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第11戦
ポルトガルGP
2003年9月7日 開催
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レースレポート

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中盤まで主導権を握ったビアッジは2位でフィニッシュ
Honda勢は今季9回目のワン・ツーを決めた
ジベルノーはフィニッシュラインで交わされ4位に
ロッシ今季5勝目。2位にビアッジと、Hondaは今季9回目のワンツー・フィニッシュを飾る
■決勝日時:9月7日(日)
■気温:22℃
■観客数:5万112人(3日間)
■コース:ドライ
圧倒的な速さを見せ今季5勝目を挙げたロッシ
圧倒的な速さを見せ今季5勝目を挙げたロッシ

 今年で6回目を迎えるポルトガルGP。80年代にスペインのサーキットで2度、ポルトガルGPが開催されているが、2000年からは、リスボン近郊のエストリルで本格的にポルトガルGPが始まった。

 エストリルは、ヨーロッパでも有数のリゾート地。風光明媚な土地柄で、選手、チーム関係者にも人気が高い。しかし、長いストレートとテクニカルコースが組み合わされたコースは、グランプリサーキットの中で、もっとも速度差が大きいコース。さらにパッシングポイントが少ないことから、選手たちにとっては戦い難いサーキットのひとつとなっている。そのために、予選から熱い走りが繰る広げられることでも有数のサーキットとなっている。

 過去2年は、このコースを得意とするバレンティーノ・ロッシ(Repsol Honda Team)が連勝を飾っている。今年も、前戦チェコGPで今季4勝目を飾り、調子を上げているロッシが優勝候補の本命。3年連続タイトル獲得に向けて着々と駒を進めているロッシの戦いぶりに注目が集まった。

 予選初日、暫定PPを獲得したのはロッシ。フリー走行で2番手以下に大きなリードを築いたロッシは、予選でもサーキットベストタイムを塗り替える快走を披露。前戦チェコの優勝で上り調子を強烈にアピールした。2番手にはオリビエ・ジャック(Yamaha)。以下、マックス・ビアッジ(Camel Pramac Pons)、宇川徹(Camel Pramac Pons)、セテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda)とHonda勢が続いた。

 昨年は不安定な天候に悩まされたが、今年は予選初日から青空が広がり、2日目も快晴となる。エストリル特有の強風に選手たちは悩まされることになったが、ドライコンディションの中でタイムは大幅に伸びることになった。

 2日目のフリーでトップタイムをマークしたのは、初日5番手に沈んでいたジベルノー。ロッシがマークしたサーキットベストタイムを上回る好走で、今大会もロッシの最大のライバルに浮上。僅差でロリス・カピロッシ(Ducati)、ロッシ、宇川、ビアッジが続くハイレベルな戦いとなった。

 そして予選でPPを獲得したのはカピロッシ。PPこそ逃したが、ビアッジ、ロッシ、ジベルノーのHonda勢がフロントローを獲得、好位置から優勝を狙うことになった。その後方には、初日13番手の玉田誠(Pramac Honda Team)が、初めてのサーキットを見事に攻略して9番手に浮上、初日4番手と好走を見せた宇川は、クリアラップが取れず10番手。玉田同様、このサーキットを初めて走るニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)は15位、清成龍一(Team Telefonica Movistar Honda)は19番手から決勝に挑むことになった。

 迎えた決勝レース。ホールショットを奪ったのは、予選2番手のビアッジ。その後方に、カピロッシ、ジベルノー、ロッシが続き、オープニングラップから早くも、この4人がトップグループを形成することになった。

 そして、スタートダッシュを得意とするビアッジが、ホールショットからぐいぐいとペースを上げて後方を引き離す作戦。ビアッジの逃げ切りを警戒したロッシも、すかさず、ジベルノー、カピロッシを交わし2番手に浮上。序盤にして、2人のマッチレースの展開となった。その後方では、カピロッシとジベルノーがセカンドグループを形成した。

 レースは、こう着状態のまま中盤戦に突入する。しかし、12周目にジベルノーがカピロッシを交わし3番手に浮上、さらに14周目にはロッシがビアッジを交わしトップに浮上と、トップグループの4台が終盤に向けて一気に動き出す。そして首位に立ったロッシは一気にペースを上げてビアッジを引き離すことに成功。28周のレースで真っ先にチェッカーを受け、前戦チェコGPから今季初の2連勝を達成して5勝目を飾った。

