7月17日(土)・予選2日目 サーキット:ザクセンリンク 天候:晴れ 気温:26℃ コースコンディション:ドライ
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M.ビアッジ
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グランプリで最もタイムが接近するザクセンリンクでのドイツGP予選2日目は、予想を超える厳しい戦いとなり、マックス・ビアッジ(Camel Honda)が今季初、そして2年連続でドイツGP予選を制した。2番手にはバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、3番手にケニー・ロバーツ(スズキ)。2列目4番手は、2年連続制覇に向けて好位置をキープしたセテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)で、6番手にアレックス・バロス(Repsol Honda Team)。大接戦の中で、Honda勢が優勝を狙える1列目、2列目のグリッドの半分を確保した。
初日2番手のニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)は、タイムを更新出来ず9番手にダウン。11番手の玉田誠(Camel Honda)も転倒を喫して13番手へ。初日15番手のコーリン・エドワーズ(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)が11番手に浮上した。
トップから1秒差以内に13台のマシンがひしめき合った初日の予選。快晴に恵まれた2日目は、予想通り激しいタイムアタック合戦となり、1秒差以内に14台が入る壮絶な戦いとなった。速さだけではなく、クリアラップが取れるかどうかという運にも左右されるザクセンリンク。どこのサーキットよりも高い集中力を要求されるドイツGPの予選だが、その厳しい戦いを制したのは今年もビアッジだった。
初日、ビアッジはアタックに失敗し、9番手に沈んでいた。しかし、決勝に向けてのセットでは、十分に優勝を狙える好走を見せていた。それだけに、「2日目は失敗出来ないと、フリー走行から気合の入った走りを披露。気温が26℃まで上がった午後の予選では、昨年の大会でビアッジ自身がマークしたサーキットベストタイムを約1秒も更新するスーパーラップを刻み、今季初PPを獲得した。また、この日のビアッジは、一発の速さだけではなく、決勝を想定したロングランでもライバルを圧倒、今季初優勝に向けて大きく前進した。
2番手にはロッシ。3番手にはケニー・ロバーツ。フロントローに並んだ3人のタイム差は、わずか0.205秒。この数字を見ても、ザクセンリンクの難しさを証明していた。
2列目には、暫定PPを獲得して好調なスタートを切ったジベルノーで、予選タイヤのアタック合戦では、ビアッジから0.213秒及ばす4位。初日4番手のバロスは、クリアラップが取れず6番手に終わったが、それでもトップから0.398秒差。まさに、ワンミスがタイムに大きく影響する接近戦だったことをうかがわせていた。
その影響を受けたのが、初日2番手のヘイデン。この日は、マシンのセッティングが決まらず、タイムを更新出来なかった。そのために9番手までダウン。玉田もまた、最後のアタックで痛恨の転倒を喫し13番手へとグリッドを落としてしまう。一方、エドワーズは15番手から11番手へポジションアップ。壮絶なアタック合戦の中で明暗を分ける結果となったが、Honda勢全員が、PPのビアッジから1秒差以内で走るというレベルの高さを見せ付けた。
こうして、激しいアタック合戦となったドイツGPの予選だが、決勝を想定してロングランをこなすフリー走行では、ビアッジ、バロス、エドワーズ、ジベルノー、玉田の順でHonda勢がトップ5を独占した。このリザルトは、決勝に向けてHonda勢のセッティングが順調に進んでいることを証明しているだけに、前戦リオGPに続いて今季3回目の表彰台独占への期待も膨らんだ。
こうして、決勝に向けて準備万端のHonda勢。しかし、優勝するためには次なる高いハードルが待ち受ける。それはスタートで失敗しないこと。決勝に向けて、Honda勢の各選手の緊張は高まっている。
250ccクラスでは、高い気温と路面温度に苦戦し、初日のタイムを更新出来ない選手が多かった。その中で、暫定PPを獲得したセバスチャン・ポルト(アプリリア)が1日目のタイムでPPを獲得。初日2番手のロベルト・ロルフォ(Fortuna Honda)もタイムは更新出来なかったが、3番手をキープした。2日目になって調子を上げたダニエル・ペドロサ(Team Telefonica Movistar Honda 250)は、最後のアタックでクリアラップが取れず悔しい5番手。トニー・エリアス(Fortuna Honda)が7番手。青山博一(Team Telefonica Movistar Honda 250)も1日目のタイムで12番手をキープしたが、ペドロサ同様、クリアラップを取れないままの走行で不完全燃焼の1日となった。こうして、コンディションの悪化でタイム更新を果たせない選手が多い250ccクラスだったが、確実に調子を上げているHonda勢の本番での好走に期待が集まった。
125ccクラスは、初日8番手に沈んでいたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Honda)が、見事、逆転PPを獲得した。ドヴィツィオーゾは今季2勝を上げているが、すべてPPスタートから優勝しているだけに、今季3勝目への期待も膨らんだ。 |