ROUND 08

イタリアイタリア アルコ 2017.09.17(日)・トライアル

第8戦 イタリア

前戦タイトルを決めたボウが、勝利でシーズンを締めくくる

2017年9月17日(日)  会場:メッツラー・オフロードパーク

2017年シーズンの最終戦イタリア大会は、北イタリアのトレント郊外、メッツラー・オフロードパークで開催されました。セクションはコンパクトにまとめられ、歩いての観戦も非常に容易。モトクロスコースの周辺の山あいに、ダイナミックなセクション群が用意されていました。

トニー・ボウ

すでにチャンピオンを決めているトニー・ボウ、ランキング3位をほぼ手中にしているハイメ・ブスト、そして、ジェロニ・ファハルド(ヴェルティゴ)とのランキング4位争いがし烈となっている藤波貴久。Repsol Honda Teamの面々は、三者三様でこの最終戦に臨みました。

朝になっての豪雨で始まったこの大会、コンディションは難しいものとなりました。ボウとブストは、ライバルの多くが3点や5点を取る第1セクションを、それぞれクリーンと1点で抜けて、いきなりこの試合の主導権を握りました。ブストはその後、アダム・ラガ(TRS)の猛追を受けることになりますが、ボウは圧倒的な強さを維持したまま、最終戦を最後まで走りきってしまいました。その強さはパーフェクト。つけ入るすきを与えません。この勝利は、ボウの97回目の世界戦の勝利となりました。

ブストは、ラガと真っ向勝負を展開しました。1ラップ目、ブストが25点に対してラガは24点。追い上げが期待された2ラップ目、ブストが5点に対してラガが3点、惜しくも3点差で2位の座を譲ることになりましたが、見事ランキング3位の座を勝ち取りました。

ランキング4位の座を争う藤波でしたが、今回は精彩を欠く走りに終始してしまいました。それでも“フジガスファン”の多いイタリア人を前に、そこここでフジガスここにありの走りを披露。ただ残念ながら、結果は10位、ランキング5位となりました。それでも、1996年に世界選手権への挑戦を始めた藤波は、97年にランキング4位となって以来、21年にわたってランキング5位以内をキープするという偉業を達成しました。

ハイメ・ブスト

藤波貴久

17年シーズンが幕を下ろしましたが、翌週は国別対抗戦「トライアル・デ・ナシオン」が開催されます。Repsol Honda Teamからは、ボウとブストがスペインチームで、藤波が日本チームで出場します。

コメント

トニー・ボウ(優勝 2017年シーズンチャンピオン)
トニー・ボウ「今日はうまくいくような気がしていました。モチベーションも十分でした。タイトルを獲得しての新たなるこの一戦で、どうしても勝利が欲しかったのです。チェコ大会ではチャンピオンを決めることができましたが、勝利はなく、完全に満足とはいきませんでした。その後、私たちはいくつかの変化を経て、その結果はとても満足いくものとなりました。今回、とてもいい仕事をしてくれたチームの面々に、大きな感謝を捧げたいです。そして私は、イタリアが大好きです。ギャラリーは熱のこもった声援を送ってくれました。私はそれを大切にして、これからも常にうまくいくように努力したいと思います」

ハイメ・ブスト(3位 ランキング3位)
ハイメ・ブスト「とてもうれしい結末となりました。今日はあまりいい走りはできていませんでしたが、常に進化を実感しているし、ますます自信を持てるようにもなってきました。ボウさんのすぐ後ろのポジションを得て、この結果には満足です。3位はいい結果ですが、私はさらに大きくなりたいです。来年は、ここからさらなる改善をすべく、がんばります」

藤波貴久(10位 ランキング5位)
藤波貴久「今日はとても情けない結果となりました。21年連続で、世界選手権のトップ5入りしたのは初めてということですが、今日の結果がうまくいっていないので、大きな記録もかすみがちです。今シーズンは、アメリカからの最後の4試合を非常に悪い結果で終えてしまいました。正解のないのが勝負の世界ですし、これも大切な教訓として、今は来年のためになにを変えていくべきか考えるときだと思っています」

ミゲール・シレラ監督
「今シーズンは、トニー・ボウのタイトルとコンストラクターズタイトルの2つが手に入り、とても満足いくものとなりました。ボウは、勝利とタイトルに向かう飽くなき情熱にあふれています。その姿勢と行動には、大きな祝福を送らなければいけないと思います。ハイメ・ブストもまた、今日の3位と選手権の3位とを得て、大きな祝福に値します。彼は今シーズン、ぐんぐん進化し、私たちが望んだ結果を達成してくれました。今後も、この進化が続くことを望んでいます。今日の藤波貴久は難しい戦いとなりましたが、彼もまた、祝福されるべき偉業を達成しました。そしてモンテッサ・ホンダとHRCのすべての人々が、ライダーが最高のコンディションで戦えるように仕事をし、努力してくれました。彼らにも、大きな祝福を送りたいと思います。私たちは一年間、本当にいい仕事をしてきました。すべての皆さんに、今一度、“おめでとう”と言いたいです」

リザルト

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 総減点
1 1 トニー・ボウ Honda 12 6 18
2 67 A.ラガ TRS 24 3 27
3 69 ハイメ・ブスト Honda 25 5 30
4 22 J.ダビル ガスガス 27 12 39
5 47 J.ファハルド ヴェルティゴ 35 12 48
6 11 F.カドレック ガスガス 34 16 51
10 3 藤波貴久 Honda 42 21 63

ポイントランキング

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 トニー・ボウ Honda 192
2 A.ラガ TRS 164
3 ハイメ・ブスト Honda 131
4 J.ファハルド ヴェルティゴ 121
5 藤波貴久 Honda 112
6 J.ダビル ガスガス 102
18 エディー・カールソン Honda 10

ランキング詳細

フォトギャラリー

トニー・ボウ

トニー・ボウ

トニー・ボウ

トニー・ボウ(左)、ハイメ・ブスト(右)

トニー・ボウ

トニー・ボウ

トニー・ボウ

トニー・ボウ

トニー・ボウ

Montesa COTA4RT(トニー・ボウ車)

トニー・ボウ

トニー・ボウ(中央)

トニー・ボウ(中央)

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

藤波貴久

藤波貴久

藤波貴久

藤波貴久

藤波貴久

藤波貴久

藤波貴久

藤波貴久

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