 2位にはビアッジ。過去2戦はツキのないレースで表彰台から遠ざかっていたが今季7回目の表彰台を獲得。最終ラップまでカピロッシを抑えたジベルノーは、フィニッシュラインでわずかに交わされ悔しい4位。6戦連続表彰台を逃したが、Honda勢は、これで今季9回目のワンツー・フィニッシュを飾った。

 初めて経験するサーキット。予選15番手という苦しいポジションからスタートしたヘイデンは、確実にポジションを上げて9位と健闘。予選9位の玉田も10位。今大会もトップ10にHonda勢が6台入る活躍を見せた。清成は16位。惜しくもポイント獲得は果たせなかった。

 これで、総合ポイントで首位のロッシは、2位のジベルノーに46点差をつけて3連覇に向けて大きく前進。2位のジベルノーと3位のビアッジは、残り5戦で逆転に賭けることになった。また、11戦を終えて、個人タイトルの可能性を残すのは、総合4位のカピロッシまで。そのカピロッシも次戦リオGPでは自力でタイトル争いに残ることは不可能で、上位3位までを独占するHonda勢からチャンピオンが生まれることが確実になった。さらにコンストラクターズタイトルでもHondaは、今大会の優勝でタイトル獲得に王手を掛けた。

 250ccクラスは、トニー・エリアス(Aprilia)が優勝、ロベルト・ロルフォ(Fortuna Honda)4位、セバスチャン・ポルト(Telefonica Movistar jnr Team)5位。125ccクラスは、パブロ・ニエト(Aprilia)が優勝、総合ポイントで首位に立つダニエル・ペドロサ(Telefonica Movistar jnr Team)は、優勝争いに加わったが惜しくも4位に終わった。また、東雅雄(Ajo Motorsports)は13位だった。


■Moto GP
バレンティーノ・ロッシ(優勝)
 「今日はいいスタートが切れた。しかし、トップに立ったビアッジがすごく速くて、ジベルノーとカピロッシを抜いて、すぐにビアッジに追いつかなければいけないと思った。そのためにハイペースで走り続けなければならなかった。そのペースで走り続けるのは無理だということも分かっていたし、追いついてからしばらくはビアッジについていこうと思った。中盤になってビアッジを抜いたときには、再び、ペースを上げることが出来た。今日はすごくハイレベルな戦いだったし、いいリズムで走ることが出来た。前回のチェコの優勝は、もっとエキサイティングで優勝した喜びも大きかったが、今回も素晴らしいレースだった」

マックス・ビアッジ(2位)
 「前回のチェコは、本当に残念なレースだったし、今回は、優勝することは出来なかったが、再び、表彰台に立つことが出来て嬉しかった。それに、今日はトップに立ってリードを築くことが出来たし、内容も良かった。金曜日、土曜日と、チームは本当にいいバイクに仕上げてくれた。今日の2位は、シーズン終盤戦に向けて自信になった」

セテ・ジベルノー(4位)
 「今日は残念なレースだった。今回のレースは、レースウィークを通じてマシンに小さな問題を抱えていて、それを最後まで解決することが出来なかった。しかし、勝つという目標に変わりはなかったし、最後まで全力を尽くした。最終ラップにカピロッシに抜かれ、抜き返したのだが、フィニッシュラインでわずかに交わされてしまった。本当に残念なレースだった」

宇川徹(5位)
 「今日はスタートも悪くなかったし、ペースも走りも自分としては悪くなかったと思う。しかし、ここは抜き難いコースだし、グリットの悪さが最後まで影響してしまった。もし、カピロッシの前で序盤走ることが出来ていたら、違うレースになっていたと思う。残念だった。しかし、自分の調子は上がっているし、次のリオでは、この上り調子を結果につなげたい」

ニッキー・ヘイデン(9位)
 「予選は思うように走れなくて苦しんだ。しかし、レースでは気持ちを切り替えて、リラックスして走ろうと思った。それが良かったのだと思う。スタートも良かったし、周回を重ねるごとにタイムも上がった。ヨーロッパラウンドは、初めてのコースばかりだったが、終盤戦はテストしているサーキットが続く。今日のレースも、前回のチェコと同じように、とても勉強になったし自信になった。これからの終盤戦がすごく楽しみだ」

立川章次監督
 「今日は、最後にジベルノーがカピロッシに抜かれて、表彰台独占を果たせなかったのが悔しい。しかし、予想通り、フロントローに並んだ4人の戦いになったし、それぞれがきっちりと実力を発揮したと思う。Hondaとしても、前戦チェコGP後のテストの成果を、きっちりと結果に結びつけることが出来たと思う。次は再び、表彰台を独占出来るように頑張りたい」

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