、予選13番手から6位でフィニッシュした。こうしてHonda勢は、表彰台独占を果たすだけでなく、トップ6に5台という素晴らしい結果を残した。また、予選4番手から、今季3勝目を狙ったセテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)は、3番手を走行中の序盤に痛恨の転倒を喫し、悔しい2戦連続のリタイアとなった。
今季初のPPを獲得したビアッジから、1秒差以内に14台という今季最高の接近戦となった予選。そして、パッシングポイントの少ないザクセンリンクで行われたドイツGPの決勝は、予想通りの熱戦が繰り広げられた。
ホールショットを奪ったのは、PPスタートのビアッジだった。昨年の大会では、PPを獲得しながらスタートで出遅れ。結局、これが致命傷となり、追い上げのレースで痛恨の転倒を喫していた。あれから1年。同じ過ちを繰り返さないように今季最高の集中力でグリッドに並んだビアッジは、フロントローのロッシとケニー・ロバーツ(スズキ)を見事に抑えて1コーナーへ飛び込んだ。そして、予選で誰よりも速いペースで周回数を刻んだ走りを見事に再現し、レースの主導権を握った。
この日は、雲ひとつない快晴だった。そのために、タイヤには、予想以上に厳しいレースとなり、転倒者も多かった。そんな中で、ビアッジについていけたのは、ロッシ、バロス、ヘイデンの3人だけ。中盤には、ロッシに首位を譲るが、終盤に逆転。その後、ロッシを交わしたバロスと、Honda勢同士のマッチレースを繰り広げたが、バロスを抑えて、見事今季初優勝を果たした。
ビアッジの優勝は昨年のパシフィックGP以来、11戦ぶり。表彰台に立ったビアッジは、最高の笑みを浮かべた。
ビアッジにはわずかに届かなかったが、バロスは、第2戦スペインGP以来、6戦ぶりの表彰台を獲得した。スタート直後にジベルノーと接触、クラッチレバーが曲がり、序盤は8番手と苦しいポジション。しかし、バロスは素晴らしいハイペースでトップグループを追い、終盤はビアッジとの一騎打ちの戦いに持ち込むことに成功。優勝こそ逃したが、今季最高位の2位でフィニッシュ。本来の走りが復活したことをアピールした。
予選9番手。3列目からスタートしたヘイデンもスタートで接触してオープニングラップは12番手に沈んだ。しかし、バロスとともに素晴らしい追い上げを見せてトップグループに加わり、ラスト6周でロッシを交わし、リオGPに続いて連続表彰台を獲得した。
これでHonda勢は、リオGPに続いて2戦連続、今季3回目の表彰台独占を果たした。
5位には、大混戦となったセカンドグループから抜け出したエドワーズが今季3回目の5位でフィニッシュ。中盤までは集団の中で思うようにペースを上げられなかったエドワーズだったが、終盤に混戦を抜け出すと、いいリズムで快調にラップを刻んだ。そのエドワーズを追った玉田が6位。前戦リオGPでMotoGP初優勝を達成した玉田は、予選の転倒で5列目という厳しいグリッドだった。そのためにオープニングラップは15番手という苦しいポジションだったが、粘り強く追い上げて、最後はエドワーズの背後に迫る力走を見せた。
これでHonda勢はトップ6に5台。リオGP、ドイツGPという難コースで表彰台独占を果たし、RC211Vの素晴らしいポテンシャルを披露した。
予選4番手。今季3勝目に闘志をかきたてていたジベルノーは、好スタートを切って、ビアッジ、ロッシをピタリとマークしたが、9周目に痛恨の転倒を喫し、2戦連続でリタイア。これで、今季初優勝を果たしたビアッジが総合でも2位に浮上、ジベルノーは3位に後退した。だが、8戦を終えて首位のロッシとビアッジは1ポイント差、ジベルノーもトップと13ポイント差という僅差で後半戦を迎えることとなった。
250ccクラスは、予選5番手からスタートしたダニエル・ペドロサ(Team Telefonica Movistar Honda 250)が今季3勝目を達成した。前戦で総合首位に立ったペドロサは、好スタートから2周目にトップに浮上。その後、後続との差を広げる快走だった。2位にはセバスチャン・ポルト(アプリリア)。その後方では、3台によるし烈な3位争いが繰り広げられた結果、青山博一(Team Telefonica Movistar Honda 250)が今季2回目の4位でフィニッシュ。ロベルト・ロルフォ(Fortuna Honda)が6位と、このクラスでも、Honda勢が好走を見せた。
125ccクラスは、ロベルト・ロカテッリ(アプリリア)が優勝。4台による優勝争いに加わったアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Honda)は、最終ラップの激しい攻防戦で、1度は首位に立つも、4位に終わった。しかし、総合ポイントでは首位をキープした。
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