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第10戦
チェコGP
2003年8月17日 開催
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レースレポート

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序盤はHonda3台、ドゥカティ2台でトップグループを形成
ロッシは今季すべてのレースで表彰台を獲得
ヘイデンは前戦5位、このレース6位と好調をキープ
ロッシ4勝目。2位にジベルノーが入り
Honda今季8回目のワンツー・フィニッシュ
■決勝日時:8月17日(日)
■気温:27℃
■観客数:4万4865人(3日間7万4960人)
■コース:ドライ
2人の差は0.042秒。Honda勢のワンツーは今季8度目
2人の差は0.042秒。Honda勢のワンツーは今季8度目

 チェコスロバキア時代を含め、ブルノでグランプリが開催されるのは今年で27回目。チェコGPになって11回目となる今年は、7月に合同テストが行われたこともあり、予選初日からヒートアップすることになった。

 ブルノは、アップダウンとハイスピードコーナーが連続するコース。コース幅が広いこともあり、激しい抜き合いが演じられることが多い。過去の戦いを見ても、独走するのが難しいサーキットで、今大会も激しい接戦が予想された。昨年の大会は、このコースを得意とするマックス・ビアッジ(Camel Pramac Pons)が優勝。一方、バレンティーノ・ロッシ(Repsol Honda Team)は、タイヤトラブルで唯一、表彰台に立てなかったレースという苦い思い出がある。加えて過去4戦、優勝から遠ざかっているだけに、必勝を期してブルノに挑んだ。総合ポイントでロッシを追うセテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda)も、このコースを得意とするだけに、今大会もHonda勢の活躍に期待が集まった。

 予選初日、朝方まで降っていた雨のために、後半戦のスタートはウエットコンディションで始まった。レインタイヤでコースインした選手たちは、次第に乾いていく路面に合わせて、カットスリック、スリックと目まぐるしくタイヤを変える。このセッションでトップタイムをマークしたのはコーリン・エドワーズ(Aprilia)。Honda勢はビアッジの4位を最高に、確認程度の軽めの走行に終始したロッシが9番手、ジベルノーは18番手と、午後の予選に集中することになった。

 そして完全なドライとなった1回目の予選では、Honda勢が一気に上位に名前を連ねる。ビアッジがサーキットベストタイムを更新する好タイムで暫定PP。ロッシ2番手、宇川徹(Camel Pramac Pons)4番手、ジベルノー5番手、ニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)6番手と好調なスタートを切った。

 2日目の予選は、不安定な天候となった初日から一転、快晴に恵まれる。気温も初日の26℃から30℃まで上昇。そしてフリー走行で上位につけたロッシ、ジベルノー、ビアッジが予選でも激しくPP争いを繰り広げ、ロッシがサーキットベストタイムを更新して今季5回目のPPを獲得した。ジベルノー、ビアッジが僅差で続き、ルーキーのヘイデンが今季最高位の7番手、宇川8番手、玉田誠(Pramac Honda Team)10番手と、トップ10にHonda勢が6台という素晴らしい予選となった。

 迎えた決勝レース。ホールショットを奪ったのは、2列目スタートのトロイ・ベイリス(Ducati)。それをロッシ、ビアッジ、ジベルノーのHonda勢がピタリとマーク。その後方にロリス・カピロッシ(Ducati)と、優勝候補はこの時点で早くも5台に絞られることになった。

 そして、この5台によるトップ集団のこう着状態は、レース中盤の10周目まで続く。その集団の中から、ロッシが積極的な走りを見せて11周目にトップに立つと、これを合図に一気にトップグループの戦いはヒートアップ。目まぐるしくポジションが変わる戦いに発展した。

 その中から、マシンのセッティングを十分に詰め切れなかったビアッジが脱落。次にカピロッシがトラブルでストップ。優勝争いはロッシ、ジベルノー、ベイリスに絞られ、最後はロッシとジベルノーの一騎打ち。ラスト2周でジベルノーがトップに立つも、最終ラップにロッシが再度の逆転。ロッシが5戦ぶり、今季4回目の優勝を飾った。

