初めてでも、よく分かるトライアル日本GP

もてぎ独特の魅力や楽しさ

森の中で自然を楽しみながらの観戦がおすすめ

コースの設営には大会前から長い時間をかけているとのことですが、自然保護の観点でも力を入れているそうですね?

「自然の野山を走るので、トライアルには自然破壊のイメージを持つ方もいるかもしれませんが、設定側の想いとしては『そうではないんだ』というところも見せたいのです。例えば、バイクを手足のように操れる上手な選手ほど、路面に対して優しい走りをしますし、選手たちもルールを守って山の中に入り込んで戦っているという点では、バイクで自然を節操無く荒らしているのではないのですね。トレッキングシューズをバイクに変えて山を登りましょうというのがトライアル本来の楽しみでもあるので、コース設定にもそういうところを意識した狙いがあります。自然の中を走るためにバイクで苦労するような場面を見せたいという気持で、色々なところにセクションを作っています。テクニックだけを見せるなら、全て人工セクションにしてしまえば済んでしまう話ですから。もてぎでは大会のあとに、沢筋にできたタイヤの溝を職人さんたちが全部修復しているんですよ。土を被せてもう一度自然の状態に還す、そこまでが日本GPのテーマであり運営側の仕事になっています。しかも、その修復作業の方が、設営作業よりも長くかかるということです」

トニー・ボウ選手

森林浴をしながらスポーツ観戦……木漏れ日の差す雑木林の中でトライアル観戦が行えるのも、もてぎの大きな魅力。自然と親しむための施設であるハローウッズ内では、様々な動植物と触れ合う事もできるので、小さな子どもでも退屈しない楽しさがある

間近での声援はライダーの起爆剤 みんなで応援しよう

選手にとって、お客さんの声援はどう聞こえるのでしょう? 人によっては集中の妨げやプレッシャーになったりはしないのですか?

「トライアルの場合は、エンジン音や排気音もよく聞こえるようなヘルメットの作りになっていますし、比較的視野も広く、周囲の情報は何でも入ってきます。ちょっと気持ちに余裕のあるときは、お客さんの声援や応援の旗などは意外に聞こえていますし目につくものです。このあたりはゴルフと違いまして、『お静かに』というのではなく、いかなる場合も『お客さんの声援は力になる』というのが選手の意見ではないかと思います。したがって、精一杯声を張り上げても、それ以上にエンジンを回して走っていくわけですから、どんどん応援してもらった方がいいと思います。自分自身が日本GPを走った経験で言いますと、岩盤ゾーンなどでよいスコアをメイクした時は、下から大きな歓声が聞こえて来て、選手にとってもすごく気持ちのいい場所でもあるんですね」

「藤波選手も普段はヨーロッパで走っているので、日本を離れてスペインでひとり暮らしをしているわけです。だから彼自身も日本人の声援が飛びかう日本での大会を、毎年すごく楽しみにしています。日本語の声援で彼自身が盛り上がってくれれば、高いパフォーマンスを発揮し、もしかしたら総合優勝してくれるのではないかとさえ思っています」

トライアル世界選手権 第7戦 日本グランプリ 8.20 sat - 8.21 sun 公式サイトはこちら!

もてぎでも優勝経験のある藤波選手の人気は高く、ご覧のような旗やのぼりも多数目に付く 藤波貴久選手

もてぎでも優勝経験のある藤波選手の人気は高く、ご覧のような旗やのぼりも多数目に付く。母国での大会を、大きな声で応援しよう。また、世界に挑む日本人選手にも惜しみない拍手を