6月5日(土) ・予選2日目
サーキット:ムジェロ・サーキット 天候:雨のち晴れ 気温:27℃ コースコンディション:ドライ
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N.ヘイデン
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雨で始まったイタリアGP2日目の予選。しかし、陽が高くなるにつれて青空が広がり、フリー走行、予選ともにドライコンディションで行われた。気温も初日より3℃高い27℃を記録。サーキットに集まった大勢のファンも、グランプリ最速を誇るムジェロ・サーキットで繰り広げられる高速バトルを堪能することになった。
初日は、セテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)が驚異的なラップを刻み暫定PPを獲得した。2日目の予選では、この日もまた、ジベルノーが最速タイムをマークしたがわずかに届かず、初日のタイムで見事、2戦連続PPを獲得した。2番手にはニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)で、初日7番手から1.261秒もタイムを短縮、自身最高位の予選2位となった。アレックス・バロス(Repsol Honda Team)も今季最高位となる予選4番手と好調な走りを見せた。
初日3番手につけたビアッジは、タイム短縮に成功するもセッティングを完璧には詰めきれず6番手にダウン。しかし、初の地元Vに向けて決勝でのばん回に期待は膨らんだ。玉田誠(Camel Honda)はポジションをひとつ上げて7番手と、初日好調だったHonda勢が、2日目も着実にセッティングを進め、上位につけた。初日11番手と出遅れたコーリン・エドワーズ(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)は、2日目0.788秒短縮したが、全体的にタイムが上がり12番手。しかし、確実に調子が上向いているだけに、本番ではさらなる飛躍に期待される。
初日からスーパーラップが続出のMotoGPクラス。マシンの進化はもちろん、タイヤの進化もあり、今年は、どの大会も大幅にタイムが短縮されている。しかし、ジベルノーが初日にマークしたタイムは、ジベルノー自身「パーフェクトな走りだった」という言葉どおり、それを上回る選手は現れなかった。
PPを獲得したジベルノーも、それは同じだった。途中、プロトンKRのカーティス・ロバーツが転倒、マシン炎上で赤旗中断となり集中力を欠くことになったが、それでも2日目の予選で最速ラップを刻む快進撃。さらに、レース用タイヤでもコンスタントに1分51秒台の快速タイムを刻み、優勝候補の筆頭に浮上した。
そして2番手には、昨年のシーズン終盤から実力を発揮し始めたグランプリ2年目のヘイデンで、初日から1秒以上のタイム短縮を果たし、グランプリ最高位の予選2位を獲得。「ここはハイスピードコースだし、思い切り攻められないとタイムが出ない」という難コースを、見事に攻略。予選終了後の会見では、自身最高位獲得に満面の笑みを浮かべた。
3番手にはバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)で、ここまでがフロントロー。2列目4番手には、レースを追うごとに調子を上げているバロスが、初日から0.950秒タイムを短縮、ヘイデンとともに今季最高位をマーク。初日3番手のビアッジは、セッティングを詰めきれず6番手にダウンも依然として優勝候補のひとり。こうして、フロントロー、2列目に4台のHonda勢が並び、玉田も、初日から0.6秒タイムを短縮して7番手と、Honda勢はイタリアGP11連勝に向けて、絶好のポジションを獲得した。
その中でも、注目の存在はヘイデン。昨年はルーキーとして初めてのグランプリシーズンを経験。初コースの連続に苦悩の一年を過ごしたが、今年はレースを追うごとに成長ぶりを披露。開幕直前に投入されたニューシャシーのセッティングも進み、グランプリでもっとも難しいといわれるムジェロで、自己最高位の2番手をゲット。人気のバロメーターとなる、パドックに集うファンの声援も日増しに大きくなるばかりで、次世代のHondaのエースとして、大きくクローズアップされる一日だった。
250ccクラスは、セバスチャン・ポルト(アプリリア)がPPを獲得。初日4番手だったダニエル・ペドロサ(Team Telefonica Movistar Honda 250)が、タイムを大幅に短縮して2番手に浮上。今季3勝目の期待が膨らんだ。初日7番手のトニー・エリアス(Fortuna Honda)も、ペドロサ同様に、大幅にタイムを短縮して4番手に浮上。フロントローにHonda勢が2台並ぶことになった。初日12番手のロベルト・ロルフォ(Fortuna Honda)は2列目8番手に浮上。青山博一(Team Telefonica Movistar Honda 250)も13番手から11番手にポジションを上げて、決勝に向けて大きなステップを刻んだ。
125ccクラスは、スティーブ・イエンクナー(アプリリア)がPPを獲得。初日3番手のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Honda)は4番手にダウンも、1秒差以内に11台という大接戦の中で、今季2勝を挙げて総合トップのドヴィツィオーゾの地元Vに、大きな期待が集まった。 |