5月2日(日)・決勝
サーキット:ヘレス・サーキット 観客:12万4933人(3日間20万6936人) 天候:雨 気温:14℃ コースコンディション:ウエット
第2戦スペインGPの決勝は、1日降り続いた雨の中で行われ、難しいコンディションの中で素晴らしい走りを見せた地元スペインのセテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda MotoGP)が、圧倒的な速さで今季初優勝を飾った。そのジベルノーとトップグループを形成したマックス・ビアッジ(Camel Honda)が2位、3列目からスタートしたアレックス・バロス(Repsol Honda Team)が追い上げて3位に入り、Honda勢は今季初の表彰台独占を果たした。
Honda勢の表彰台独占は、昨年のマレーシアGP以来4戦ぶり。これでHondaのMotoGPクラスでの優勝は通算186勝となり、今年で17回目を数えるヘレスのスペインGPでは、実に15回目の優勝となった。
朝から断続的に降り続ける雨。ヨーロッパラウンドの初戦ヘレスは、初日がドライ、2日目が雨と不安定な天候となった。そのため、Honda勢は満足のいくセッティングができないまま決勝日を迎えることになった。しかし、これまでの経験とデータを生かしてRC211Vのポテンシャルを十分に発揮し、圧倒的な強さを見せ付けた。
それを予感させたのが、スタートだった。ホールショットを奪ったのは、PPスタートのバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)を1コーナーまでの加速競争で交わしたジベルノー。その背後にロッシ、カルロス・チェカ(ヤマハ)と続いたが、2周目には、早くも2番手にビアッジが浮上、4番手にバロスとHonda勢の好ダッシュが注目を集めた。
こうして序盤にして早くも、Honda勢がレースの主導権を握る。次第に強くなる雨の中で、ジベルノーとビアッジは素晴らしいラップタイムを刻み、後続をぐいぐい引き離す。そして、この2人の戦いは、ヘレスに集まった12万人の大観衆の視線を釘付けにすることになった。
中盤には3位以下に約10秒の大差。勝敗の行方は、開幕戦で2位、3位になった2人のマッチレースへと発展する。しかし、地元スペインGP制覇に闘志を燃やすジベルノーが、追いすがるビアッジを突き放し、念願のスペインGP制覇を果たした。スペイン人のスペインGP制覇は、99年にスペイン人として初の500ccクラスチャンピオンになったA.クリヴィーレ以来の快挙で、雨の中で熱い声援を送った地元ファンを熱狂させた。これでジベルノーは2戦連続表彰台で総合でもトップに浮上した。2位になったビアッジも、優勝こそ逃したが2戦連続となる2位。総合でも2位につけて、ジベルノーとともに今季のチャンピオン争いの主役に浮上した。
その後方では、ロッシ、チェカ、マルコ・メランドリ(ヤマハ)らと3位争いを繰り広げたバロスがHonda入り2戦目にして今季初表彰台。ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)もまた、終盤、素晴らしい追い上げを見せて5位でフィニッシュ。AMA時代は雨のレースの経験がなく、グランプリに来てからはウエットコンディションに苦しんでいたが、この日、ロッシに迫った走りは、多くのファンの目に焼きつく素晴らしいものだった。
7番手にはエドワーズ。ウエットコンディションの予選で素晴らしい走りを披露。優勝候補の一角に上げられていたが、雨と寒さのために体温の低下に苦しみ、実力を発揮することができなかった。玉田は、リアタイヤのグリップに苦しんでピットイン。タイヤ交換してレースに復帰したが、最終的にはリタイアした。
250ccクラスは、2列目予選5番手からスタートしたロベルト・ロルフォ(Fortuna Honda)が、オープニングラップで首位に立ち、一度も首位を譲ることなく、今季初優勝を飾った。Honda勢はこれで開幕2連勝。250ccクラス通算180勝目を飾った。史上最年少で開幕Vを飾ったダニエル・ペドロサ(Team Telefonica Movistar Honda 250)は、予選3番手から地元スペインGP制覇に闘志を燃やしたが、3番手を走行中の5周目に転倒してリタイア。ウエットコンディションの予選で好走を見せていた青山博一(Team Telefonica Movistar Honda 250)も、2番手を走行中の4周目に転倒リタイア。ともに悔しいレースとなった。開幕戦6位のアレックス・デボン(Honda)は今回も5位と健闘。昨年の優勝トニー・エリアス(Fortuna Honda)は惜しくも12位に終わった。
125ccクラスは、PPスタートのマルコ・シモンセリ(アプリリア)が優勝。開幕戦でGP初優勝を飾ったアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Honda)は、表彰台を逃すも4位と健闘。総合首位をキープした。
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