Round08イタリアイタリア

トライアル 決勝

2018年9月16日(日)

ピエトラムラタ

トニー・ボウ、有終の美で2018年を締めくくる

2018年の世界選手権シリーズが終幕を迎えました。今シーズンの世界選手権は9試合(日本大会のみ、1大会で2試合開催されています)、Repsol Honda Teamのエース、トニー・ボウは、このうち7試合で勝利。最後は6連勝してシーズンを終了しました。チームメートの大ベテラン、日本が誇る藤波貴久は6位で最終戦を終え、シリーズランキングの6位を確定しました。

序盤戦、ボウの戦いぶりは、必ずしも好調ではありませんでした。今回ばかりはライバルに勝利を譲ることになるのかと思われましたが、最後はいつものように表彰台の一番上に立つことになりました。序盤、第4セクションまでに13点を失ったボウは、1ラップ目にはタイムオーバーもあって19点、ライバルに1点ビハインドで追い上げの2ラップ目に入っていきました。

その2ラップ目、第1セクション、第3セクションでそれぞれ1点を失い、1ラップ目の序盤戦をかすかに思い起こさせる滑り出しとなりましたが、そこからのボウの集中力はみごとでした。第4セクション以降、最終第15セクションまでをすべてクリーン。2ラップ目、ボウの減点はたったの2点だけでした。

1ラップ目にトップだったライバルのアダム・ラガ(TRRS)も2ラップ目には減点を減らしてトップを守らんとしましたが、こちらの2ラップ目の減点は6点。結果、3点差でボウの最終戦勝利が決まったのでした。

ボウのチャンピオン獲得はこの前のイギリス大会ですでに決まっています。最終的なポイントテーブルでは、ボウは2位に38点の大差をつけて12回目のアウトドア世界チャンピオン獲得に花を添えることになりました。

藤波貴久は、ここ3戦、5位、3位、4位と調子を取り戻してきていて、今回もその順位をキープするために戦いましたが、今回のセクションは難セクションばかり、さすがの藤波も攻略にてこずり、6位で最終戦を終えることになりました。年間ランキングも、今回の順位と同様の6位ということになりました。

さて個人戦の世界選手権はこれで終了となりましたが、ライダーには、もう一つの世界選手権参戦が控えています。各国のライダーがチームを組み、国別で戦うトライアル・デ・ナシオンです。ここではボウはスペインチーム、藤波は日本チームで戦います。この週末、チェコ共和国での開催です。

コメント

トニー・ボウ(優勝)
「今日の戦いは満足のいくものでした。試合の滑り出しは失敗があり、できることができていませんでしたが、最後までしっかりと戦い抜くことができました。2ラップ目には失点がわずか2カ所のみ。とてもよいラップスコアを残すことができました。チャンピオンを獲得しての最終戦で勝利を飾れて、とてもうれしい日となりました。今は、すぐ翌週に控えているトライアル・デ・ナシオンの戦いのことを考えています。次はここでの勝利と世界タイトルを楽しみたいと思います。最後に、今シーズンの負傷からの回復にたいへんな助けをしてくれたチームドクターのヨアキム・テリカブラスと、そのすべてのスタッフに感謝をしたいと思います」

藤波貴久(6位)
「今日はとても難しい戦いとなりました。今日の走りは満足のいくものではありませんでした。最後の戦いは、ランキングを一つでも上げるための戦いでもありましたが、6位という結果となってしまい、ランキングも6位のままに甘んじることになりました。今シーズンは、浮き沈みの激しい1年となりました。肩の負傷などがあり、身体的な問題もあって、序盤戦は自分のトライアルのリズムを見つけられずに、本当に苦労しました。しかし長いトンネルを抜けて自信を取り戻してからの4戦は、それぞれ悔しいところはあるものの、自分らしい戦いをしての結果という点では納得のいくものとなりました。今は、ボウと同じく、週末のトライアル・デ・ナシオンを走ることに思いをはせています」

ミゲール・シレラ監督
「今シーズンは、私たちにとって、とても厳しい1年になりました。しかし最終的には、ボウは最終戦を前にしてチャンピオンを確定し、最終戦もまた勝利を飾ることができました。藤波は、シーズン終盤にとてもよい仕事をしてくれました。1年を通じては、良好な戦いができたと思います。本当のプロフェッショナルライダーである2人には心からおめでとうと申し上げたいし、2人を完ぺきにサポートし続けたチームのみんなにも感謝と祝辞を送りたいと思います。今年はエンジニアだけでなく、ドクターチームの働きも本当に大きかったのです。そしてモンテッサのメーカータイトルを獲得の強力な推進力となったトライアル2でのモンテッサ・ライダー、トビィ・マーチンとガブリエル・マルセリ、そしてマテオ・グラタローラにも感謝と祝福を送ります。」

※リザルトおよびポイントランキングはレース終了時点のものです

リザルト

順位 ライダー マシン L1 L2 総減点
1 トニー・ボウ Honda 16 2 21
2 A.ラガ TRRS 18 6 24
3 J.ファハルド ガスガス 19 13 37
4 A.カベスタニー ベータ 27 15 46
5 J.ブスト ガスガス 32 10 46
6 藤波貴久 Honda 40 23 63

ポイントランキング

ライダー

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 トニー・ボウ Honda 170
2 J.ファハルド ガスガス 132
4 A.ラガ TRRS 129
3 J.ブスト ガスガス 124
5 A.カベスタニー ベータ 102
6 藤波貴久 Honda 91
16 小川友幸 Honda 5

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