7月3日(土)・予選2日目 サーキット:ネルソン・ピケ・サーキット 天候:晴れ 気温:28℃ コースコンディション:ドライ
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M.ビアッジ
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第7戦リオGP2日目の予選は、初日に続いて好天に恵まれた。
今大会は、通常、3クラスの最後に行われるMotoGPクラスの決勝レースが、125cc、250ccクラスに先立って行われる。そのために、午前10時から始まるフリー走行では、各選手ともに本番を想定したロングランを行い、午後の予選では、壮絶なアタック合戦が繰り広げられることになった。そして、目まぐるしくポジションが入れ替わった最終予選では、ケニー・ロバーツ(スズキ)がPPを獲得。フリー走行で上位を独占したHonda勢は、PPこそ逃したが、マックス・ビアッジ(Camel Honda)2番手、ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)3番手と、2人のHondaライダーがフロントローから決勝に挑むことになった。
暫定PPを獲得し、実戦を想定した2日目のフリー走行で素晴らしい走りを見せたセテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)は、予選アタックに失敗して2列目4番手にポジションダウン。しかし、依然として優勝候補の筆頭として注目を集めた。地元リオGP優勝に燃えるアレックス・バロス(Repsol Honda Team)も5番手。ジベルノーに匹敵する内容で優勝候補の一角に浮上した玉田誠(Camel Honda)は7番手。セッティングに苦しんだコーリン・エドワーズ(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)は11番手に終わったが、トップ10入りのHonda勢は、優勝戦線に加われる絶好の状態で2日間の予選を終えた。
この日のフリー走行は、いつもの大会とは、明らかに違うムードで始まった。その理由は、ヨーロッパとの時差を考慮したテレビ放映の関係から、MotoGPクラスの決勝レースが最初に行われるという、変則スケジュールが実施されることになったからだ。そのために、日曜日午前11時半の決勝スタートを想定する各選手は、本番のコンディションにもっとも近い、午前中のフリー走行でロングランをこなした。
このセッションで、トップタイムをマークしたのは玉田誠。さらに、ヘイデン、ジベルノー、ビアッジと続き、Honda勢が上位を独占した。その中でも、玉田とジベルノーの内容はずば抜けたもので、24周の決勝レースに匹敵する周回を1分49秒から50秒台でコンスタントに刻む快走を見せつけて周囲を驚かせた。その2人に、ヘイデン、ビアッジ、そして6番手につけたバロスが続く。この3戦、優勝を逃しているHonda勢だが、このフリー走行のHonda勢の走りは、今季2回目の表彰台独占を期待させる素晴らしい内容だった。
最終予選では、予想をはるかに上回るアタック合戦が繰り広げられた。そのために、初日とは大きくポジションを入れ替えるリザルトになったが、Honda勢の仕上がりに不安はなかった。
初日は7番手とやや精彩を欠いたビアッジは、最後のセッションで好タイムでロングランをこなし、タイムアタックでも2番手に浮上した。ここ2戦、表彰台から遠ざかっていたビアッジだが、この日の予選セッションは、本来の自信を取り戻すことになったようだ。3番手につけたヘイデンは、今季3回目のフロントロースタートに満面の笑み。セッティングも決まり、タイヤの選択にも迷いはなし。初日3番手から6番手へとポジションを落としたバロスも、地元ファンの声援を背に2列目スタートから優勝する意気込みに溢れていた。
そして、暫定PPから4番手にダウンのジベルノー。今季初めてフロントローから脱落したが、仕上がりは、今季最高と言っても過言ではない。フリー走行、予選ともに、決勝を想定したロングランをたっぷりとこなし、その内容は、断トツで優勝候補の筆頭。過去3戦、2位に終わっている雪辱を果たす準備が、完全に整ったことを感じさせていた。
さらに、初日2番手から7番手にダウンの玉田誠も、ジベルノーに負けず劣らずの内容で2日間の予選を終えた。昨年、この大会でMotoGP初表彰台を獲得している。それだけに、2年連続表彰台はもちろん、初優勝の期待も膨らむものだった。第4戦イタリアGPでは、優勝戦線に絡みながらリタイアしている。その雪辱に玉田は、闘志をかきたてていた。
250ccクラスは、セバスチャン・ポルト(アプリリア)がPPを獲得。2番手には、シーズン中盤戦を迎えて昇り調子のトニー・エリアス(Fortuna Honda)。2戦連続フロントロー、今季最高位グリッドから決勝に挑むことになった。初日4番手のダニエル・ペドロサ(Team Telefonica Movistar Honda 250)は、タイムを短縮できず6番手にダウンも、「タイム差は接近している」と好調をアピール。ロベルト・ロルフォ(Fortuna Honda)9番手、初日14番手と苦戦の青山博一(Team Telefonica Movistar Honda 250)は、予選でわずかにタイムを短縮したが15番手にダウン。しかし、着実にネルソン・ピケ・サーキットを攻略、表情は明るかった。
125ccクラスは、ヘクター・バルベラ(アプリリア)がPP獲得。6戦を終えて総合首位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Honda)が、6番手から2番手に浮上。今季5回目のフロントロースタートから3勝目を狙うことになった。 |