WCT 2018 | 総集編

トニー・ボウが12年連続のチャンピオンを獲得

2018年のトライアル世界選手権は8大会、9レースが行われ、このうち7レースで勝利を収めたRepsol Honda Teamのトニー・ボウが12年連続のチャンピオンに輝いた。この結果、インドア、アウトドア合わせて世界選手権24個目のタイトルを獲得した。

ボウは、インドア世界選手権のシーズン中に出場したノンタイトルのインドア大会でろっ骨を骨折。3月末のXトライアル最終戦はケガからの回復を優先して欠場するなど、不安の残る中でアウトドア世界選手権の開幕を迎えた。11年連続チャンピオンは積極的な走りで1ラップ目を最小の減点13で抜けると、そのまま大きなミスもなく、圧巻の走りで勝利を手にした。第2戦日本での2レースこそ優勝から遠ざかったが、それ以降のレースでは次々と勝利を重ね、最終戦を残して第7戦イギリス大会でタイトルを決定させた。

世界選手権参戦23年目の藤波貴久(Repsol Honda Team)はアウトドアシーズン開幕前のケガで万全ではないものの、シーズンを通して攻めの走りを披露。日本、ベルギーの2レースで表彰台に登壇し、シーズンを6位で終えた。

第2戦日本大会の1日目は、藤波が1ラップ目を8点のマイナスに抑えるベテランらしい走りを披露。2ラップ目は自らのミスもあり減点を重ねるも、最終的に3位。表彰台で母国ファンの声援に応えた。2日目はボウが2位表彰台を獲得してランキングトップに返り咲き、Repsol Honda Teamの2人が今シーズン唯一の2日間開催大会のレースを盛り上げた。

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第4戦ポルトガル大会はボウが世界選手権参戦200戦目にして通算100勝をマーク。これは2000年から07年まで、藤波のチームメートとしてチームに在籍していたドギー・ランプキンが持つ記録を抜いての新記録となった。この日のボウは15のセクションを2ラップするレースで、減点1で1ラップ目を折り返すと、2ラップ目は減点5が1回ありながらも、難易度の高いセクションを1点ずつの減点で確実に走り、2ラップ合計9点。2位に12点差、3位に22点差をつける圧倒的な走りを披露し、自らの100勝に華を添えた。

第6戦ベルギー大会では、ボウが07年にモンテッサ入りしてから100勝目となる勝利を挙げ、自身とっても、マシンを提供するモンテッサにとっても記念すべき大会に。土曜日の予選で右ヒザを負傷したボウは、万全ではないコンディションで決勝の日曜日を迎えた。序盤は細かい減点が続き、ライバルに先行されるが、徐々にチャンピオンの走りを取り戻し、1ラップ目を終える頃にはトップに返り咲くと、7セクション連続クリーンなどで他を圧倒。中盤の2セクション連続5点がありながらも、ライバルのアダム・ラガ(TRRS)に対して4点差で優勝。藤波貴久はハイメ・ブスト(Gas Gas)とセクションのスコアでは同点だったものの、タイム減点の差で3位表彰台を手繰り寄せた。

全15セクションを2ラップで争われた第7戦イギリス大会でもボウの勢いは止まらなかった。1ラップ目を2位で終えると、2ラップ目は減点3で走りきって5連勝を達成。最終戦イタリアを残して、このレースで12回目の年間タイトルを手にした。

- POINTS -

順位 ライダー マシン 総合
1トニー・ボウHonda170
2J.ファハルドガスガス132
3A.ラガTRRS129
4J.ブストガスガス124
5A.カベスタニーベータ102
6藤波貴久Honda91
16小川友幸Honda5