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Honda勢が今季4回目の表彰台独占を果たした |
バレンティーノ・ロッシ(Repsol Honda Team)3連勝で今季6勝目を達成。2位セテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda)、3位玉田誠(Pramac Honda Team)と、Hondaは今季4回目の表彰台独占を果たした。これでHondaは3年連続、15回目のコンストラクターズタイトルを獲得した。
今年で7回目を迎えるリオGP。ゴイアニア、インテルラゴス、そして今大会と同じくネルソン・ピケで開催されたブラジルGPを含めて、今年で12回目を数えるブラジル開催。リオGPになってからは、ドゥーハン2勝、ロッシ3勝と、このサーキットではHondaが圧倒的な強さを発揮してきた。
今年のリオGPは、南半球とアジアと大陸移動が続く4連戦の最初のレースとして開催された。ロッシがポイントでリードする個人総合、そしてHondaが王手を掛ける15回目のコンストラクターズタイトルの行方に、大きな注目が集まる大会となった。
過去3年は、このコースを得意とするロッシが3連勝を飾っている。グランプリ最高峰クラスの500ccにデビューを飾ってから、負け知らずのコース。ロッシは、前戦ポルトガルで今季初の2連勝を飾り調子を上げているだけに、リオGP4連勝の期待が膨らんだ。
予選初日、フリー走行でトップタイムをマークしたのはロッシ。最初のセッションで、これまでのサーキットベストタイムを更新する快走を見せる。以下、ジベルノー、マックス・ビアッジ(Camel Pramac Pons)、とチャンピオン争いをするHonda勢3人が上位につけた。
その勢いは予選になっても変わらず、ビアッジがサーキットベストタイムをさらに更新する快速ぶりで暫定PPを獲得。2番手にロリス・カピロッシ(Ducati)。以下、ジベルノー、ロッシとHonda勢が好調なスタート。このコースを初めて走る玉田が7番手。宇川徹(Camel Pramac Pons)8番手。玉田同様、このコースが初めてのニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)も12番手と、まずまずのポジションで初日を終えた。
初日は雲の多い天候。しかし、2日目なってリオ・デ・ジャネイロは、青空が広がる一日。気温も28℃まで上がり絶好のコンディション。予選タイムも大幅に上がることになった。
その激戦を制したのは、初日4番手に沈んでいたロッシで、初日にマークした自己ベストを約1.2秒も短縮する驚速ぶりで今季6回目のPP獲得。2番手にカピロッシ。以下、ジベルノー、ビアッジと続き、フロントローに3台のHonda勢。さらに、ヘイデン7番手、宇川8番手、玉田9番手と今大会もHonda勢は、好グリットから決勝を迎えることになった。
迎えた決勝レース。ホールショットを奪ったのは、カピロッシ。ジベルノー、ロッシと続いた。そしてオープニングラップでジベルノーがトップに浮上、すかさずロッシが2番手につけるという、今季、見慣れた展開となった。
こうして序盤は、ジベルノーがレースの主導権を握り、ロッシが追うという展開。しかし、中盤に差しかかる9周目にロッシがトップに浮上。一気にペースを上げてジベルノーを突き放す。その後も、ジリジリとジベルノーを引き離したロッシが、チェコ、ポルトガルに続いて3連勝を飾り、今季6勝目を達成した。
この優勝で今季11勝目を飾ったHondaは、4戦を残し、3年連続、15回目のコンストラクターズタイトルを獲得した。
ロッシを追撃したジベルノーは約3秒遅れの2位。予選9番手から素晴らしい追い上げた見せた玉田は、トロイ・ベイリス(Ducati)、ヘイデン、カピロッシ、そしてビアッジをかわし3番手でフィニッシュ。Hondaは今季4回目の表彰台独占を飾った。
