7月16日(金)・予選1日目
サーキット:ザクセンリンク 天候:晴れ/曇り 気温:22℃ コースコンディション:ドライ
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S.ジベルノー
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ザクセンリンクに舞台を移して7年目。東西ドイツが統合して14回目を迎えるドイツGP(西ドイツGPは36回開催された)が、16日、開幕した。旧東ドイツ圏ドレスデン近郊にあるザクセンリンクは、一周3.671kmとグランプリコースでは短いサーキットだ。しかも、タイトなコーナーが連続し、アップダウンに富んでいるだけに、グランプリサーキットでもっとも、パッシングポイントの少ない難コースとして知られている。それだけに予選グリッドが非常に重要で、予選初日から熱い戦いが繰り広げられた。
昨年は、3日間トータルで20万人と、ドイツGPがシーズンを通じてもっとも多くの観客を集めた。決勝日だけでは、スペインのヘレスやバレンシア、オランダのアッセンなど、10万人を超える大観衆を集める大会には及ばない。しかし、予選初日から熱烈なファンの声援を背に、激しいアタック合戦が繰り広げられるザクセンリンクは、もっとも盛り上がる大会となっている。
今年も、暫定PPを獲得したセテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)から1秒差以内に13台という大接戦。その中で、昇り調子のニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)が2番手、アレックス・バロス(Repsol Honda Team)4番手と、今大会も、ジベルノーを筆頭にHonda勢が好調なスタートを切った。
ザクセンリンクは、MotoGPが開催されるサーキットの中で、選手たちにも、もっとも厳しい戦いが要求されるコースだ。パッシングポイントが少ないために、予選グリッドが重要になる。スタートの失敗も許されない。決勝ではタイヤに厳しい。そのために、3日間を通じて、緊張を緩めることができないサーキットとなっている。
そのために、初日のフリー走行から、熱のこもった走りが展開されるが、このセッションでトップタイムをマークしたのはバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)だった。2番手にケニー・ロバーツ(スズキ)。そして、前戦リオGPに続いて表彰台独占を狙うHonda勢は、ヘイデン3番手、玉田誠(Camel Honda)4番手、ジベルノー5番手とまずまずのポジションで終える。このセッションも、トップから1秒差以内に11台という接戦。午後の予選では、さらに肉薄した戦いが予想された。
その戦いで、見事、暫定PPを獲得したのは、今季好調な走りを見せるジベルノーだった。前戦では惜しくも転倒リタイアに終わったが、7戦を終えて、総合ポイントでは、ロッシと同ポイントで並んでいる。昨年の大会でも、この2人がマッチレースを繰り広げたが、その戦いに勝っているジベルノーが、2年連続制覇に向けて、幸先良いスタートを切った。
2番手につけたのは、前戦リオGPで今季初表彰台3位を獲得したヘイデン。フリー走行でも3番手と好調なスタートを切った。その走りを予選でもキープし、2戦連続表彰台と、MotoGP初優勝に向けて好調をアピールすることになった。3番手にはロッシが入り、4番手には、ヘイデンとともに昇り調子のバロス。ニューエキゾーストを装着したRC211Vで登場し、大きな注目を集めた。
このコースを得意とするマックス・ビアッジ(Camel Honda)は、フリー、予選ともに好調な走りを見せる。予選のアタック合戦では9番手に終わったが、上位につけたHonda勢同様、十分に優勝を狙える走りを見せた。フリー走行で4番手発進の玉田は、予選ではクリアラップが取れず惜しくも11番手に沈んだ。それだけに、2日目のポジションアップに大きな期待が集まった。15番手のコーリン・エドワーズ(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)も、2日目のばん回に闘志を燃やすことになった。
そんな中、前戦リオGPでMotoGP初優勝を達成した玉田の走りが、大きな注目を集めている。前戦リオGPの直後、病気で入院中の母親が亡くなった。玉田は、リオGPが終わるとブラジルから日本へ。郷里松山市の病院で母親の最期に立ち会った。そして母親の葬儀を済ませ、ドイツ入りを果たした。深い悲しみに暮れる一週間となったが、素晴らしい集中力でドイツGPに挑む玉田に対し、多くの仲間たちが励ましの言葉を送っていた。
250ccクラスは、セバスチャン・ポルト(アプリリア)が暫定PPを獲得。2番手には、このコースを得意とするロベルト・ロルフォ(Fortuna Honda)。前戦リオGPで総合首位に立ったダニエル・ペドロサ(Team Telefonica Movistar Honda 250)は6位。トニー・エリアス(Fortuna Honda)7番手。シーズン中盤になって初体験のコースが続いている青山博一(Team Telefonica Movistar Honda 250)は、難コースのザクセンリンクの初日を12番手で終えたが、各選手ともに、2日目に大きな期待をつないだ。
125ccクラスは、ヘクター・バルベラ(アプリリア)が暫定PP。総合首位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Honda)は初日を8番手で終えた。 |