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第13戦
パシフィックGP
2003年10月5日 開催
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レースレポート

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ビアッジが3周目でトップに。序盤はHonda勢5台での争い
9位から順位を挽回し、一気に2位集団を抜き去ったロッシ
ヘイデンは初の3位を獲得
ビアッジ今季2勝目。2位ロッシ、3位ヘイデンと、Hondaは今季5回目の表彰台独 占
■決勝日時:10月5日(日)
■気温:23℃
■観客数:5万6008人(3日間8万0238人)
■コース:ドライ
第8戦イギリスGP以来、今季2勝目を挙げたビアッジ
第8戦イギリスGP以来、今季2勝目を挙げたビアッジ

 前戦ブラジル・リオGPでHondaは、15回目のコンストラクターズタイトルを決めた。個人タイトルも、ランキングトップのバレンティーノ・ロッシ(Repsol Honda Team)がリオGPで6勝目を達成してタイトルに王手。チャンピオンの可能性を残すのは、総合2位のセテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda)、同3位のマックス・ビアッジ(Camel Pramac Pons)までとなり、個人タイトルも4戦を残して、Honda陣営から誕生することが決まっている。

 こうして、3年連続でコンストラクターズと個人総合のWタイトル制覇を成し遂げたHondaは、これまでの成果を、地元ツインリンクもてぎのパシフィックGPで、日本のファンに披露することになった。

 今年で5回目の開催。99年の第1回大会は日本GPとして開催されたが、00年の2回目以降はパシフィックGPとして開催されている。昨年はロッシのタイトルがすでに決まった状況での開催であり、今年はHonda勢3人のチャンピオン争いという、ファンにとってはたまらないシチュエーションでの開幕となった。

 予選初日、フリー走行でトップタイムをマークしたのはロッシ。最初のセッションで早くも去年のサーキットベストタイムに肉薄する好走。2番手は玉田誠(Pramac Honda Team)、3番手に宇川徹(Camel Pramac Pons)。さらにジベルノー5番手、ビアッジ7番手、ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)8番手と、Honda勢が上位につけて初日のフリー走行を終えた。

 その勢いは、午後の予選になっても変わらず、ジベルノーがサーキットベストタイムを更新する1分48秒707で暫定PP。ロッシ、玉田、ビアッジと、Honda勢が4位までを独占。対して、ヘイデン11位。転倒を喫した宇川は14番手という苦しいスタートとなっていた。

 初日は快晴、気温24℃。2日目はやや雲の多い天候となったが、この日も気温が24℃とまずまずの天候。ともに天候に恵まれたことで、2日目の予選は大幅なタイムアップが予想された。

 フリー走行では、ロッシがトップタイム。以下、玉田、ジベルノー、ビアッジ、ヘイデンと続き、Honda勢が上位5番手までを独占。午後の予選でも、この5人が激しいPP争いを展開する。初日から着実にタイムを上げて来たビアッジが、サーキットベストタイムをさらに更新して今季3回目のPP。玉田、ロッシ、ジベルノー、ヘイデンが僅差で続き、上位につけた5人による、パシフィックGP、Honda3連勝の期待が膨らんだ。

 迎えた決勝レース。ホールショットを奪ったのは、予選4番手のジベルノー。その後ろにビアッジが続き、ロッシ、ヘイデン、ロリス・カピロッシ(Ducati)、玉田と続いた。そして、オープニングラップから速いペースでの戦いとなり、3周目にはビアッジがジベルノーを交わしてトップに浮上。ビアッジの逃げを警戒したロッシがすかさず2番手に浮上するという展開となった。

 その後、ハイペースでレースの主導権を握るビアッジは、後続をじりじりと引き離しにかかる。そのビアッジをピタリとマークすることが出来たのはロッシだけ。今回は、この2人のマッチレースへと発展することが予想された。

 しかし、7周目の1コーナーで、ビアッジをピタリとマークするロッシが痛恨のブレーキングミスでコースアウト。9番手までポジションを落としてコースに復帰するという厳しい状況に追い込まれた。対照的に、ロッシのコースアウトで単独首位になったビアッジは、快調にラップを刻んで2位集団を確実に引き離すことに成功。最後は、2位集団にストレート1本分ほどの大きなリードを築いて今季2勝目を飾った。

 その後方では、激しい2位争いが繰り広げられた。一時は9番手までポジションを落としたロッシが次々に前車をパスすると、2番手に浮上。優勝したビアッジと同等のハイペースで走ったロッシが、ジベルノー、玉田、ヘイデンを抑えて2位に入った。