5位にビアッジ。6位には、ビアッジを激しく追ったヘイデンが入り、上位5位までをHonda勢が独占。さらに、宇川7位、清成龍一(Team Telefonica Movistar Honda)も15位でフィニッシュ。Honda勢すべてがポイント獲得する素晴らしい活躍だった。
15回目のコンストラクターズタイトルを獲得したHondaは、これでグランプリ最高峰クラスで最多記録を持つMVアグスタの16回にあと1に迫った。また、個人総合では、4戦を残し、ロッシがタイトルに王手。タイトルの可能性を残すのは、2位のジベルノー(51点差)、3位のビアッジ(88点差)までとなり、個人総合もHondaが獲得することが決まった。
250ccクラスはマニュエル・ポジアーリ(Aprilia)が優勝。ロベルト・ロルフォ(Fortuna Honda)が2位になり総合ポイントでも2位に浮上。125ccクラスはホルヘ・ロレンゾ(Derbi)が優勝、ダニエル・ペドロサ(Telefonica Movistar jnr Team)が4位で個人総合トップを守り、ともにタイトル獲得の期待が膨らんだ。東雅雄(Ajo Motorsports)はリタイアという結果だった。
■Moto GP
●バレンティーノ・ロッシ(優勝) 「今日は素晴らしい1日だった。いままでも、このサーキットではいいレースが出来ていたし、今年も優勝することが出来て嬉しい。ここは、ハイスピードコーナーが続き、自分の乗り方に合っている。とにかく、レースウィークを通じて、いいリズムで乗れたし、セットアップも決まった。今日のバイクは完璧だった」
●セテ・ジベルノー(2位) 「今週は厳しいレースだった。予選ではいくつかの問題を抱えていて、転んでしまった。決勝も、ロッシに抜かれてから何とかついて行こうと思ったが、昨日の転倒もあってペースを上げることが出来なった。でも、いいレースだった。今年はロッシといいバトルが出来ているし、次のレースでもいいバトルがしたい」
●玉田誠(3位) 「予選は思っていたよりも上にいけなかったが、コンスタントに走れていたし、いいレースが出来るんじゃないかと思っていた。朝のウォームアップで、予選で使っていたタイヤと違うのを試したら、それが良くて、決勝でもいい走りが出来た。1周目は7番手だったが、無理に抜くというよりも、自分のペースを守っていればポジションを上げていけると思った。その通りの走りが出来たし、表彰台に立てて嬉しい」
●マックス・ビアッジ(4位) 「今日はタイヤの消耗が激しくて、思うように走れなかった。コーナーの出口でスピードが乗せられなかったし、エンジンもスムーズではなかった。多分、セッティングを完全につめられなかったからだと思う。4位という結果は、とても残念」
●ニッキー・ヘイデン(5位) 「バイクのフィーリングは良かったしスタートも良かった。終盤、ビアッジに追いつくことが出来た。しかし、ラスト数周になってちょっとだけ振動が出てきて、あまりいいフィーリングで走ることが出来なかった。今日のリザルトは良かったと思うが、いい走りが出来ていただけに、5位で終わってしまって残念だった」
●宇川徹(7位) 「スタートはそんなに悪くはなかったが、今日はストレートでエンジンの伸びが足りなかった。コーナー出口のスライドが最高速に影響してしまった。今回は、予選の転倒もあって完璧にセッティングをつめることが出来なかった。7位に終わって残念だった。次のもてぎでは、いいレースをしたい」
●立川章次監督 「コンストラクターズタイトルを獲得できたし、Honda勢がトップ5でフィニッシュしたことに満足している。ブラジルは、Hondaに乗っているユーザーが多いし、そのブラジルで、こういう好成績を残せたことも嬉しい。ロッシとジベルノーは素晴らしい走りをした。そして3位の玉田がいいペースで走ったことが、Honda全体の好成績につながった。個人総合もHondaのトップ3に絞られた。バイクのセッティングも決まってきているので、残り4戦はライダーの実力勝負。厳しい戦いになりそうだ」 |