1月3日の開幕戦は、イギリス・シェフィールドで行われ、ボウはアダム・ラガ(ガスガス)と激しい接戦を展開。両者とも一歩たりとも譲らないレースを繰り広げる中、最終セクションでのラガのミスでボウは第1戦を制した。ボウのチームメートで、唯一の日本人ライダーである藤波貴久も健闘。ラガを追うレースとなるものの、途中、頭から転倒して首を痛める。容態が心配されたが、処置後は見事完走し、ボウに次ぐ2位を獲得した。
その後、ボウは第2戦フランス・マルセイユ大会(1月24日)では残念ながら2位となるが、第3戦スペイン・バルセロナ大会以降は、他のライダーを寄せ付けない走りで3連勝を飾る高いポテンシャルを発揮した。第4戦イタリア・ボルツァーノ大会では、最終戦を残して世界チャンピオンを獲得。粘り強いライディングで各セクションをクリアしたボウは、最終セクションにおいてタイムオーバーのペナルティを1点のみ受けた。ライバルたちとチャンピオン争いを繰り広げる中で、ボウは確実な走りで難セクションを一つずつクリアし、チャンピオンシップを手にした。
最終戦スペイン・マドリード大会も表彰台の頂点に立ち、インドアでは全5戦中4勝。22歳のスペイン人ライダーは、2007年にREPSOL MONTESA HRCのライダーとなってから3回のインドアタイトル、2回のアウトドアタイトルの合計5つのタイトルを有することとなった。
4月にはアウトドア世界選手権が開幕し、ボウの連覇記録の更新が期待される。また、6月6、7日には、栃木県・ツインリンクもてぎにて第4戦日本大会が開催され、世界選手権ライダーによるトップレベルのライディングスキルがぶつかり合う。コースはツインリンクもてぎの施設がフル活用され、迫力のレースを間近で観戦できるのが魅力。母国戦となる藤波の走りも見逃せないレースとなるだろう。
「私自身、そしてチームがすばらしい仕事をした結果が、このチャンピオン獲得だと思う。今回の結果についてはとてもうれしいし、次のアウトドア選手権に向けて前向きになれるし、またモチベーションを高く保つこともできる。4月からアウトドアが始まるが、チームと一緒にマシンをさらに仕上げ、また記録を更新できるように戦っていくよ。6月にはもてぎでファンのみなさんに会えることを楽しみにしているよ」
ランキング | ライダー | 合計ポイント | イギリス | フランス | スペイン | イタリア | スペイン |
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1 | トニー・ボウ | 38 | 8 | 6 | 8 | 8 | 8 |
2 | A.カベスタニー | 25 | 3 | 8 | 5 | 4 | 5 |
3 | A.ラガ | 25 | 5 | 5 | 6 | 6 | 3 |
4 | 藤波貴久 | 22 | 6 | 4 | 3 | 5 | 4 |
5 | J.ファハルド | 18 | 2 | 3 | 4 | 3 | 6 |