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第9戦
ドイツGP
2003年7月27日 開催
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レースレポート

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ポールポジションのビアッジはスタートでつまづいた
ヘイデン(奥)は自己最高位となる5位に入った
ロッシは9戦連続表彰台。ジベルノーとの差は29ポイント
ジベルノー今季4勝目。2位はロッシでHondaワンツー
ヘイデンが今季最高位の5位でフィニッシュ
■決勝日時:7月27日(日)
■気温:30℃
■観客数:9万1808人(3日間20万4061人)
■コース:ドライ
2人の争いは10数周を数えた
2人の争いは10数周を数えた

 ドイツGPの舞台がドレスデン郊外のザクセンリンクに移って今年で6回目。グランプリ開催が浸透するにつれ、観客は増加の一途を辿っている。今年はこれまでで最高の9万1000人もの観客を集め、3日間のトータルでは、第3戦スペインGPの20万3000人を超えて今季最高の20万4000人のファンを集めることになった。

 ザクセンリンクは、グランプリコースでは最高速がもっとも遅いサーキット。アップダウンが激しいテクニカルコースとしても有名で、ビックパワーをいかに使い切るかが勝負の分かれ目。パワーだけではなく、バイクの総合性能が問われるサーキットでもある。今年はコースの一部が改修。オメガコーナーと呼ばれるヘアピンのコース幅が拡張されて全長が33m短くなり、3.671kmのニューサーキットとなった。

 昨年の大会はバレンティーノ・ロッシ(Repsol Honda Team)が優勝。今年もロッシはドイツGP連勝を狙い、一方、前戦イギリスで今季初優勝のマックス・ビアッジ(Camel Pramac Pons)、そして総合ポイントでロッシに続くセテ・ジベルノー(Team Telefonica Movistar Honda)も、ドイツGPの勝利に向けて、初日から気合の入った走りを見せた。

 フリー走行でトップタイムをマークしたロッシ。2番手に一昨年の大会で優勝しているビアッジ、3番手にジベルノーとHonda勢が上位を独占。ロッシからジベルノーまでの差がわずか0.196秒と、大接戦の中で幕を明けた。午後の予選でもロッシは快調にタイムを縮めて暫定PPを獲得。0.035秒差でビアッジが2番手。前戦イギリスでマッチレースを繰り広げた2人が、ここでも熱い火花を散らした。以下、ジェリミー・マックウィリアムス(Proton KR)、カルロス・チェカ(Yamaha)と続き、ジベルノー6番手、宇川徹(Camel Pramac Pons)12番手、このコースを初めて走るニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)は14番手で初日を終えた。

 2日目の予選は雲が多い一日。午前中、時折小雨がぱらつく不安定な天候となったが、辛うじてドライコンディションで予選は行われた。ザクセンリンクは、クリアラップが取り難いコース。タイムも接近するだけに最終予選はセッション開始から緊張したタイムアタックが繰り広げられた。

 その熱い戦いを制したのはビアッジで、前戦イギリスに続いて2戦連続PPを獲得。以下、マックウィリアムス、ロリス・カピロッシ(Ducati)、ロッシがフロントローに並び、5番手のジベルノーと8番手の宇川が2列目。ヘイデンはトップのビアッジから約1.2秒遅れの15番手。玉田誠(Pramac Honda Team)19位、清成龍一(Team Telefonica Movistar Honda)23番手から決勝に挑むことになった。

 迎えた決勝レース。ホールショットを奪ったのは予選4番手のロッシで、オープニングラップからグイグイとペースを上げる。その後方では、スタート直後の混戦から抜け出したジベルノーが、3周目にカピロッシを交わし2番手に浮上。レース中盤にはロッシの背後に迫り、それからは2人のマッチレースとなった。