 3位を激しく争ったジベルノーと玉田は、玉田が最終ラップにジベルノーを交わして3位でフィニッシュ。表彰台で満面の笑みを浮かべたが、最終ラップのバックストレートのブレーキング競争でジベルノーと接触、そのパッシングが危険行為だったとして失格の裁定が下された。そのためにヘイデンが3位、玉田との接触でコースアウトしたジベルノーが4位と、それぞれ順位が繰り上がることになった。また、宇川は7位、清成11位という結果だった。

 これで、3連覇に王手の掛かったロッシは、優勝こそ逃したが2位になったことで、4位のジベルノーに58点差をつけることに成功。チャンピオン争いは、これまでの3人から、ロッシとジベルノーの2人に絞られ、ロッシにとっては、MotoGPチャンピオンに向けて大きく前進することになった。

 250ccクラスはトニー・エリアス(Aprilia)が優勝。総合2位のロベルト・ロルフォ(Fortuna Honda)は、総合首位のマニュエル・ポジアーリ(Aprilia)を抑えて2位でフィニッシュ。その差を18点として、逆転チャンピオンに望みを繋げた。また、ワイルドカードで出場の高橋裕紀(Dy Do Miu Racing Team)が4位、青山博一(Team Harc-Pro)が5位と健闘した。125ccクラスは、ヘクター・バルベラ(Aprilia)が優勝、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Team Scot)が3位。総合首位で、レース終盤までトップを快走したダニエル・ペドロサ(Telefonica Movistar jnr Team)は、後半ペースが上がらず6位。東雅雄(Ajo Motorsports)は13位という結果だった。


MotoGP
マックス・ビアッジ(優勝)
「今日のレースはハードで難しいレースだった。最初から最後まで速いペースをキープしなければならなかったし、最後まで集中力を切らさないように走った。今日はスタートが上手く行ったし、すぐにジベルノーを抜いてトップに立つことが出来た。ロッシがコーナーで飛び出した後は、ペースをキープして差を広げていくことに専念した。今日のレースは今年になって最高のレースだったと思う。今日の勝利を加藤大治郎に捧げたい」

バレンティーノ・ロッシ(2位)
「序盤に、1コーナーでミスをして、コースアウトしてしまった。その時点でジベルノーが2位、僕が9位というひどい状況だった。その後、ポジションを挽回してセカンドグループに追いつくことが出来たし、最終的に2位でフィニッシュすることが出来た。コースアウトしたのは最悪の状況だったが、それを思えば今回の2位は最高だった。ジベルノーとのポイント差を広げることが出来たからね」

ニッキー・ヘイデン(3位)
「今日のレースは厳しいレースだった。自分としては優勝したかったが、今年になって最高位でフィニッシュ出来たし、嬉しい。今日は至るところで滑っていた。もっとスムーズに乗らないといけない。今日は、玉田が失格になって3位になったけれど、こんなに一生懸命走っているのだから、もっとちゃんとした形で、表彰台に立てるポジションをゲットしたかった」

セテ・ジベルノー(4位)
「今日のレースは、今まででいちばん大変だった。体調がずっと不良で、熱がなかなか下がらなかった。でも、レースでは全力を尽くした。ラストラップに玉田が危険と思えるような行為をしてきたのは、とても残念だ。でも、転倒しなくて良かった」

宇川徹(7位)
「スタートがあまり良くなかったことに加えて、スタート直後の1コーナーで多重クラッシュに巻き込まれそうになって遅れてしまった。今日はすごくマシンが滑っていたし、コントロールするのが大変だった。トップから20秒差というのは、本当に残念な結果だ」

玉田誠(失格)
「失格の裁定については、本当に残念です。接触は、90度コーナー手前の減速で起きました。あのときは、もうこれ以上は無理という、ぎりぎりまでブレーキングを遅らせる我慢大会のようなものでした。接触したのは腕と腕だったと思うし、僕はジベルノーがいる外側のスペースを開けていたはずだし、あれは通常のレース行為だと思っています。それをジベルノーが異例のことだと感じているのはとても残念です。また、失格というのも、厳しすぎる決定だと思っています」

立川章次監督
「今回も表彰台独占という素晴らしい結果を残すことが出来ました。今回は、ビアッジ、ロッシ、ジベルノーに混じって、玉田、ヘイデンという若手が、RC211Vの速さを見事に証明してくれたと思っています。Hondaとしては素晴らしい内容だったし、このモチベーションを残り3戦、持続していきたいと思っています」

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