 2位にジベルノー、3位にベイリスが入り、中盤までトップグループにつけたビアッジは5位となった。その他のHonda勢は、ヘイデンが6位、宇川8位、玉田9位、清成龍一(Team Telefonica Movistar Honda)が15位だった。Honda勢は今季8回目のワンツー・フィニッシュを飾り、さらにトップ10に6台が入り、全員がポイントを獲得する素晴らしいグランプリとなった。

 これでロッシは、開幕から10戦連続表彰台に立ち、総合ポイントでも2位のジベルノーに34点差。500cc、MotoGPクラス3年連続チャンピオンに大きく前進した。ジベルノー、ビアッジは、残り6戦で逆転を狙う。また、コンストラクターズタイトルでもHondaは2位に100点差。最短で次戦ポルトガルGPで15回目のコンストラクターズタイトルを獲得することになる。

 250ccクラスはランディ・デ・ピュニエ(Aprilia)が優勝。Honda勢はロベルト・ロルフォ(Fortuna Honda)4位、セバスチャン・ポルト(Telefonica Movistar jnr Team)は5位だった。125ccクラスはダニエル・ペドロサ(Telefonica Movistar jnr Team)が今季4勝目。総合ポイントでも2位との差を25点と広げた。また、東雅雄(Ajo Motorsports)は13位だった。


■Moto GP
バレンティーノ・ロッシ(優勝)
 「今年最高のレースだった。勝ててすごく嬉しい。今日はスタートから作戦はなかった。トップグループが4台から5台になったこともあるし、とにかく前を走ろうと思った。ハードに攻めたし、セテとは何度もラインがクロスした。自分もミスをしたがセテもミスをしていた。ここはグランプリを走るようになって初めて優勝したサーキット。自分にとって特別なグランプリだし、本当に嬉しい」

セテ・ジベルノー(2位)
 「ロッシも言っていたけれど、自分にとっても、今日のレースは今年最高のレースだった。スタートからフィニッシュまで限界で走ったし、ロッシもミスをしていたし、自分もミスをしてしまった。しかし、限界で走っているのだから仕方がない。今日は全力を尽くした。勝つことは出来なかったが、自分にとっても、チームにとっても、そしてファンにとっても、いいレースが出来たと思う」

マックス・ビアッジ(5位)
 「結果も悪かったし、今日は最後まで楽しく乗ることが出来なかった。このサーキットは、自信があったし、本当に残念だった。途中、大きく遅れてしまったのは、ハンドルバーから手が外れてしまって転びそうになったからだ。今日はコーナーでエンジンブレーキが作動していない感じで、何度もラインを外してしまった」

ニッキー・ヘイデン(6位)
 「予選ではいい走りが出来たと思う。しかし、決勝ではチェカの後ろを長く走りすぎてしまった。もっと早く抜いて前に出なければいけなかった。それでも、レースウィークを通じて、今回は成果あるレースだった。トップグループとの差は確実に縮まっている。次のテストが楽しみで仕方がない」

宇川徹(8位)
 「予選では2分0秒台でコンスタントに走れていたのに、決勝ではその走りが出来なかった。序盤はトップグループに離されないように頑張ったが、徐々に離されてしまった。7月のテストに参加出来なかったこともあるが、セッティングを完全に詰め切れなかった。月曜日のテストで、いいセッティングを見つけて、ポルトガルに生かしたい」

立川章次監督
 「今日は、ドゥカティ勢の戦闘力が予想以上に上がっていて、最後までハラハラさせられた。去年のレースに比べてレースタイムは格段に速かった。Hondaも向上しているが、ドゥカティの速さにも驚いている。今日も勝つことは出来たが、これからは気の抜けないレースが続きそうだ。しかし、Honda同士、それにドゥカティが加わるという充実したレースはファンも喜ぶと思うし、これからもいいレースを見せられるように努力していきたい」

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