 そして21周目に、ややペースを落としたロッシを、ジベルノーが交わしトップに浮上。最終ラップ30周目に勝負に出たロッシが一度はジベルノーの前に出るが、最終コーナーの立ち上がりで、ベストラインを選んだジベルノーがロッシに先着。わずか0.060秒差で今季4勝目を飾った。ロッシは優勝こそ逃したが、これで開幕戦から9戦連続表彰台。昨年のポルトガルGPから15戦連続で表彰台に立った。3位にはトロイ・ベイリス(Ducati)。PPスタートから1周目10番手と出遅れたビアッジは、3番手まで浮上するも、惜しくも転倒リタイアに終わった。

 トップグループの後方では、ルーキーのヘイデンが予選15番手から素晴らしい走りでカピロッシとの4位争いに加わり、今季最高位の5位でフィニッシュ。宇川はヘイデンからわずかに遅れて6位。玉田13位、清成18位という結果だった。

 250ccクラスは、フォンシ・ニエト(Aprilia)、ランディ・デ・ピュニエ(Aprilia)とし烈な優勝争いを演じた、ロベルト・ロルフォ(Fortuna Honda)が今季初優勝。総合ポイントでも3位でトップに7点差に迫り、タイトル獲得に向けて後半戦の活躍に期待が膨らんだ。125ccクラスはステファノ・ペルジーニ(Aprilia)が優勝。総合ポイントで首位のダニエル・ペドロサ(Telefonica Movistar jnr Team)は、優勝争いに加わりながら惜しくも4位。東雅雄(Ajo Motorsports)は転倒リタイアに終わった。


■Moto GP
セテ・ジベルノー(優勝)
 「今日は肉体的にも精神的にも辛く厳しいレースだった。最終ラップは、何も考えてなかったし作戦もなかった。考えたところで上手くいくことなんてないし、実際に勝ったのは僕だし、ロッシの作戦はうまくいかなかったからね。とにかく、今日は本当に素晴らしいレースだった。素晴らしいバイクに仕上げてくれたチーム、スタッフ、Honda、そしてすべての人に感謝したい」

バレンティーノ・ロッシ(2位)
 「今日の結果にはちょっとがっかりしている。いいスタートが切れたし、序盤からプッシュすることにしたのだが、ジベルノーに追いつかれてしまった。それから10周ぐらい接近したレースになった。最終ラップにジベルノーをパスする作戦だったし、予定通り抜くことが出来た。しかし、最終コーナーで大きなミスをしてしまった。ジベルノーがインに入ってくると思って、インにラインを取ってしまった。いま考えても、なぜイン側にラインを取ったのかわからない。もしインを差されて抜かれていても、クロスラインで抜けば良かったからね。残念なレースだった」

ニッキー・ヘイデン(5位)
 「とても楽しいレースだった。なんたって今年最高の5位でフィニッシュ出来たし、レース中にはカピロッシを交わして4位を走ることが出来たからね。しかも、すごく落ち着いて走ることが出来たし、何度も言うけれど、本当に楽しいレースだった。今日は、ウオームアップですごくいいフィーリングを感じたし、いいレースが出来るような気がした。素晴らしいバイクに仕上げてくれたチームに感謝している」

宇川徹(6位)
 「スタートはまずまずだったと思うが、今日は高速コーナーでリヤのトラクションが不足していてタイムをロスしてしまった。2日間の予選を通じて、その問題に取り組んできたし、かなり改善された。しかし、完全ではなかった。全体的にブレーキングも甘かったし、苦しいレースになってしまった。鈴鹿8時間耐久レースの後は、少し休養して、気分をリフレッシュしてチェコGPに挑みたい」

立川章次監督
 「いいレースだった。ジベルノーは自信を持って走っていたし、強い選手に成長したと思う。対して、今日のロッシは、セッティングを完璧に出来なかったこともあるが、レースの流れを見すぎたようにも思う。しかし、2人ともに素晴らしい走りを見せてくれた。ヘイデンも今季最高位の5位でフィニッシュした。走りも内容も良かった。宇川は6位に終わったが、調子を取り戻しつつあることを感じた。後半戦も気持ちを引き締めて戦って行きたい」

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